自然薯独特の"パリもち"新食感！信州・八ヶ岳発の和スイーツが話題

昨年12月、東名高速道路の海老名SA（サービスエリア）の下りに、信州八ヶ岳の自然薯農家によるクレープ専門店「農家の手作りクレープ・自然薯ロール」がオープン。看板商品の『自然薯クレープ』は、標高1100メートルという高地で栽培される、甘みが強く実の締まった、栄養価の高い八ヶ岳産の自然薯を皮ごとすりおろしてクレープ生地にねりこみ、パリパリもちもちの新食感と、自然薯ならではの味わい深い生地を実現させたもの。

自然薯の粘り気を生かした弾力性バツグンの生地を、手でつかんで回転させて焼き上げるピッツア職人さながらのパフォーマンスもSA利用者から熱い視線を集めている。トッピングには、軽くふわふわに仕上がるエスプーマホイップ（写真上左）や、八ヶ岳の農家直送の珍しい野菜や果実から作った自然派ジャム（写真上右）を使用するなどのこだわりも見逃せない。

目の健康に効果的と言われるアントシアニンがブルーベリーの約４倍という希少なガーデンハックルベリージャムを使った「ぷれーん＆ガーデンハックルベリージャム」（写真下左）や、北欧の健康食材として知られるルバーブジャムを使った「菌活ヨーグルト＆ルバーブジャム」（写真下右）など健康志向のメニューが特に人気を集めているそうだ。

同店は「農家の手作りクレープ」という店名の通り、「自然薯」を生産する農家によって運営されている。自然薯生産者である立石啓二さんが、「信州八ヶ岳で生産する自身の農園の自然薯と、地元農家仲間が育てる農産物をより多くの人に広めたい」と、各食材の話題作りのために商品化。コンセプトは、「自然派健康＆美容志向の、大人のためのちょっと贅沢なクレープ」だ。

近年、抹茶や小豆、きな粉といった低カロリーでヘルシーな和素材を、生クリームやスポンジ、焼菓子といった洋菓子の要素と組み合わせたスイーツが続々誕生。和菓子と洋菓子の垣根は年々低くなり、今やこうした新しいタイプのスイーツがコンビニの棚に並ぶほど身近な存在となっている。

飲食店情報検索サイト「ぐるなび」ユーザーへのアンケートでも、年代性別を問わず、圧倒的に「自然薯」というワードに興味を示す回答が目立っており、食べてみたい理由を問う質問では、「健康に良さそうで、食感のよいクレープという表現に興味をそそられた」（30代・男性）、「自然の原材料を使い、しかも栄養があると思う」（50代・男性）、「ぱりぱりでもちもちの新食感がよさそう。体に優しそう」（50代・女性）など、自然薯という素材に対する関心の高さや、自然薯ならではの“パリもち新食感”に興味を示す様子がうかがえた。

今年２月13日には新東名高速道路において浜松～豊田区間が新たに開通し、利用者数の拡大が見込まれる中、立石さんによると、『自然薯クレープ』をリピートする目的で海老名SAに立ち寄る人も最近は出始めているという。アンケートでも、これを食べるために海老名SAを利用してみたいという声も出ている。同店では「米糀100％濃厚！農家の食べる甘酒」（300円、税込み）という信州の農作物を使った新たな健康志向のスイーツを投入し、話題を提供。今後も信州の農産物を使った新スイーツを順次発売する予定だという。

このような和素材に着目した新感覚スイーツが次々と誕生する背景には、2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことも大きく影響しているだろう。おなじみの和食材が海外から注目されたことで、国内においてもその良さや魅力があらためてクロースアップされているからだ。『自然薯クレープ』という新たな和スイーツが全国的にも拡大し、美容に関心の高い女性や健康志向の強い中高年層を中心にブレイクする日もそう遠くなさそうだ。

ユーザーアンケート
対象条件：ぐるなび会員20～69歳男女
調査手法：webアンケート調査
実施期間：2016年1月29日～2月1日
サンプル数：1,888人