このペアリングが1万円以下!元『ロブション』シェフと『ラス』ソムリエの名コンビがふるまう絶品フレンチ

2016年12月02日
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このペアリングが1万円以下!元『ロブション』シェフと『ラス』ソムリエの名コンビがふるまう絶品フレンチ
Summary
1.『ロブション』出身シェフと『ラス』元ソムリエの最高のマリアージュ
2.使い勝手は抜群! 充実したコースメニューは驚きのプライス
3.「藁焼き肉」と「STAUBご飯」の2大スペシャリテ

「フレンチスタイルの食堂」を謳う『aoyama bouchon amuser(青山ブション アミュゼ)』が9月23日、表参道にオープンした。骨董通りから裏路地に一歩入ったところ、『amuser』と書かれた看板の愛らしいスマイルマークに出迎えられて階段を上ると、正面奥にひっそりと佇んでいる。

“ブション”とはフランス語で居酒屋。「そう名乗る業態は、まだ日本では数えるほどしかありません。表参道というハイクラスなレストランが多い場所で、『アミュゼ』はビストロよりも気軽に、日常使いできる店を目指しました」と店長の真鍋ゆう子さんは話してくれる。「居酒屋」と聞くと雑多な店を想像するかもしれないが、ここは正真正銘のフレンチレストラン。入店すると、洗練された空間が広がっている。

1万円でお釣りがくる大満足のワインペアリングコース

『アミュゼ』の「料理とワインのマリアージュコース」は、“1万円でお釣りがくる”というプライシングだ。一体どんなマリアージュが体験できるのだろうか。早速、紹介しよう。まずは、鮮やかな緑色と純白が美しいウェルカムアミューズの「あやめ蕪のムース」(写真・下)。さっぱりとしたあやめ蕪の葉をピューレ状にして下に敷き、小ぶりの蕪のムースを乗せた一品だ。上に飾られたフレッシュな蕪は、濃厚なムースと混ざって甘みが弾ける。

こちらのアミューズに合わせるのは、ピノノワール主体のシャンパーニュ「カルト・ドール(エティエンヌ・ルフェーヴル)」。クリーミーな蕪の優しさと相性は抜群。可憐な香りにコク深く、土壌の豊かさを想像させる。しっかりとした味わいのシャンパーニュは単品でも注文可能。次の料理と酒への期待が高まるマリアージュだ。

前菜は「白子のムニエル里芋と春菊のガトー仕立て 林檎と松の実の焦がしバターソース 黄柚子を香らせて」(写真・上)。色とりどりのひと皿は、秋のうまみを重ねているが、その主役は鱈の白子。焦がしバターのソースと松の実が芳ばしく、よりふくよかに感じさせる。もちろんフランス料理の手法を用いるが、里芋や春菊といった日本の野菜をたくさん取り入れているのが『アミュゼ』流。六本木『ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション』で研鑽を積み、現在は白金台『ジョンティ・アッシュ』の料理長を務める進藤佳明シェフが『アミュゼ』のプロデューサーとしてメニューを監修している。

こうした和の食材をふんだんに使った前菜には、日本ワインをマリアージュ。山梨県勝沼で作られた「菱山 2013 鳥居平今村」は、甲州ブドウ100%のワインである。勝沼ぶどう郷駅からすぐのところにある菱山の畑は、寒暖差がしっかりしていて水はけがよい。トマトソースの酸味とバターの甘みは、ワインと一緒に味わうことでまろやかに演出される。「黄柚子で香り付けされた料理には、柚子フレーバーを感じる甲州ブドウを合わせました」と、ペアリングを提案してくれるのはワインディレクターの田辺公一さん。もともと『ラス』のシェフ・ソムリエだった田辺さんによる組み合わせは食材同士の香り、産地などユニークなペアリングが体験できる。

ブルゴーニュの郷土料理を『アミュゼ』スタイルで

もう一つは温かい前菜「ウッフ・アン・ムーレット」(写真・上)。こちらはブルゴーニュの郷土料理をアレンジしたもので、うす紫に色づく温泉卵は赤ワインで煮たもの。ソテーした木の子も赤ワインで煮込むことでうまみを凝縮している。トロトロの卵をたっぷり絡めて食べると濃厚な味わいに。気づけばグラスに手が伸びる。

このブルゴーニュの郷土料理に合わせるのは、もちろんブルゴーニュワイン。「コトーブルギニョン・アロブロジカ 2014(ドメーヌ・デュ・ビュイロン)」は、ピノノワール種に1割ほどのガメイ種が入っている。「アロブロジカは、昔、ピノノワールの名前だったんです。ボージョレ・ヌーヴォーで有名なリヨン地域が原産のガメイ種は、ハム料理が多く食べられる街でもあり、ベーコンとよく合います。素朴で近寄りやすさを感じるガメイ種は、いい意味で田舎っぽく、ナチュラルワインの土っぽさは木の子と相性がいい。そこに、エレガントなピノノワール種が混ざることで、レストランらしさを演出してくれます。料理の工程すべてに赤ワインを使用しているからこそ、ワインが料理と一体化し喧嘩することなくマリアージュを楽しめます」と田辺さん。なるほど、理にかなったペアリングだ。

