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アートに迷い込んだかのような、
美しきジビエの世界へ。

[2017年01月19日]

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アートに迷い込んだかのような、美しきジビエの世界へ。
重た過ぎず、軽過ぎず。

料理はどんなジャンルであれ、その“さじ加減”や“バランス”が重要であることは言うまでもない。ましてやそのお題が「ジビエ」となると、どうだろうか。
2016年8月、表参道と渋谷のちょうど中間地点にあるグルメ集中地帯に、絶妙なるバランス感覚で“ジビエの新潮流”を提案するフランス料理店「LATURE(ラチュレ)」がオープンした。

いざ、「命の雫」の食卓へ

LATURE_entrance

「旨い店」「評判店」が多いことで知られる渋谷二丁目で新たなスタートを切ったシェフ・室田拓人氏。かつては、ジビエ料理を得意とする名店「タテルヨシノ」の吉野健氏に師事し、その後は店の総料理長として渋谷で圧倒的人気を誇ったフランス料理店「deco(デコ)」で独創的な“肉フレンチ”を展開。自らも狩猟免許をとるほどジビエの世界にのめり込み、いまや鳥獣肉の扱いにおいて超一流の腕を誇る。

満を持してオープンした「LATURE」の店名は、フランス語で「命の雫」の意。そこには、「自然をつかさどる大地の水、森の木々の樹液、野菜の内に秘めたる瑞々しさ、動物の生命、それらすべてを内包し表現する料理を味わってほしい」というシェフの想いが込められる。

ホワイトオークのドアに冠した店のロゴを見た瞬間から、徐々に高揚しはじめる感覚を温めつつ、「命の雫」の食卓へといざ踏み込んでみることにしよう。

クラシックな技が紡ぐ“ジビエ新境地”

LATURE_店内カウンター

シックなトーンにしつらえられた店内でまず待ち構えるのは、オープンキッチンと対面するカウンター6席。カウンターと並行するように奥へと伸びる空間には、光を取り込む小さなサンクンガーデンに向けてゆったりと全16席が配置される。

LATURE_店内

選んだメニューは季節の食材や魚料理、ジビエを繊細に紡ぎあげるディナーコース。メインには鹿・猪・熊など熟成具合が最良な四つ足ジビエが登場する。


まず、アミューズに登場したのは「蝦夷鹿のブーダンマカロン」だ。

LATURE_ブータンマカロン

鹿のブーダンノアールを、鹿の血を練り込んだマカロン生地で挟んだ斬新なひと皿。生臭さはいっさいなく、舌の上で旨みや甘みがふっくらと柔らかく広がっていく感覚にまず驚かされる。下に敷かれているのは鹿の毛皮。プレゼンテーションへのこだわりからも、シェフのセンスや想いが伝わってくる。


前菜は 「みかんヒヨドリのフリット」。

小田原のみかん農家でみかんの木に集まる野生のヒヨドリは、肉そのものからみかんの香りが漂ってくるという。このヒヨドリをまるごと10種のスパイスでマリネし、高温でサッと火を入れる。乾燥させて風味を凝縮させたみかんとクレソンのサラダを添える。

LATURE_みかんヒヨドリのフリット

「ヒヨドリはローストされることが多いのですが、“みかんヒヨドリ”の場合は、ローストすると身がたたえる特有の繊細なみかん香が消えてしまうため、あえてフリットで仕上げています」。バターミルクとイタリアンパセリのオイルを合わせた古典的なソースを仕上げに注ぎながら料理を説明する室田シェフ。流暢ななかに気骨さをたたえる的確な解説に感じ入りながら食してみる。

「プレゼンテーションは軽やかに美しく。でも使っているのはとてもクラシックなフレンチの技です」

高温で火入れをしているので、骨ごといただけるこのひと皿。噛み締めるごとにみかん畑の風景が目の前に広がっていくような疑似体験が楽しい。室田シェフの美意識と技の絶妙なバランス感覚にさっそく心掴まれていく。

LATURE_image1

噛み締めるごとに“命”を感じるパーフェクトなジビエ

魚料理、メインディッシュ前のテリーヌなどなど、特筆すべき料理は幾つもあるが、特にインパクトを放つのはやはり、コース(デザートをのぞく)の最後に登場する四つ足ジビエだ。

この日の四つ足ジビエは蝦夷鹿。ローストした鹿肉には赤すぐりの実と黒胡椒を使ったグランヴヌールソース。森のキノコ、人参畑からのぞいていた人参の葉、クルミなど、夷鹿が走り回っていた森の風景をそのまま皿に映しとるように表現したひと皿だ。

