あの『格之進』が六本木に新店オープン! 熟成肉が牡蠣を覆う「牡蠣肉」は余韻まで超うまいと絶賛の声

2016年11月24日
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あの『格之進』が六本木に新店オープン! 熟成肉が牡蠣を覆う「牡蠣肉」は余韻まで超うまいと絶賛の声
Summary
1.熟成肉の先駆け『格之進』が生み出した「牡蠣肉」
2.ピッツァ窯の理論を用いた「特注窯」による調理法
3.『ベージュ アラン・デュカス東京』で研鑽を積んだシェフの料理

オフィスビルの新築ラッシュが続く六本木一丁目駅。その一角にそびえ立つ駅直結のビル3階にひっそりと誕生したレストランが『KABCO』だ。『KABCO』は、Kanzaki Aging Beef Crossing Oceanの頭文字からなる造語。Kanzakiは、和牛の魅力を追求し続ける「株式会社門崎(かんざき)」(本社/岩手県一関市)のことだ。と書けば、肉通ならばピンとくるだろう。そう、和牛の一頭買いや熟成肉の塊焼きで知られる『格之進』を営む飲食企業だ。2008年の創業以来、ひたすら和牛の魅力を追求し続け、和牛の新しい世界を見出した。その世界観が『KABCO』なのだ。

海の幸と大地の恵みが融合「牡蠣肉」

『KABCO』の世界観が最も伝わるひと皿が「牡蠣肉」(写真)。独自製法のブランド熟成肉「Kanzaki Aging Beef」がふんわりと牡蠣を覆う贅沢な一皿で、これをフォークに乗せて、すべてをひと口で味わう。瞬く間に海の香り、牡蠣の濃厚なうまみが溢れる。同時に、ジュワ~っと滋味深い肉のうまみがキタ!と思ったら、牡蠣と熟成肉が一体化して溶けていく。そして、長い余韻。調味料は何だろう、ソースは? 驚くなかれ、牡蠣が抱く天然のミネラル、海の塩味がその“ソース”の正体だという。

牡蠣をローストビーフで巻いたシンプルな料理だが、なぜこんなにも感動を呼ぶのか。まず、牡蠣がすごい。岩手県陸前高田にある湖のように静かな広田湾で、牡蠣愛に満ちた生産者の手によってじっくりと育てられる。成長途中で湯に付けて付着物を落とし、牡蠣に栄養が充分届くよう独自の手法を施す。このひと手間が大きく美しい牡蠣を生む。次に、言うまでもなく門崎熟成肉が絶品。さらに、牡蠣と熟成肉を焼く「特注窯」がすごいのだ。

食材のおいしさを引き出す「特注窯」

厨房に鎮座する「特注窯」は、熟成肉の水分を封じ込め、うまみを引き出すために生まれたもの。庫内はピラミッド型で、左面に熱源となる炎が見える。熱伝導が均一になるよう全面、石。熱が三角の庫内を回流しながら食材を覆う。大きなタジン鍋といえる構造だ。「熱風が直接食材に当たらないので、水分が抜けずに火入れが叶うのです」と、シェフの加田俊介さん。「野菜を丸ごと焼いても、とってもおいしいんです」と、スーシェフの立澤夢さんも窯の力に魅了されているようだ。

特注窯で焼いた熟成肉と、オーブンで焼いた熟成肉を使うひと皿がこちらの「海藻×熟成肉」。手前が特注窯使用の熟成肉で、レモンとオリーブオイルで和えたツブ貝と海藻(3色のトサカ海苔、海ブドウ)、下に敷いたジャガイモのピューレを絡めて食べる。一方、皿上の奥にある肉がオーブンを使用した熟成肉。じっと目を凝らして表面を観察すると、特注窯で焼き上げた肉は盛り上がっている。「熱源を変えると、肉の表情も変わるんです」と、加田さん自身も驚く。

肉汁をしっかり保持したままの熟成肉を、海藻とともに口に運ぶ。肉々しい味わいに海の風味が混ざり合い、上品きわまりない。海藻は、ひと口ひと口、食感の変化と、あっさりしたあと味をもたらす。日本の食材を使用するためか、和のテイストも感じられ、「SURF(海)& TURF(牧草地)」の冠に、「Japanese」を付けたくなる。

門崎熟成肉ありきののメニュー

「熟れた果実がおいしいように、熟れたお肉もまた然り」と語るのは、2002年から熟成肉に取り組んできた株式会社門崎の代表取締役・千葉祐士社長。まず、目利きの肉職人が厳選した牛肉を、きれいに処理した後、枝肉のまま熟成する。熟成度合いがベストな状態になったら部位ごとに切り分ける。切り分けた熟成肉がグループ各店舗に届き、それぞれの店内で追加熟成させる。Tボーンは、熟成肉の強い香りを最も感じられる部位。シェフの加田さんは、このTボーンを使って、どんなお皿を仕立てるのだろう。

メニューは昼夜通して1本入魂!

メニューは、ランチもディナーも同じで、おまかせのコースが1本のみ。深秋のある日は下記のような献立だった。

雲丹×ラディッシュ×ちびたけ
窯×牡蠣
秋刀×バラor黒ダイヤ
海×山
海藻×熟成肉
海苔×牛ブイヨン
いちぢく×ハーブ  以上、7品。

フレンチのメニュー表記によく見られる調理方法など、料理をイメージする文言は皆無だ。シェフの加田俊介さん曰く、「謎掛けのように、どんな料理なのか想像していただきたいのです」。料理の詳細について、後に続くお客さんのために、(もしかしてあなたかもしれない?)内緒にしてほしいというのが、加田さんの本音のようだ。

店内はこじんまりしているが、ゆったりと落ち着けるシックな設え。カップルや女性同士はもちろんだが、たとえば1年の締めくくりに、両親やお世話になった方を招いての食事会にいかがだろうか。ワインのペアリングは、お皿に合わせておまかせで5種。

「肉おじさん」こと、株式会社門崎の社長・千葉祐士さん。『KABCO』開店のきっかけは、牡蠣の生産者との出逢いだという。

「牡蠣に対する愛情が飛び抜けている生産者の彼は『牡蠣は海のミネラルの結合体であり海のアミノ酸の塊です』って言うじゃないですか。ならば、僕の熟成肉は大地のミネラルの結合体であり熟成工程によるアミノ酸の塊。この2つを掛け合わせたら、お肉の可能性がもっと広がると思ったんです」。2013年から牡蠣と熟成肉の組み合わせの試行錯誤を繰り返し専用の肉窯まで開発し、ようやくカタチになった。海の恵みと大地の恵みの出会いは、驚きの連続である。

【メニュー】
おまかせコース(1種類のみ/全7皿) 9,800円
ワインペアリング(5種) 6,000円
※価格は税抜

KABCO(カブコ)

住所
〒106-0032 東京都港区六本木3-1-25 六本木グランドプラザ3F
電話番号
03-6277-8229
営業時間
11:30〜13:30(L.O.)、18:00~20:30(L.O.)
定休日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/j0ahxebg0000/
公式サイト
http://kakunosh.in/restaurant/kabco.html

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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