真夏でも真冬でもいつも30~40人の行列が絶えない、町の小さなベーカリー

【連載】NYスタイル、進行形  世界最新の食トレンドを生み出し続ける、ニューヨーク。日々新しいスタイルが提案されるこの街で、生き残るのは至難の技。そんなニューヨークのトレンドに敏感な街の「賢人」の琴線に触れた店とは?

2016年08月31日
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真夏でも真冬でもいつも30~40人の行列が絶えない、町の小さなベーカリー
Summary
1.ニューヨークの閑静な住宅街に突然現れる行列の正体
2.売れ残ったパンやクッキーは寄付に回す
3.1994年のオープン以来絶えず人気

アッパーウエストサイドの閑静な住宅街の片隅に、ひっそりと佇む小さなベーカリーがある。中は数人しかお客さんが滞在できない狭さで、内装に凝る余裕もないようなつくりだ。そんな町の小さなベーカリーの前に、灼熱の太陽が照りつける真夏も凍てつく極寒の真冬も雨の日も関係なく、30~40人の行列ができる。それがLevain Bakeryだ。

Levain Bakeryの一番のウリは、6オンス(約170グラム)のチョコチップクッキー。私も初めて買ったとき、その大きさとチョコチップクッキーにしては高い値段にちょっとビックリしたが、食べてみたら「今まで食べたことのあるチョコチップクッキーの中で一番おいしい!」としみじみ思った。わざわざ並ぶからには、このクッキーは絶対外せない。ギフト用のクッキーセットは、アメリカ国内であれば発送もしてくれる。

他には、オートミールレーズンスコーン、ブルーベリーマフィン、プレーン、チョコレート、シナモンの3種類を揃えたブリオッシュ、アーティチョーク、トマト、オリーブ、炒めた玉ねぎをのせたフラットブレッドピザも人気が高い。パンの種類も豊富だ。

オートミールレーズンスコーン

ブルーベリーマフィン

チョコチップブリオッシュ

すべて手作業で毎日つくり、売れ残ったパンやクッキーは寄付に回す。非常に質の高い食材を使い、毎日新鮮なものを提供しているため、口コミで人気が広がり、ニューヨーカーだけでなく、国外からのツーリストまで行列するようになっている。

アッパーウエストサイド店がオープンしたのは1994年。創業者は、コニー・マクドナルドとパム・ウイークスの2人の女性だ。コニーは投資銀行で働いていたが、93年にクッキングスクールに入学し、ベーキングの道に転職した。パムはニューヨークのファッションデザイナーのノーマ・カマリの元で働いていた。共に競泳の訓練を受けていた2人は、スポーツの後おなかがすいた時に美味しいチョコチップクッキーについて話をするようになり、それがLevain Bakeryの創業につながったという。

2000年にはニューヨーク郊外の高級避暑地であるハンプトンに、2011年にはハーレムに新しい店がオープンした。並びたくなかったら、ハーレム店に行くのがお勧めだそう。年末か年明けには、アムステルダムアベニューの76丁目と77丁目の間により大きな店ができる。あまり並ばなくても買える可能性が高まることは、嬉しい限りだ。

Levain Bakery

住所
167 West 74th St New York, NY, 10023
電話番号
212-874-6080
営業時間
月~土 8:00~19:00、日 9:00~19:00
公式サイト
http://www.levainbakery.com/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。