代官山、予約の取れない焼肉店による行列のできる和牛バーガー

【連載】DJ TAROのNice to Meat You vol.6 人と仲良くなるには食事が一番。でも、いきなり鍋って感じじゃない。会話が弾まないテーブルでも綺麗なサシの肉が出てくると「わー!」っと歓喜の声が上がる。そう、肉は人をつなぐ。出逢いのMeetであり肉のMeat。そんな思いを込めて肉ラヴァーに贈るDJ TAROさんのナイスな肉話。

2016年01月08日
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代官山、予約の取れない焼肉店による行列のできる和牛バーガー
Summary
1.黒毛和牛バーガーなのにシングル650円
2.経営は市ヶ谷にある超人気店「炭火焼肉なかはら」
3.脂の多い和牛をバーガーにする技術とは?

ハンバーガー群雄割拠の時代

『グルメバーガー』いつからそんな言葉が生まれたのだろう??
先日20周年を迎えた世田谷は三宿にある「FUNGO」で食べたハンバーガーがウマかった。
立体感のある挽きのパテにしっかりしたバンズが全てをキャッチしてくれる豪快なバーガー、今では当たり前かもしれないが当時1,000円を越えるバーガーはそう簡単に受け入れられた訳ではない。そう、「FUNGO」はグルメバーガーの草分け存在と言える。
今やグルメバーガーは「ハンバーガー」とは別のカテゴリーとして存在している。
2015年から2016年は第3次BURGER WARSとも言えるのではないだろうか??

ファーストフード店では既存のバーガーとは違う高価なグルメバーガーを投入。また上陸系のShake Shackは連日長蛇の列。そして2016年にはアメリカはカリフォルニアのカールスジュニア(Carl's Jr.)などの上陸も予定している。人はどうしてこうもバーガーに魅了されるのだろうか!?

そんな中、2015年12月代官山は鎗ヶ崎交差点そばに突如OPENした「Henry's Burger」に僕は心を鷲掴みにされた。正式OPENの12/17に先行して13、14日にはプレオープンとなったのだが、「プレ」なのに長蛇の列!その関心の高さが伺える。

この「Henry's Burger」は予約の取れない焼肉の名店、市ヶ谷にある「炭火焼肉なかはら」が満を持してOPENさせたバーガー店である。
焼肉屋がなぜバーガー店???
バーガーの定義とは何だろう??ハンバーグではなくパンだからと言ってサンドイッチでもない。
そう、バーガーはバーガーである(当たり前ですいませんww)。

僕にとっての一番のバーガーは幼い頃の記憶ではあるが、米軍基地の独立記念日に出ていた出店のハンバーガーなのである。基地の中で買える薄っぺらい赤身のパテでこれをBBQ台で炭火焼にしてチーズを乗せ、軽く炙った小さめのバンズにまんま挟むだけ。野菜も無ければケチャップもなかったりする。
でも、炭火で香ばしい焼きが入ったなんてことはないバーガーが今でもMy Best Burgerな気がする。
今回紹介する「Henry’s Burger」は全く別ものなのだが「あのバーガー」を思い出すバーガーなのだ。

無駄な脂を落とし和牛の旨みを閉じ込めた!

グルメバーガーの中には日本ならではの「和牛」を使う店もあるが
実は和牛のバーガーはあまりバーガーに適していないのでは?と思うところもある。
ホワッと柔らかジューシーではあるがいささかハンバーガーとしてのパンチにかけるところがある。
そんな中今回ご紹介する「Henry’s Burger」はこれまでにない和牛の旨みを最大限に引き出したバーガーなのだ。使う肉は「炭火焼なかはら」で使用している最高級の黒毛和牛。そう、あれだけ美しい和牛をカットすると端肉が大量に出る。これを挽いたものを使用するわけだ。この時点で既にグルメバーガーをある意味越えている。

メニューはシングルのセットかダブルのセットのみ。ここはやはりダブルをピック。
作る行程は全面窓ガラスで全て見る事が出来るのも嬉しい。なんと!団子状のパテを焼きながら専用のプレス機を使ってドンドン薄く潰していく。良質な脂が流れ出る中、焼き固めていくのだ!柔らかい和牛を使用しているのでそのまま焼いても型崩れしてしまう。これを流れ出た脂で揚げるように焼き固めながら余分な脂を落として行く。

よく見ると鉄板は脂が落ちるよう斜めになっていてこれは特注とのこと。中々高級和牛を焦がすような焼きはステーキ店ではしないと思われるが、この焦がしに「恋い焦がれる」ほどの香ばしい香りがなんとも言えない!
「なんか勿体ない~~」気もするが和牛の良質な脂と言えど全てが必要な訳ではない。これは肉の旨みを最大限に引き出すために重要な行程なのだ。
焼き固められた中はじわっとふっくらと熱が通っていく。。。
パテというよりも凹凸の出来たステーキのような肉を剥がしながら優しく返す。
一瞬でも気を抜くと形が崩れてしまう。

これにチーズを乗せバンズとオーロラソースにトマトとレタスを挟んで完成!Henry’s Burgerなのである!
まず見た目に肉映りの美しい『フォトジェ肉』なバーガーだ。

冷めないうちに頂きます…ウマい!!ウマいよーーーウマい!!!
口に入る瞬間には香ばしい香りが鼻に広がりふんわりバンズを抜けてクリスピーなパテに歯を立てると今度は和牛の赤身の旨みが口の中に広がります。立体的なパテは口の中で心地よく残り、スネ肉?などもきっと配合されているのだろう食感に肉の旨みが絡みます。
実は水っぽくなるので野菜を挟むのがあまり好きではないのですが、カリッとしたトマトと歯ごたえのいいレタスがオーロラソースに爽やかな酸味と食感をプラス。最後はバンズがこれを優しくキャッチし口の中をリセット。また1st BITEの気分でバーガーを頬張れます。

そして付け合わせのポテトは細めのシューストリング。
冷めてもポテトがダレないクリスピーな食感はポテトだけでも実はクセになります。
バーガーにはマストアイテム。更にコーラが欲しくなります。

このウマさでドリンクポテト付きのシングルで900円、今回のダブルのセットでも1,200円です
バーガー単品でシングルだと650円って(笑)安過ぎだと思います。
基本テイクアウトという形式やあえていろんなことを省くことによってこの価格での提供を可能にしています。

オーナーの中原さんはアメリカ西海岸での暮らしたこともある人です。
最高の和牛を日々扱いながらあの頃のバーガーに思いを馳せて出した結果がこの「Henry’s Burger」なんだと思います。

HENRY'S BURGER(ヘンリーズバーガー)

住所
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-36-6
電話番号
03-3461-0530
営業時間
11:00~20:00
定休日
定休日 無休 (年末年始を除く)
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/2wnhwdr10000/
公式サイト
http://www.henrysburger.com/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。