ハリウッドスターも惚れた!伝説のシェフが提案するフレンチと日本ワインのマリアージュに感動

2016年05月31日
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ハリウッドスターも惚れた!伝説のシェフが提案するフレンチと日本ワインのマリアージュに感動
Summary
1.世界中のVIPの舌を魅了した“伝説のシェフ”のフレンチレストランがオープン
2.“伝説のシェフ”と世界トップレベルのソムリエも認める日本ワイン
3.新進気鋭の甲州ワイン“Kisvin”(キスヴィン)とのマリアージュを堪能

世界中のスターに愛されたフレンチが都内で堪能できる『CHEZ TAKA 東麻布(シェタカ ヒガシアザブ)』

東京タワーにほど近い住宅街に、パッと華やかなエントランスの一軒家レストラン『CHEZ TAKA 東麻布(シェタカ ヒガシアザブ)』がある。重厚感のある木目にガラス張りの店内に入ると、賑やかに会話を楽しむお客の姿があった。

オーナーシェフの河合隆良さんは、ヨーロッパの王室からアメリカポップ界のスーパースター、ハリウッドスターまで多くのVIPに愛された凄腕シェフ。22歳でカナダへ渡り「ウェスタン・インターナショナル・ホテル(現ウェスティン・ホテル)」に入社、その後フレンチレストランのシェフとしてヨーロッパのホテルや有名レストランを渡り歩き、「マサズ・サンフランシスコ」を全米No,1レストランに導いた人物。

自分の店を持つときには、身体によい野菜をたっぷり使ったナチュラルフレンチを味わってもらいたいと考えていた河合シェフ。優しいフレンチに合わせるものは、ヘビーなヴィンテージワインでなくてもいいのではないか、そう思っていた。

『CHEZ TAKA』でワインの監修を勤めているのは、2014年黄綬褒章受章、昨年行われた第三回A.S.I.アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクールにて優勝するほどすごい経歴をもつソムリエ・石田博氏。彼と一緒に選んだワインは約100種類あるが、その中でも二人が惚れ込んでいるのが日本ワインKisvinだ。

伝説のシェフも認めた日本ワインKisvin

きっかけは河合シェフが知人に紹介してもらった、株式会社Kisvin代表・荻原康弘さんとの出会いだったという。「日本ワインで素晴らしい造り手がいると聞き、私はイベントでKisvinワインを使おうと提案しました。飲んでみるとどれもすごくおいしくて!それで代表の荻原さんと仲良くなって、初めはプライベートで購入していました。自分の店をもつという夢が叶ったいま、店で扱いたいとお願いして、料理に合わせて楽しむことができるペアリングからボトルまでお客様に提供できるようになったんです」。

河合シェフも惚れ込んだKisvinは、代表の荻原さんがブドウ栽培家の池川仁氏、東京大学研究員の西岡一洋氏と3人でタッグを組み、醸造責任者の斉藤まゆ氏を迎えて、2013年から山梨県甲州市塩山、および勝沼地区にて自社醸造をスタートさせた新しいワイン。

「ブドウは例えると嫁入り前の女の子。害虫や病気から守り、よりクリーンな状態のものを栽培している。高品質なブドウが出来さえすれば、醸造はシンプルで平易なもの。大切なのは基本に忠実であること。すべての作業にはちゃんとした科学的な理由をつけて、植物生理学、化学、物理学、数学等を理解し実践しているのです」と話す荻原さんからは強い信念を感じる。

そんな日本ワインKisvinと荻原さんを迎え、『CHEZ TAKA 東麻布(シェタカ ヒガシアザブ)』にてメーカーズディナーが開催された。

日本ワインの進化に驚くフレンチとのマリアージュディナー

まず、アミューズブーシュとして登場したのが「サーモンのグジェールとパプリカのピューレ」。グジェールと呼ばれるチーズ風味のシュー皮の中に、香草でマリネしたサーモンがはいっていて食感の違いが楽しく、パプリカのピューレがさっぱりとしていて優しい味。

合わせていただいたのが、スパークリングワイン「Kisvin Sparkling 2014」。ほんのり香る熟成香に誘われて口にふくむと、華やかな果実の味が元気よく弾けた。甲州ブドウ100パーセントでフルーティーだがすっきりとしており、何にでも相性がよい。荻原さんによると「本来、甲州ブドウは育てていくと薄紫色になりますが、あえて緑色の状態を保ちながら糖度を22度まであげます。そうすることで醸造時に糖分添加せず、ピュアで深みのある甲州ワインになるのです」と言う。日本のブドウ品種のイメージをよい意味で覆してくれた味の厚みは、荻原さんならではの育て方にありそうだ。世界レベルのシェフやソムリエが好んで飲むのも納得の一杯。次のワインに期待が膨らんだ。

河合シェフは、食品の安全性を確保するため、生産者(農場)から消費者(食卓)まで一貫した安全管理をする“Farm to table”の第一人者と言われており、同店では主に無農薬、有機野菜を使用し、新鮮な旬の食材を取り入れた料理を提供している(一部デザート等は除く)。

