ホルモン、カレー、和の23皿

2015年10月31日
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ホルモン、カレー、和の23皿
Summary
・福岡・春吉、名店のホルモン
・新富町の"危険"な一軒
・田町、"混沌とした"カレー

1.「ホルモンの喜び」

福岡は春吉の「塩田屋」にて、敬虔なるホルモン教の祈りを捧げました。
湯引きの盛り合わせを味噌ダレと醤油で食べて、一気に祈りは深くなり、
ミミハツ (ハツの筋肉の部分)の「噛め」と叫ぶ食感に、のけぞります。
カリッと表面を香ばしく焼き上げた白 (直腸)で、笑いが止まらなくなり、ニンニク風味でこちもサクッと焼いたのど笛(豚の気管)で、嬉しさのあまり机を叩く。
切り方が素晴らしく、口の中で鉄分と甘みが溶けていく、牛レバーを食べて涙をし、
ゴマとごま油、一味を振りかけた、コブクロ焼きで、笑いがとまりません。
「よくこんな形にできるね、大変でしょ」というと店主が不敵な笑いを浮かべた、コラーゲンの甘みが舌の上で溶ける「テール」に、深く深くこうべを垂れ、
絶妙な甘辛タレに絡めたシンタマは、目の前の鉄板でさっと焼いて食べる。
「こん海苔がいい仕事をして、箸が止まらんばい。こんちくしょう」。
最後は丸腸のタレ焼きときたもんだ。
「最初からタレつけると焦げるので、焼いてからタレを絡めてあります」という丸腸は、カリッと表面にはを立てれば、中の甘い脂にふわりと歯が包まれる。
そこに甘いタレが漂って、ああ福岡の夜は、歓喜の雄叫びとともに更けていく。

塩田屋

住所
〒810-0003 福岡県福岡市中央区春吉3-25-10 王丸ビル1F
営業時間
092-712-2040
定休日
不定休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/jsxf3h490000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

2.「新富町でもホルモン」

チレのコンフィは、えぐい甘みと血の香りで舌を惑わし、コブクロと紫玉ねぎのカチョ・エ・ペペは、チーズのコクと塩気がコブクロの食感と嬉しそうに踊る。
レバカツは、優しく甘く、豚足と山椒のバルサミコ煮込みは、コラーゲンのとろとろとした甘みが、バルサミコと抱き合って、人間を堕落させる。
ミックスホルモンの煮込みを食べては、その下処理の確かさと様々な食感甘みや脂に、思わず叫ぶ。
「これが人生だ!」
キャロットラペとパクチーを添えた豚おっぱいのグリルは、乳の甘みが顔を子供に戻す。
本日の内臓のグリルミストにいたっては、もういつ死んでもいいと言い出す始末。
新富町のこの店は、大変危険です。

Nodo Rosso(ノードロッソ)

住所
〒104-0041 東京都中央区新富1-6-5 107
電話番号
03-5542-0504
営業時間
18:00~24:00 (L.O.23:00)、金曜18:00~翌2:00 (L.O.1:00)、土曜17:30~23:00 (L.O.22:00)
定休日
定休日  日曜 ※月一回休み
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/2zgzg9cr0000/
公式サイト
http://ameblo.jp/nodorosso/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

3.「チキンカレーonドライカレー」

国境問題~私は国境を尊重する~
新宿「アカシア」の「シチカレー」はどうだろう。
運ばれるや、すでにシチューにカレーが侵犯している。
ただちにご飯で、万里の長城の如く国境を定め、両者が混ざらないようにして、食べすすむ。
時折カレーがシチューへ表敬訪問。
時折シチューがカレーに時候の挨拶。
しかし勝手には交わらせない。
最後の最後までルールは守る。
やがて国境は細くなり、崩壊し、融合する。
だがその時、両者を受け止めるべき国境(米)は存在を消し、あらためて国境という存在の偉大さをを思い知るのであった。
田町「ホーカーズ」では、国境が曖昧になってしまった。
ドライカレーという領土に、インドチキンカレー、玉子まで頼んでしまったからである。
カレーは同盟国とはいえ、いきなりインドカレーを来訪させてはいけない。
半熟卵は非武装中立国とはいえ、いきなり玉子の入国を許してもいけない。
まず本国のドライカレーを、三口ほど食べすすむ。
しかる後、同盟国を三分の一ほど受け入れる。
だが首都でなく、国のはずれに招き入れ、入念に意見を交換する。
うまい。
両者の主張と相互文化への理解がが、うまさを増幅させている。
ここで中立国を参画させるが、同盟国との外交地点とは反対側の領土、やはり国のはずれにて歓待する。
うまい。
中立国ならではの穏やかさが、その甘みが、本国の先走りしがちな一本気を、丸く収拾している。
三地区での、互いのよさを生かした展開をにらみ合い、噛み締めながら、ついに時が来たり。
三者を一気に出会わせる。
ああ、美しい。混沌の危うき美しさ。

Curry and Dining Bar Hawkers

住所
〒108-0023 東京都港区芝浦3-14-19 大成企業ビル1F
電話番号
03-3456-1755
営業時間
11:30~L.O.14:00、18:00~L.O.21:00
定休日
定休日 土・日・祝
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/174wxcnk0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。