LATURE_メイン

「奇抜な組み合わせで奇をてらうのではなく、食材そのものの“物語”を伝えることが大切だと感じています」


ナイフを入れると現れる赤身肉特有の美しい肉の断面、絶妙な焼き色に思わず感動する。

「世間的には“低温調理”が流行っていますが、僕はどちらかというとそのアンチ。肉汁が踊るようなローストを目指しています。しっかり火を入れることによって、肉本来の旨みがほどよく噛み締められる硬さになる。噛めば噛むほど口のなかに唾液が分泌され、旨み成分がしっかりと味わえる。噛み締めるごとに「旨い!」の感動が最後まで連続する。そんな仕上がりがベストだと感じています」

LATURE_室田シェフ

室田シェフによると、ジビエは「誰がどこで、どうやって撃ったか」がとても重要。野生の動物ゆえ、日々何を食べているかによって肉の風味も質も変化するからだ。

クライマックスを飾るのは、同店が誇るパティシエール・延命寺さんによる、まさにアートのようなデセール。フランスの伝統菓子“ヴァシュラン”を分解・再構築した「カボスとミントのヴァシュラン」だ。

LATURE_デセール

メレンゲのカップの中には、ホワイトチョコレートの軽いクリームと酸味の効いたカボスのクリーム&ジュレ。ヘーゼルナッツのチョコクランチで食感を添える。薄いホワイトチョコレートで蓋をし、その上にはミントのミルクアイスクリーム、カボスとミントのグラニテ。まわりにはふわりとミントのパウダーを纏わせている。

ジビエコースの締めくくるひと品として、こちらの想像を心地よく裏切るかのような軽やかで繊細なフィナーレ。「ジビエが酒池肉林的な、えげつない料理だなんて先入観を根底から覆したいんです。命をいただく料理であるからこそ、繊細に物語を紡ぐように提案したい」。室田シェフのまなざしは、さらなる高みを見据えている。

四つ足ジビエコースで食の頂上体験を体感。

料理の下皿、パン皿に添えられる木工のオブジェ、窯元をめぐって手に入れた料理皿、やや硬めであるジビエ肉をストレスなくカットできるTOJIRO製特注のナイフ。「LATURE」で登場する器やカトラリーのひとつひとつにも、「命を慈しみながら、季節の移ろいを感じてもらいたい」というシェフの想いが宿っている。

LATURE_下皿
LATURE_ナイフ

野性味あふれる料理ゆえ、重たくて当然と思いがちなジビエフレンチ。その概念をぐるっと反転させる軽やかなプレゼンテーションに目を奪われながら、まるでアートのように創造性に満ちたジビエ料理の数々を味わい尽くす。


「鳥獣はもちろん、野菜であれ果物であれ、獲った(採った)その瞬間から料理、つまりは“火入れ”が始まっているのだと思っています」


「ひとつひとつの“命の雫”をいただいているのだ」というある種何かを超越する感覚を、皿の上で、口の中でひとくち毎に噛みしめながらしながら堪能する真のジビエ料理。登りつめた山の頂で「食への新たな扉」が開かれる頂上体験を、ここ「LATURE」で味わってみてはいかがだろう。

店舗情報

店名:LATURE|ラチュレ

住所:東京都渋谷区渋谷2-2-2 青山ルカビル B1F

TEL: 03-6450-5297

営業時間:ランチ 11:30〜14:00(L.O.)

     ディナー 18:00〜21:00(L.O.)日曜休

URL:

http://www.deco-hygge.com/deco/(公式)

https://r.gnavi.co.jp/aybhhten0000/(ぐるなび)

取材・文 松浦明

撮影 石原哲人

※2017年1月19日時点の情報です

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[自由が丘 女子会デート]
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自由が丘の本格ジビエ・肉ビストロでめくるめく肉の世界を堪能
アクセス:
東急東横線自由が丘駅正面口 徒歩3分
営業時間:
月~木・日 17:00~翌1:00(L.O.24:00)
金・土・祝前日 17:00~翌3:00(L.O.1:30)
定休日 :
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アクセス:
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営業時間:
ランチ:11:30~15:00(L.O.14:00)、ディナー:18:00~23:00(L.O.22:00)
定休日 :
毎週日曜日 祝日 ※但し、日曜に貸切パーティーなどをご希望のお客様はご相談下さい。柔軟に対応いたします。
平均予算:
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[ビストロ ワインバー]
直球勝負の国産ジビエ☓フレンチを古民家で
アクセス:
JR神田駅南口 徒歩4分
営業時間:
月~金 17:00~23:30
土 16:00~23:00
定休日 :
毎週日曜日 祝日 ※※夏季休業、年末年始休業については、「お店のホームページ」のお知らせ欄をご確認ください。
平均予算:
4,500円  (宴会平均:5,000円)
[ジビエ・ステーキ・バル]
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アクセス:
地下鉄新宿三丁目駅C5番出口 徒歩2分
営業時間:
金・土 17:00~翌5:00(L.O.4:00、ドリンクL.O.4:30)
日 17:00~24:00(L.O.23:00、ドリンクL.O.23:30)
月~木 17:00~翌3:00(L.O.2:00、ドリンクL.O.2:30)
定休日 :
平均予算:
4,500円  (宴会平均:4,500円)
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