3つの味が楽しめる、シェフこだわりのリゾットは必食!注目のイタリアン『ジロトンド』が神保町にオープン

2017年02月03日
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3つの味が楽しめる、シェフこだわりのリゾットは必食!注目のイタリアン『ジロトンド』が神保町にオープン
Summary
1.神保町に4,800円のコースとアラカルトがいただけるイタリアンが誕生
2.有名シェフの愛弟子が創る料理と寄り添うワインに垂涎
3.『ジロトンド』が広げる“おいしい食の輪”に期待!

神保町駅から徒歩7〜8分、気になるイタリアンができた。コンセプトは「地の食材を使う」こと。日本の食材を積極的に取り入れ、イタリアで修業した原耕平シェフが料理を作る。店主の村上裕一氏がこの店をオープンさせるにあたり、その人柄、そしてワインと料理に対する想いが同じ原氏をシェフに迎えた。

土曜日は休みの人が早くから食事できるようにと15時からオープン。18時くらいまではカフェだけの利用も可能で、小さな子供連れもOKだ。意外に思われるかもしれないが、神保町でこんな都合の良い店は少ない。カウンター5席、テーブル10席の世界には、ふたりの想いが詰まった料理とそれに寄りそうワインがあり、生産者と彼らが作った心のこもったものにあふれている。

若きシェフが創るのは“想いを伝える皿”

こちらでは4,800円のコースとアラカルトを用意している。本日はおすすめの3品をお願いした。

まずはじめは「カマスと里芋の焼きリゾット」である。リゾットは食べたいものをリクエストすればアレンジも可能。テーブルに置かれた皿の上には焼きリゾットのみ。少々そっけない盛り付けだと思っていると、まずはリゾットの味を楽しんでもらいたいとのこと。表面がおこげのようにカリッとして、中にはとろんとした里芋と新潟県魚沼産のコシヒカリ、そして皮目を香ばしく焼いたカマスの存在感と塩気が時折のぞき舌を喜ばす。魚沼の天然水とカマスの骨のだしで炊いたこのリゾットは食感の緩急が醍醐味だ。まるで炊き込みご飯を食べているかのようでひと口、ふた口と止まらなくなる。

すると「お待ちください」と声がかかり、ふたりが佐渡島で出逢った小木の「あごだし」が注がれる。なるほど、これで皿が完成されるということか。今まで匂いがきついと思っていたあごだしのイメージが一新、内臓と中骨をとって乾燥させたあごから取った非常にクリアなだしだ。温かさとあご(トビウオ)のふんわりした風味が加わって、まろやかさが体中にしみわたりほっこりとした気持ちになる。

まるでお茶漬けを食べているかのようだ。セミドライトマトを混ぜると、酸みと甘みがまったく別の料理かと思わせるほどの味を作り出した。これは和食でいうなら山葵の役割であろう。最後は完全にイタリア料理だ。3段階に及ぶ味の変化は素晴らしい! の一言に尽きる。

次はラヴィオリだ。うますぎる! 鶏肉のうまみが別格なのである。新潟で知人から紹介してもらったという『オークリッチ』冨樫さんの卵「渚おうはん」と出逢ってこの皿ができた。入手困難な日本地鶏指定27種の鶏種「横斑(おうはん)プリマスロック」という鶏が産んだ卵で、他の鶏に比べ産卵数が少ない。その鶏を自然の中で放し飼いし自由にのびのび育てているのが冨樫さんだ。卵黄の割合が高くコクがあり、初めて食べた時のおいしさがあまりにも衝撃的で、その場で仕入れをお願いしたそうだ。

鶏肉と野菜とトマトソースを白ワインで煮込みミンチにし、チーズを足して餡を作り卵を生地に練ったラヴィオリで包む。そこから出るうまみとバターがソースになるのだがこれがたまらなくおいしいのである。グリーンカリフラワーの歯ごたえとチェリートマトのやわらかな酸みがアクセント。

「鶏は体温が高いため夏はバテてしまい動かなくなるそうです。だから冬の方が卵はおいしい、卵黄は餌を変えることでいかようにでもなるが卵白はごまかしが効かないことなど、鶏と卵についていろいろ教えてもらいました。冨樫さんの話を訊いて何も捨てることなく、どうやったらおいしく食べてもらえるのかと考えて作った」と語る。冨樫さんの鶏への愛情をそのまま形にした一皿である。