名物! 一羽の鴨肉をシェアして食べるメインと〆ご飯

「お待たせしました! 」とテーブルに運ばれた瞬間、思わず唾をのみこんでしまうのがメイン料理。それが、いかにもおいしそうな薫香を放ちながら登場した肉料理「青森県産 銀の鴨の藁焼き」。青森県の専門農場で厳選した飼料のもと飼育されたバルバリー種の鴨。そこで日本一とも言われるエトフェ(血を全身にいきわたらせる屠殺法)を施され、さらに熟成期間を経てジューシーさと柔らかさの増した肉質のムネ肉に藁の香りをまとわせた。

軽く火入れされたムネ肉は、柔らかくほどけていく。そのまま食べればスモーキーな香りと肉のうまみを感じるが、付け合わせのイギリス産のマルドン塩やディジョンマスタード、レモンといった酸味と合わせると優しい風味が広がって、味のバリエーションを楽しむことができる。素材の味が引き立つシンプルな肉料理だからこそ、ワインの選択肢は多いだろう。そんなとき、田辺さんは『アミュゼ』だからこそ味わえるワインをセレクトしてくれる。

チョイスしたのはポルトガルの「ジャエン2011(キンタ・ドス・ロケス)」。メンシア種(スペイン語でジャエンと呼ぶ)100%のワインは、タンニンが強すぎず酸がきれいで、エレガントな貴婦人のよう。「ピノノワール風ですが、力強くて野生的。ほのかに感じるスパイス味が薫香によく合います。「銀の鴨」は、一般的な鴨より力強い野性味を感じるため、ジャエンの特徴にぴったりです。ポルトガル産のワインは、あまり飲む機会が少ないかもしれませんが、今まで経験したことのないペアリングを提案することで、驚きを体験していただきたい」と田辺さんは説明してくれる。

〆はSTAUBを使ったフレンチ流炊き込みご飯

そして最後はご飯で〆るのが『アミュゼ』流。蓋を開ける瞬間は、お腹が満たされていてもワクワクするもの。隙間から立ち上る湯気からは可憐な柑橘のフレーバーが優しく広がる。ご飯はフレッシュオレンジジュースで炊き込んだもの。季節によって変わる具は、メインと同じ鴨のモモ肉とフォアグラがたっぷり入って登場する。同じ鴨肉でも調理方法や部位が違うだけで、全く別の味わいとなる。そして炊き込みご飯にもペアリングのワインが用意されている。日本の食卓でいただく白米のイメージから解放されて、「付け合わせの穀物」と考えるとマリアージュもより一層楽しくなる。

そのワインが「コート ダムルシュヴィール2012」。こちらは酸味と甘みのバランスが面白い完全ビオワインだ。アルザス地方でよく食される鴨肉やフォアグラは、オレンジの香りがするブドウ品種ピノグリ種とよく合う。リースリング種も入っているため、軽やかな中に少しコクを感じる。このワインとオレンジご飯でペアリング。丁寧に火入れされたフォワグラと、ジューシーなモモ肉の脂身は、オレンジの酸味と相性がよい。この組み合わせがディナーの最後を華やかに演出してくれる。

大満足の理由はコスパだけじゃない

『アミュゼ』を切り盛りする前田高雄シェフは、実は、進藤シェフと同様、『ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション』出身。同級生の2人だが師弟関係として働く一方、何でも話せる親友だったという。明るく優しい前田シェフはムードメーカー的な存在だ。カウンター越しにお客と冗談を言い合えるのも、ブションならではの光景。名物大将のいる居酒屋のように、居心地がよくてつい長居したくなる。さらに、真鍋さんの気遣い溢れるおもてなしによって、『アミュゼ』は完成する。「ワインのつまみは500円前後からご用意しております。グラスシャンパーニュ、グラスワインは全て1,000円。サービス料はいただきません」。なんて太っ腹! 一度でも体験すれば、お洒落な行きつけの店にしたくなるはずだ。

【メニュー】
ワインペアリング~料理とワインのマリアージュコース~
料理5品+料理に合わせた5種のワイン 9,000円
藁焼き肉 1,800円~
STAUB御飯 1,900円
アラカルト520円
グラスシャンパーニュ 1,000円
グラスワインall 1,000円
※価格は全て税抜

ホリディランチコース 3品3,240円 5品5,400円
※価格は全て税込

aoyama bouchon amuser(青山ブション アミュゼ)

住所
〒107-0062 東京都港区南青山5-9-8 五番館ビル2F
電話番号
03-6427-2630
営業時間
11:30~14:00(L.O.13:30)、18:00~23:00(L.O.22:30) 土・祝12:00~14:30(L.O.13:30)、18:00~23:00(L.O.22:30)
定休日
日曜を中心に月6日
公式サイト
http://www.amuser-aoyama.com/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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