日本にも波がやってきそうな、今NYで一番美味しく楽しい店

【連載】NYスタイル、進行形  世界最新の食トレンドを生み出し続ける、ニューヨーク。日々新しいスタイルが提案されるこの街で、生き残るのは至難の技。そんなニューヨークのトレンドに敏感な街の「賢人」の琴線に触れた店とは?

2016年02月15日
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日本にも波がやってきそうな、今NYで一番美味しく楽しい店
Summary
1.NYでNo.1かもしれないオープンサンド
2.欧州の伝統的なカジュアルフードをリーズナブルに
3.コーヒーもワインも持ち込みOKの自由な空間

イーストビレッジに煌くカジュアルフレンチの穴場 ラクレッテ

インターネットで「ラクレッテ」を見つけて予約して行った私は、到着するなり、思わず固まってしまった。一般的なフレンチレストランのイメージとはかけ離れた、思いっきり小さくて内装にも外観にもいかにもお金をかけていない(失礼!)レストランだったからである。わずか27平方メートルのスペースに14席が置かれ、テーブルも小さい。しかし、出てきた料理をいただいて、「ひょっとしたら、オープンサンドイッチでは、ここがニューヨークで一番美味しいかもしれない!」と感じ入った。

オープンはちょうど1年前。BGMにはシャンソンが流れ、フレンチの心意気が感じられることにも好感がもてる。

「ラクレッテ」で出している食事は、「クロック」「ラクレッテ」「タタン」の3種類で、それぞれ3~5のバリエーションがある。クロックといえば、クロックムッシュやクロックマダムが一般的だが、このお店には5種類のクロックがある。一番人気はクロックアメリカン。玉ねぎ、長ネギ、ガーリックと、シンプルなベジタリアン向けの具材だ。

タタンで一番人気の高いイチジクのタタンは私もいただいたが、生ハムとヘーゼルナッツとの組み合わせが絶妙で、見た目もきれい!また是非食べてみたい一品だ。

でも、やはりこのレストランで外せないのはラクレッテ!
ローストしたジャガイモなどの上に、目の前でとろけるチーズをかけてくれる。これはなかなか楽しい!

チーズはフランスまたはスイスから輸入し、パンは伝統的なアルチザンスタイルで焼いている。コンセプトは、「オーセンティックな食材を使って伝統的な手法で用意したヨーロッパのコンフォートフードを、毎日食べてもいいようなリーズナブルな価格で提供すること」だ。

創業者のエドガー・ヴィロンコさんは、本場のクロックムッシュを初めとするヨーロッパのカジュアルフードを食べられるレストランがニューヨークにないと感じて「ラクレッテ」をオープンした。エドガーさんは国際テレコミュニケーションの会社に10年勤め、ヨーロッパに頻繁に行き、フランス人の元恋人を通じてヨーロッパのさまざまなカジュアルフードに触れる機会を得たそうだ。

さて、こうしたパン料理にはコーヒーや紅茶がつきものだが、なんとこちらではコーヒーや紅茶を出していない!「隣のコーヒーショップでとても美味しいコーヒーを出しているから、そこで買って持ち込んでいいよ」と言われるのがまたユニーク!でも、紅茶は近々出し始めるそうな。ちなみに、ワインなどお酒も飲みたいお客が持ち込むスタイルだ。

また、今年1月末からは毎週月曜日の夜、Le Chalet Mondaysという新商法を始めた。お客は希望する日時でチケットを前もってウエブサイトで購入する。1人45ドルの中に2時間の食事代とチップ、持ち込んだワインの開栓料が含まれている(詳細はウエブサイト参照)。狭いレストランがチーズとワイン好きの集まるコミュニティーのようになり、いかにも楽しそう!私もいずれ、ワインを抱えて参戦したいと思っている。

※上記は取材時点での情報です。
その後移転し、所在地は「195 Avenue A」 から「511 East 12th Street」となりました。
また、現在はワインの持ち込みはできなくなっております。

Raclette

住所
511 East 12th Street, New York, NY 10009
電話番号
1-917-853-5377
営業時間
月~木 12:00~23:00、金 12:00~24:00、土 11:00~24:00、日 11:00~22:00
定休日
無休
公式サイト
http://raclette.nyc/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。