営業日は月に3日のみ! 斬新なフレンチ&アジア料理が食べられる神楽坂の隠れ家レストランが今話題

2016年06月23日
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営業日は月に3日のみ! 斬新なフレンチ&アジア料理が食べられる神楽坂の隠れ家レストランが今話題
Summary
1.まるで隠れ家!2015年9月、神楽坂芸者の置屋がレストランに
2.世界中を旅するふたりの女性シェフによる「フランコ・ジャポネ」
3.月に3日だけオープンするプレミアムな店。予約の取り方も特別に伝授

昭和にタイムスリップ!? 神楽坂芸者の置屋が生まれ変わった!

神楽坂と言えば料亭や芸者の置屋が立ち並び、都内でも屈指の風情ある場所。しかし70年前の建物をそのまま使っているのは、この店くらいなのではないだろうか。暖簾をくぐり玄関に入ると、もうそこは昭和の佇まい。

靴を脱いで上がると手入れが行き届いたダイニングルームに大きなテーブルがふたつ、奥には庭が広がり、この空間を見られただけでもこちらに来た甲斐があるというもの。席についてこれから始まる晩餐を想像すると否応なしに心が躍る。

食べた者を虜にする「フランコ・ジャポネ」とは?

シェフがふたり居るのも珍しいことだが、もっと特殊なのが月に3日しか営業しないことだろう。 聞くと、実はそれぞれが別に食の仕事を持ち国内外を飛び回っていて、現地で学んだことや発見したことを再構築する場所が『ビストロツユキ』なのだと言う。

「食材や調理法をこれでもかというくらいインプットして、営業日の3日で一気に爆発させている」と言うのは村上千砂シェフ(写真右)。料理のスタイルは和とフレンチをベースに世界中で学んだものを“ツユキ風”にアレンジして融合させた“フランコ・ジャポネ”。その象徴的な料理が「天然本マグロのタルタル」だ。

和の食材、天然本マグロをフレンチのグリビッシュソースと合わせ、プラスする“ツユキ風”はハーブとスパイス。30年近くパリに在住した花野敬子シェフが現地で実体験したハーブやスパイスの使い方が見事に表現されている。
日本で手に入る調味料は現地のものとはどうしても異なるため、現地の味を再現するのは難しい。しかしふたりは妥協することなく、独自のルートで極力現地の調味料を仕入れ、いかに現地の味に近づけるかにこだわり、食べる者たちを虜にするのだ。

旅をしながら料理をする、ふたりのシェフが織りなす絶品料理

25年ほど食の商品開発に携わり世界中を旅した村上シェフがメニューを構成し、フランスで初の日本人ケータラー(会場のデザイン、料理をはじめケータリングすべてをコーディネートする人)として20数年活躍した花野シェフが料理を作る。(タイ料理をはじめ、アジア料理は村上シェフが担当している。)
ふたりだからできる、そしてふたりにしかできない料理が供され、それはふたりが旅する度に進化していくのである。

常に現地で“見て聞いて学ぶ”、これが他の店にはできない『ビストロツユキ』の強みである。レアで焼き上げるスカンピやシャラン鴨の捌き方や火入れは、現地の厨房ならではのテクニック。例えば、担々麺の花山椒は手で温めてからパッとかける。これは中国の重慶の手法で、手で温めることにより温度が上がり、香りが広がりやすくなるそう。そこにツユキの遊び心が味や盛り付けに彩りを添える。

現地の味に加えられたツユキのエッセンスがたまらない絶品カオソーイ

「タイ北部のカレーラーメン(カオソーイ)」もツユキらしさ満載のひと皿である。見れば誰もがこの店のカオソーイは揚げ麺だと思うだろう。しかし箸を入れると中から卵麺が出てくるのである。

「揚げ麺と卵麺が同量だとテクスチャーの変化が面白いんです。召し上がっているお客さまの表情を見るのが楽しくて」と村上シェフ。スープも今まで出逢ったことのない味。使っている材料は正統派カオソーイと同じだと言うが、辛み、甘み、酸味、コクが次々と押し寄せてくる。こだわりはだしと現地の調味料。車海老でだしを取り、タイから調達した醤油、酢、ナンプラー、ココナッツシュガーを使っている。

こんなことができるのはタイに2年住んで現地の厨房に入り込み、本格的な味を習得している村上シェフだから。現地の味にツユキのエッセンスを入れ、再構築された“ツユキの料理”なのである。

大きなテーブルだから味わえる交流も、楽しみのひとつ

ダイニングには8人掛けの大きなテーブルがふたつ。距離が近いので、隣の料理が気になって話しかけてみたりする。シェフたちもダイニングにちょこちょこ現れるので、自然とみんなで会話が始まる。そんなコミュニケーションの場でもあるのがまた楽しい。


「レシピを聞かれたら、バンバン教えてしまいます。食材、調味料や調理法など、このバランスの上に立つ料理を生み出せるのは私たちしかいないから。逆に私たちもお客さまから教えてもらうことも多いので、ついダイニングでお話をする時間が長くなってしまいます。」とチャーミングな笑顔を見せる村上シェフ。ここはレストランでもあるが、素敵な大人たちの社交場でもあるのだ。

食事が終わったらぜひ二階に上がってほしい。歴史を感じる建具や木枠の窓ガラス、畳、照明、日本家屋の美しさにうっとり酔いしれてしまう。オーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)をイメージしており、1階のダイニングで食事をした後、2階でくつろぐという設定のもと、2階部分にもこだわっているそう。

残念ながら本当に泊まることはできないのだが、ロケーションを含めて“フランコ・ジャポネ”を味わいつくしてほしい。


予約は紹介者から、もしくはHPからメールで営業日を確認し、空きがあれば取れるとのこと。すでに3ヵ月先まで埋まっているので、気になる人は早めに連絡を。


(メニュー)
天然本マグロのタルタル/1,300円
イタリア産スカンピの直火焼き/1,500円
シャラン鴨のオレンジソース/1,800円
タイ北部のカレーラーメン(カオソーイ)/1,200円
10名以上の一軒貸切プライベートコース/16,500円〜
※税、サービス料込
※月3日、もしくは10名以上の貸切時のみの営業のため要問い合わせ

メゾン・ド・ツユキ

住所
〒162-0832 東京都新宿区岩戸町22-9
電話番号
03-6280-7143
営業時間
営業時間:問い合わせ
定休日
定休日:問い合わせ
公式サイト
http://tsuyuki.tokyo/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。