2017年は「ベジタリアン元年」になる!【最新食トレンド予測】

dressing編集長・松尾が2017年に流行りそうな食のトレンドを予想。食に関して知見をお持ちの方々の意見や各メディアでの動き、データ、そして街でのリアルな動きなどあらゆる側面から分析。いまのうちに意識しておきたいトレンドグルメとは?

2017年01月08日
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2017年は「ベジタリアン元年」になる!【最新食トレンド予測】
Summary
1.インバウンドがベジタリアンと関係している?
2.肉ブームの反動ではなく、二極化の可能性も
3.日本料理の世界でも精進料理が注目されつつある

肉ブームは収まらないだろうが、、、

いま、日本は空前の肉ブームだと言っていいだろう。
赤身肉、グルメバーガー、ジビエ、熟成肉、、、とにかく肉をフィーチャーした店がここ数年非常に増えているし、今後も突然そのブームが終焉を迎えるということではないと思われる。dressingの記事においてもやはり肉は強いし、それは他メディアでも同様の傾向が見られることだと思う。今後、さらにあらたな肉料理が出てくることも間違いないだろう。

しかし、2017年は「野菜」が主役になるかもしれない。
その流れはここ数年、徐々に見えてきており、特に都内では『WE ARE THE FARM』に代表されるようなFARM to TABLEの店が増えてきているし、サラダ専門店もあちらこちらの街にある。大人気の焼肉店『ふたご』が2016年7月に恵比寿にオープンさせた『GREEN BROTHERS』などは象徴的な店舗ではないだろうか?

インバウンドの急増でベジタリアンコースが増える?

そして、何よりも大きいのがインバウンドの増加。ほんの数年前まで1,000万人にも届かなかったものが、2015年に約2,000万人、昨年はおそらく2,500万人程度にまで増えているはず。さらに政府は2020年の訪日旅客数を4,000万人とすることを決定したほどだ。

こうなると食事は非常に大きな問題になる。特に西洋人やインド人などはベジタリアンが多いが、日本には彼らの需要を満たすような店が決して多くない。
ヨーロッパのレストランなどでは、通常のコースと同額でベジタリアン向けのコースを設定している店が少なくない。それは、それだけベジタリアンが多いということであるから、訪日するベジタリアンも自ずと増えてくることになる。

「和」なら、精進料理にも注目!

日本料理の世界でも、ベジタリアンに向けて精進料理を再評価する流れが生まれてきており、動物性蛋白質を使わず、いかにうまみを抽出し、胃袋も満足させるものが作れるかということを腐心している。

ベジタリアンというものに慣れない日本人にとって、ベジタリアンあるいはビーガンと言う言葉は行き過ぎた健康志向というイメージで、決してポジティブなものばかりでなかったかもしれない。
しかし今後は、ただ健康志向というだけでなく、まるで肉を食べたかのような満足度の高い野菜料理が生まれてくるだろう。そして、そういった料理を食べたとき「ベジタリアン」ってそんなに特別なものではないと気づくはず。
そう、ベジタリアンを特別視しない、ベジタリアンを再定義する時代がやってくるはず。

そんな2017年を「ベジタリアン元年」と予測しよう。