薪の香りにモチモチの生地!サルヴァトーレ・クオモさんに訊いた日本のナポリピッツァ20年の歴史

【編集長のレストランライフ】dressing編集長・松尾大が注目するレストランについてときにはインタビュー、ときにはインプレッションを執筆。第一回は、いまや老若男女に親しまれているナポリピッツァを20年前に日本に根づかせるきっかけを作った大恩人、サルヴァトーレ・クオモさん。前後篇に分けてこれまでの料理人人生をインタビューした前篇をお届けする。

2016年11月12日
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薪の香りにモチモチの生地!サルヴァトーレ・クオモさんに訊いた日本のナポリピッツァ20年の歴史
Summary
1.日本におけるナポリピッツアムーヴメントを盛り上げた最重要人物
2.日本のナポリピッツアは1995年に始まった?
3.キーマン・サルヴァトーレ・クオモさんの料理人人生

ここ数年、本場に負けず劣らずのハイクオリティなナポリピッツァを出す店が日本中で増え、一部では第3次ナポリピッツァブームとまで呼ばれている。それは、恵比寿『アンティーカ ピッツェリア ダ ミケーレ』や福岡の『PIZZERIA DA GAETANO』(兄弟店の『Grilia di GAETANO』はこちら)など本場からやってきた名店や、ナポリの大会で現地の職人を上回るほどの高い成績をおさめてきた中目黒『ピッツェリア エ トラットリア ダ イーサ』や名古屋『ピッツェリア トラットリア チェザリ』をはじめとした本場で修業した腕に覚えがある職人が開いた店が増えたということが大きいといえるだろう。

日本にナポリピッツアを広めた一人

しかしブーム云々以前に、すでに日本人の舌にはナポリピッツァの味は定着しているように感じる。その先駆者が兵庫・赤穂『さくらぐみ』であり、続いて95年頃中目黒にオープンした『SAVOY』そして、サルヴァトーレ・クオモさんの開いた『サルヴァトーレ』である。特に、サルヴァトーレさんはその後、各地に店舗を広げ、宅配ピッツァさえナポリの味に変えてしまった、日本のナポリピッツァにおける大恩人だ。

そんなサルヴァトーレ・クオモさんは現在、産地から近い都市として好きになったという福岡を拠点としており、博多駅前の店舗『Salvatore Cuomo 市場』の厨房に立つことがある。そんな多忙なサルヴァトーレさんに今回、ナポリピッツァの20年について語っていただくため、東京・代官山の『XEX DAIKANYAMA - Salvatore Cuomo Bros.』でお話を伺った。

<サルヴァトーレさん>
僕は生まれたのは東京ですが、生まれてすぐに父の実家のあるナポリに戻りました。
そして、11歳のとき料理修業に入ったんです。
父親が料理人で経営者だったということもあってか職人にならないと親も納得しなかったですからね。

そうこうしているうちに、僕が16歳のとき父親がまた東京に行くと決めたんで父の店の仕事を手伝うために東京に戻ってきました。でも、東京にうまく馴染めずに、またすぐイタリアに戻ったんです。そうして、北イタリアにある専門学校に入学して料理を学びました。

その後、18歳になった頃、父の病気が判明して東京にまた戻ってきたというわけです。

父親は吉祥寺で2軒イタリア料理店を営んでいましたが、ファミリービジネスではなかなか外の世界を見ることが出来ないし、マーケットを理解できない。そんなこともあって、父が亡くなったときに店をたたみ、外の世界を見ようと考えたんです。

ちょうどその頃、ワイズテーブルの会長で社長の金山精三郎さんに出会い、お店を開きました。その後、縁があり中目黒にお店を出さないかという話をいただき、弟2人を呼び戻し、中目黒で店を開きました。
1995年のことです。

ナポリから窯造り職人を呼んで、日本で一番最初にホンモノの薪窯を設置した店です。


1995年、それが日本において「真のナポリピッツァ元年」となった。
そして、サルヴァトーレの快進撃が始まる。

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ライター
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