3つ目は「ポレンタ」に「カルボナーデ」というソースを添えて食べる北イタリア、アオスタ地方の郷土料理と蝦夷鹿のロースト。「カルボナーデ」は端肉をスパイスに漬け込み、玉ネギ、人参、肉の筋、赤ワイン、ブドウ果汁で煮崩れるまで煮込んだもの。クローブ、ジュニパー、シナモン、ローリエといったスパイスが印象的な味を作る。また赤ワインだけでなくブドウ果汁をかなり使うことでフルーティーな仕上がりにした。

主役はローストなのだが添えてある「ポレンタ」と「カルボナーデ」が名脇役すぎて、どれも単品でメニューに載せられるほど。逆に言えば三位一体となった時の破壊力は想像を絶するおいしさである。

この皿は師である麹町『ロッシ』の岡谷文雄シェフと、イタリアでの思い出からインスパイアされた。岡谷氏が研修していたアオスタの店を訪れ「カルボナーデ」を食べ、イタリアで自分が見て聞いて食べたものを表現したいと、イタリアの人が食べても納得のいく味を追求している。

原シェフの料理の真髄は1990年初頭、六本木の地に『ロッシ』をオープンし、“本場”イタリア料理で食通を唸らせた伝説の岡谷シェフの教えである、「酸みの使い方」、「うまみを感じる最低限の塩加減」、「コースも料理も緩急をつける」、「料理に食感の変化や香りをつける」にある。これらを常に意識した“飽きることなく食べ疲れない料理”が原シェフの持ち味なのだ。

運命に導かれたふたりが二人三脚で創りあげる店に期待大!

大学卒業後、すぐにイタリアに飛んだ村上氏(右)。ローマの『アンティーコアルコ』で3年ほどソムリエとして勤め、その間、現地でソムリエの資格を取得。一時帰国し、表参道『フェリチタ』の立ち上げに参加し、またイタリアへ。1年半後に帰国し新潟、名古屋、長野、群馬などで経験を積む。長野と群馬では農家に住み込み高原野菜を育てるため農業に従事する。東京に戻り麹町『ロッシ』で原シェフと出逢う。いくつかの店を経て自身の店『ジロトンド』をオープンさせた。


原シェフ(左)は調理師学校在学中から麻布十番『ラ・コメータ』で修業。岡谷文雄シェフのいる『フェリチタ』へ。この時にホールも経験する。同じく『フェリチタ』の支配人、永島農氏に学べたことは貴重な財産となったと言う。その後、25歳でナポリの二つ星『トッレデルサラチーノ』へ。ピエモンテ、ヴェネトと移り帰国。麹町『ロッシ』に戻った岡谷シェフの元で再び研鑽を積む。観音崎『アクアマーレ』を経て『sumile TOKYO』で初めてシェフとして腕をふるう。そして村上氏に誘われ『ジロトンド』のシェフに就任。

この店のオープンまでの長い時間の中で出逢い、それぞれの道を進み、そしてとうとう同じ道を歩くことになったふたり。すべての料理にはふたりの記憶、思い出、ストーリーがある。それは生産者だったり、出逢った食材だったり、人生に関わった人だったりとさまざま。例えば焼きリゾットは村上氏と行った佐渡視察旅行の思い出だ。お世話になった人のお店で供されたカマス、その人の紹介で訪れた蕎麦屋のあごだし、友人が育てた米。ラヴィオリには『オークリッチ』冨樫さんの鶏への想いを、蝦夷鹿のローストには岡谷シェフとイタリアへのオマージュを込めた。そのインスピレーションが料理となる。だから原シェフにしか作れない唯一無二の料理なのだ。

「ジロトンド」とはイタリア語で「輪舞」。子供たちが手を繋いで踊る姿から自分たちも出逢った人たちと手を取り合って共に歩んでいきたいという想いを店名にこめた。ふたりの店のこれからが楽しみで仕方がない。


(メニュー)
手打ちラヴィオーリ 越後山北地方の海辺で放し飼いで育てられた鶏の卵「渚おうはん」とその肉/1,800円
かますと里芋の焼きリゾット/2,000円
北海道蝦夷鹿うちもも肉のロースト ポレンタ添え/3,400円
本日のコース料理/4,800円
※価格すべて税別

ジロトンド

住所
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-36-1 新神保町ビル1F
電話番号
03-5244-5245
営業時間
月〜金17:00〜24:00(L.O.23:00)、土15:00〜24:00(L.O.23:00) ※土曜日のみ小さな子ども連れも可  定休日 日曜

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