もうドンペリ、とは呼ばせない。

【連載】金曜日のシャンパーニュ week6  ここ数年、シャンパーニュを飲む人が増えている。香り、味わい、爽快感…他の「泡」では得られない満足感はシャンパーニュならでは。そこで、ちょっとリッチに過ごしたい金曜の夜に飲みたいシャンパーニュを日本を代表するワインジャーナリストでシャンパーニュ通として知られる柳忠之さんにセレクトしていただいた。

2015年11月06日
カテゴリ
レストラン・ショップ
  • レストラン
  • ホテル
  • ワイン
  • 東京
  • 赤坂
  • 連載
もうドンペリ、とは呼ばせない。
Summary
・王道中の王道ゆえの誤解
・期間限定ワインバー
・谷宣英ソムリエ

2015年11月末までの期間限定

ホテルニューオータニに、ワインバーが期間限定でオープンしたという。しかも、全日本最優秀ソムリエコンクールの覇者、谷宣英さんがプロデュースと聞いては行かずにいられない。シャンパーニュにも造詣の深い谷さんのこと、そのラインナップに興味が湧くものの、日本有数のホテルゆえ、ここはひとつ王道中の王道、ドン・ペリニヨンを味わうことにしよう。

「今さら」ではなく「今だからこそ」

巷にこれだけ多くのシャンパーニュがあふれ返ると、「今さらドンペリ?」という声も耳にする。金のロレックスや黒いメルセデスと同じく、拝金主義の象徴のように捉える向きもあろう。しかし今一度くもりなき眼でドン・ペリニヨンと向き合えば、その本質が見えてくるはず。侮蔑的な意味を含んだドンペリという呼び名は、厳に慎むべきである。
しかしてドン・ペリニヨンの本質とは、一本の細いロープの上を、左右の均衡を保ちながら進む緊張感。Fraîcheur(新鮮さ)とComplexité(複雑さ)、Puissance(力強さ)とDélicatesse(繊細さ)、Générosité(寛容さ)とAustérité(厳格さ)。互いに相反するふたつの性格を絶妙なバランスをもって取り込む。これこそ多くのシャンパーニュが目指しながら容易には辿り着けず、ドン・ペリニヨンのみが成し得るひとつの秘技といってよい。
だから何か板挟みにあっているような状況の場合、一杯のドン・ペリニヨンを味わうことで活路を見いだすこともできる。板挟みの原因が、性格の異なるふたりの女性だったら……?

すごいシャンパーニュが、、、

ホテルニューオータニのワインバーは、本館最上階、360度のパノラマが臨める「VIEW &DINING THE Sky」にある。新宿副都心の夜景を眺めつつ、谷さん厳選のワインやシャンパーニュに、「VIEW &DINING THE Sky」のシェフが手がける一品料理とのハーモニーを楽しむ愉悦のひと時。「当日の雰囲気で好きなシャンパーニュを開けます」と谷さん。

バイザグラスのラインナップにはピエール・モンキュイやタルランなどのRMがあるかと思えば、クリュッグのグランド・キュヴェやドン・ペリニヨンといったキュヴェ・プレスティージュも! どうやらジャック・セロスも隠し球で準備されてるらしい。 ワインバーの営業は11月30日まで。

<メニュー>
シャンパーニュ(グラス)2000円〜 赤、白ワイン(グラス)1600円〜 料理(アラカルト)1300円〜 いずれも税・サービス料別

※柳忠之さんのスペシャルな記事『キンメリジャンがワインに何を与えるのか?~ワインマニアのためのテロワール講座その1~』はこちら

WINE BAR in THE Sky

住所
〒102-8578 東京都千代田区紀尾井町4‐1 ホテルニューオータニ
電話番号
03-3238-0028
営業時間
11月1日(日)~11月30日(月)までの期間限定 17:00~23:00
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/psmn13ze0000/
公式サイト
http://www.newotani.co.jp/tokyo/restaurant/sky/index.html

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。