環境と健康と食の関係について考えてみよう。
「いただきます」と「ごちそうさま」――。地球の恵みである食材と心を込めて作ってくれた人への感謝の気持ちを表すこのひと言は、わたしたちの「食」を未来へと繋いでいくための魔法の言葉です。今回の最終コラムでは、「食」の未来のために私たちは具体的に何ができるかを考えます。
これまでのコラムで考えてきたように、私たちの「食」は地球からのさまざまな恵みで成り立っています。ですから「食」を未来へと繋ぐためには、地球にも優しい食べ方がとても大切です。例えばできるだけ地元の野菜や旬の魚を食べるようにしたり、食べ残さないように心がけたりと、私たちができることはたくさんあります。
そのなかでも、今回とくに考えたいのが食堂やレストラン、カフェなどでできること。日本には約50万店もの飲食店があり、世界でも類を見ない多様な外食文化があります。現代の私たちの食生活に外食は欠かせません。その多様な外食文化を支えているのも、四季折々の食材であり、日本の豊かな自然からの恵みです。外食文化と自然の多様性、このどちらも守りながら未来へ繋いでいくことができるかは、私たちのこれからの行動しだいです。では具体的に何をやればいいのか、今日から始められるささやかな“できること”をご紹介します。
飲食店に行ったとき、食べる人ができる簡単なアクションを10個挙げます。「いただきます」と「ごちそうさま」を声に出して言うだけでも、料理を作ってくれた人とのコミュニケーションになります。ひとつでもいいので、今日から挑戦してみましょう。
1 エコなお店を選んでみる。
2 お気に入りのmy箸を持参する。
3 小盛りなど、自分が食べられる分だけを注文する。
4 「いただきます」と声に出して言ってみる。
5 どのような産地や生産者の食材が使われているのか、興味を持つ。
6 料理や食材について、お店の人とおしゃべりを楽しむ。
7 会話を楽しんで食べる。
8 できるだけ残さずに食べる。
9 食べきれなかったら、持ち帰れるか聞いてみる。
10 「ごちそうさま」と声に出して、食材や料理を作ってくれた人に感謝する。


逆に飲食店の人ができるアクションにはどんなことがあるでしょうか。なかには少しだけ手間がかかるものもあります。それでも地球や「食」の未来のために努力をしている、そんな飲食店を食べる人も選ぶように心がけるとアクションの輪が広がっていきます。
1 旬や産地についてメニューに表示する。
2 国産の食材、旬の食材をつかったメニューを提供する。
3 食材の生産現場にもっと興味を持つ。
4 小盛りなど、あらかじめ食べられる量を選んでもらう。
5 料理や食材について、お客さんに語る。
6 my箸やエコな食器を使うことを推進する。
7 食べ切れない人には「お包みしましょうか?」と声をかけてみる。
8 エコ仲間をどんどん増やしていく。
私たちができるアクションのひとつひとつはとてもささやかなことかもしれません。今私たちが地球のよろこぶ食べ方を始めることができれば、「食」の未来はずっとステキなものになります。みんなが飲食店で食事をするたびにひとつ行動することで、それはとても大きな効果を生み、私たち自身の健康だけではなく、地球の健康も守っていくことになるのです。
そんな考え方ができたら、未来の飲食店は単に食事の場所というだけではなく、「食」と環境について考える拠点にもなるでしょう。食べる人と飲食店が一緒にできることをひとつずつ始めることで、そんな拠点をどんどん増やしていけば、食文化という財産が明るい未来に繋がっていきます。まずは「いただきます」と「ごちそうさま」を欠かさずに言うことから、「食」の未来のために一歩踏み出してみてください。

監修:有限責任中間法人 環境パートナーシップ会議 [Environmental Partnership Council]
環境パートナーシップ会議(EPC)は、地域の環境団体や、政策提言を行う環境NGOを支援し、企業や政府とつなぐこと(パートナーシップ)によって、課題を解決に導く新しい力を生み出すことを目的に活動している組織です。場づくり、仕組みづくり、実例づくり、人材育成、情報共有のデザインなど、縁の下を支える活動をしています。
公式ホームページ http://www.epc.or.jp/