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今宵は黄金に輝くウイスキーで祝杯を「成功者」だけが味わえる至福の一杯

[2015年10月06日]

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今宵は黄金に輝くウイスキーで祝杯を「成功者」だけが味わえる至福の一杯
ひんやりとした秋風がふきぬける日。仕事を終えて時計をみる。 この時間ならまだ空いているな。そう思いたち、人波に逆らって歩きだす。

そこは、成功者だけが飲んでいい酒がある場所。「成功者だけが飲んでいい」というのは、自分が自分のために決めた掟だ。

いつもの酒という名の極上

BAR

「いらっしゃい」
ぶっきらぼうな声が、奥から聞こえる。マスターは一度こちらに目を向けたが、「なんだ、お前か」とでも言いたげな顔で、グラスを拭く作業に戻る。

ここに来るといつも決まった席に座る。決められているわけではない。「成功した」と心に偽りなく言える夜は、必ず同じようにすると心に決めている。自分自身で決めているルーティーンというべきか。大リーガーのイチロー選手が、バッターボックスに入ってバットを構える時にやるあの仕草と同じようなものだろう。

「何かいいことあったろ?」

そうマスターは言い、まだ何も答えないうちに「お前は、そういうときしか来ないからな」と、カウンターにグラスを置いた。
「いつもの酒、用意しておいたよ」

ウイスキー

マスターが用意してくれた酒は、“いつもの”と名のつく“極上のウイスキー”。ロックアイスが、グラスのなかで黄金に輝いている。
グラスをゆっくりと手に取り、一口含む。
芳醇で濃厚な甘さが、とろりと広がる。喉に伝わるアルコールの熱さが、今日の高揚感によく似合う。
飲み込んだ後にわき上がってくる香り。これぞ成功者の飲むべきウイスキーだ。
二口、飲み込む。
喉にカアッと広がる熱さが少し落ち着き、高揚感と混じって胃のなかに落ちていくような気がする。

今宵は黄金に輝くウイスキーで祝杯を「成功者」だけが味わえる至福の一杯

「うん」

そう一言漏らし、頷いてしまう。

ウイスキーへの感想か、はたまた今日の自分への労いなのか。その答えは曖昧なまま、ウイスキーは体のなかへとどんどん流れ込む。

祝杯に添えられたレコードの音色

ここは、レコードが聴ける店。オトコの静かな祝杯に添えられる音楽として、レコードが奏でる音楽以外に最適なものが他にあるだろうか。

SCUBA

レコードならではの、重厚感のある豊かな音が店中に広がる。

レコードを生産する工場は、いまでは国内でも1社しかないという。時代は流れ、移ろっていく。それでも、相も変わらずレコードを流しているこの店が、俺は気に入っている。 なかには「古い」と一蹴する人もいるかもしれない。

でも。それでも自分だけの美学や流儀、そういったものを曲げない……そんなオトコたちの姿と重なるのだ。

SCUBA

「よくやった」

肩を叩いて、皆が喜んでくれた今日の様子が頭をよぎる。……あんなに「従来のやり方で、本当に大丈夫なのか」って、言っていたくせに。今日の出来事を思い出し、少し笑ってしまう。

ウイスキーが溶けて、氷がグラスを打つ高い音が「カラン」と鳴った。

レコード

レコードがずらりと並べられた棚からマスターは迷いのない仕草で、次々セレクトする。
「今日は、特別だ」とマスターが小さくつぶやく。
マスターが取り出したジャケットの表紙は、黒色が擦り切れ、下の白地が見えているような古いものだった。レコード針を落とすマスターの顔は、どこか誇らし気に見える。

聞こえてきたのは、海の中を遊泳しているかのような、ゆったりとした曲。
知らない曲だった。

「マスター、この曲、すごく好きだ」

そう告げると、マスターはちらりと顔を上げて言う。

「この曲は、この店のモチーフにした曲だ」と。それだけ言って、マスターは奥へと行ってしまった。でも俺には、この曲がマスターをこの場へと運んだマスターの戦友であることがわかる。嬉しそうなマスターの口元を思い浮かべながら「ここには、成功が集まっているのかもしれない」と、小さくつぶやき、タバコに火をつけた。

最後に

SCUBA

こんな時間は、人生でそう多く体験できるものではないだろう。至高のウイスキー、そして万感を揺さぶる音楽……そう、これは成功者だけが味わえるものなんだ。

至福のため息とともに吐き出した煙草の煙が、音楽と一緒に店内に溶けていく。

ウイスキー

ウイスキーと、氷を交わらせるようにグラスを手で回し、その最後を飲み干す。

「マスター、また来るよ」

そういって、席を立った。

今日の酒も、うまかった。
またここに来たいと思った時、俺は問うだろう。

「自分は、その酒を飲むに値する人間であるか?」

その問いに「YES, I AM.」と答えられるときにだけ、ここに来ることができる。
それが、「成功したときだけに行くBAR」という掟。
オトコたちは、あの一杯のために、日々努力を続けるのかもしれない。

店舗情報

店名:DINING BAR SCUBA
住所:〒151-0072 東京都渋谷区幡ヶ谷1丁目1-5 第一岩田ビル B1F
営業時間:21:30~翌04:00(月〜土)
電話:03-3376-2684
URL:http://www.bar-scuba.com/(公式へ)
   http://r.gnavi.co.jp/rb3yt4j20000/(ぐるなびへ)

※2015年10月6日時点の情報です

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レコードの音に耳を傾け、至福の一杯を

[池袋スタイリッシュバー]
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レアなウイスキーとシガーを片手にアナログJAZZを味わえるBAR
アクセス:
JR池袋駅 徒歩5分
営業時間:
月~木 18:00~翌2:00
金・土 18:00~翌4:00
祝日 18:00~24:00
定休日 :
毎週日曜日
平均予算:
2,500円
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アクセス:
JR中央線八王子駅北口 徒歩5分
営業時間:
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アクセス:
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[ダイニングバー]
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アクセス:
京王新線幡ヶ谷駅南口 徒歩2分
営業時間:
月~土 バー:21:00~翌04:00(L.O.03:00)
定休日 :
毎週日曜日 ※月曜日が祝日の場合は営業
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