野菜をたっぷり使った初夏を感じるオードブル「オマール海老のサラダ仕立て シャンパンソース」は、美しさへの意識が高いサンフランシスコで長年修業してきた河合シェフが生み出した健康的なスタイルを満喫できる一品だ。素材の味を消さないよう控えめなシャンパンソースはほんのり甘酸っぱく、柔らかく火入れされたオマール海老の甘みを引き立てる。セロリ、インゲン、ルッコラ、キャビア、ジャガイモ、トマトと夏野菜を使うことでみずみずしさを演出。

オマール海老にぴったりなワインが「Kisvin Blanc 2015」。生食用ブドウを原料に32種類ものマスカット系品種が混醸された遊び心あふれるワインだ。柑橘系の香りと味わいが豊かだが、温度が上がると、まったりとした味に変化していくのが楽しい。ゆっくりとワインだけでも味わいたいと思える一杯だ。

続いて登場したシェフおすすめの一品「フォワグラのソテー ソラマメを添えて」は、フランス産鴨のフォワグラに、ソラマメのソースを合わせるという何とも珍しい組み合わせ。甘みの強い濃厚なフォワグラが大人しく感じるほど、ソラマメの個性が負けず青々しい。意外でおもしろい合わせ方だが、どちらも滑らかな舌触りだから食感が心地よい。

この皿には「Kisvin Rose 2014」が提供された。グラスに注がれた輝くコーラルピンク色は、女性なら誰もが高揚してしまいそうな美しい色味。スモーキーな樽香の後にローズやベリーの果実味がほんのり香る。ピノ・ノワール種が主体でシラーやメルローも入っているから、見た目の可憐さとは裏腹に力強く料理をしっかり支えてくれる。とろりとした舌触りと料理の食感も相性がよい。「ソテーされたフォワグラとグリルされたソラマメに、樽香の効いたロゼ。すべて芳ばしいから合うんです」そう話してくれた河合シェフの言葉通りに、香り高いマリアージュ(結婚)が堪能できる。

この日の魚料理は「スズキのグリル ナージュ風」。ナージュとは、香味野菜や白ワインを煮出したブイヨンの中で魚介類を調理し、その煮汁を煮詰めたものを生クリーム等でつないだソースのこと。風味豊かなソースがたっぷりしみ込んだスズキは、口の中でとろけるほど脂がのっている。

こちらに合わせるのは「Kisvin Chardonnay 2014」。爽やかな柑橘系の香りと、フレンチオークからのハチミツやナッツの風味が漂う。厚みのあるシャルドネの酸とミネラルが、ソースの酸味と塩味に重なってバランスがよい。「2014年はブドウのパワーが強く、おもしろい年なんです」と荻原さんが解説してくれた通り、エレガントなシャルドネの余韻を長く感じられる一杯だ。

肉料理は「シャラン鴨のロースト オレンジゼストとカルダモンの香り」。柔らかくジューシーに焼かれたシャラン鴨の上には、オレンジの皮をシロップで煮てカリカリにし、オーブンで焼いたものが乗せられている。オレンジの香りと酸味、カルダモンの清涼感と苦味がほんのりと感じられる。

まるで衣のようなサクッとしたオレンジの食感と、噛めば噛むほどコク深い鴨肉にぴったりのワインは「Kisvin Rubis 2013」だ。一番良い状態で味わってもらうために、2日前に抜栓したと言う。タンニンがしっかり効いたメルロー種を主にピノ・ノワール、シラーを使用し、味のしっかりした肉料理にも負けない赤ワインの力強さを感じる一杯。それぞれ樽熟成しブレンドすることで、時間を追うごとにブドウの表情が変化するから、時間が経っても楽しめる。

ディナーの最後は「ダークチェリーとKisvin Blancのゼリー ヨーグルトアイス添え」。ヨーグルト味のシャーベットはしっとり滑らかで、スーっと溶けていく。キラキラと揺れる見た目が美しいゼリーは、Kisvinの白ワインで作られており、多品種のブドウを使ってできたワインを使うことで、マスカットの香りと甘み豊かに仕上がっている。サクランボとベリーの甘酸っぱさが、ブランの酸味を閉じ込めたゼリーと調和し、初夏にぴったりの味わいだ。

「ワインを造り始めたからには、世界一になりたい!」と荻原さんは情熱的。世界で認められたフレンチの河合シェフをはじめ、日本ワインに注目するシェフが増えているのも納得だ。

そんな、フレンチの河合シェフと、日本の醸造家がつくりだすレベルの高いワインとのマリアージュと訊くと、敷居が高く感じる人もいるだろう。だが、ゆっくりと会話と食事を楽しんでもらいたいというコンセプトどおり、そこには笑顔が絶えず気さくに話してくれる河合シェフの心遣いが溢れている。

(取材・文/植木祐梨子)

【メニュー】
ランチコース:3,000円
ディナーコース:7,500円
Kisvinグラスワイン:1,000円〜
Kisvinボトルワイン:6,000円〜
ペアリングワイン:3種3,500円、4種4,500円
※価格はすべて税・サービス料込

CHEZ TAKA 東麻布(シェタカ ヒガシアザブ)

住所
〒106-0044 東京都港区東麻布1-20-3
電話番号
03-5797-7687
営業時間
ランチ11:30〜(13:30L.O.) ディナー17:30〜(21:00L.O.) バー11:30~LAST
定休日
定休日 無休
公式サイト
http://www.cheztaka.jp

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。