創業130年、浅草の老舗酒屋が開いた「角打ち」は直輸入ワインからレアな日本酒までそろう、大人の隠れ家

2017年05月12日
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創業130年、浅草の老舗酒屋が開いた「角打ち」は直輸入ワインからレアな日本酒までそろう、大人の隠れ家
Summary
1.角打ちの文化を浅草で伝承! 老舗酒屋がバール風「角打ち」をオープン
2.ターゲットは味のわかる大人。ツマミの素材が優れもの
3.造り手の想いが伝わる直輸入ワインも気軽にグラスで飲み比べ

赤く大きな提灯がシンボルの東京・浅草。観光のメッカ雷門から、雷門通りを西へ3分。創業130年になる老舗酒屋『相模屋本店』が、店舗リニューアルに伴い、念願だった「角打ち」をオープンした。ここ数年、角打ちが増えつつあるが、そもそも角打ちとは、酒屋の軒先の立ち飲み場のこと。そういう意味で酒屋が開いたこちらの店は、正真正銘の角打ちと言える。

和テイストをプラスした「バール風」店内は女性ひとりでも安心

角打ちは、酔っぱらいのおっちゃんが集い、女性ひとりには敷居が高い店が多い。しかし、『相模屋本店 KAKUUCHI』は、庶民的でコテコテの雰囲気を見事に払拭、高い天井の店内は、和テイストを取り入れたモダンな空間で、計算された高さ110㎝のカウンターに立てば、ゆっくりくつろげる。さくっと1〜2杯ひっかけるのもいいが、大人がしみじみ楽しめる、これまでにない角打ちなのだ。

迎えてくれるのは、お酒の女神!? いいえ、女将です

「角打ちのツマミって乾きもの程度でしょう?」と思っていると、メニューを見たら目からウロコ、ちょっとびっくりするだろう。豚肉のリエットに水牛のモッツァレラなど、ビストロやバールのような品揃えだ。

「角打ちでも、おいしいものがあるんですよ」と、カウンターに立つ岩倉久恵さんがにっこり。岩倉さんは、数々のヒット店を創ってきた飲食店経営者で、『立喰酒場&坐房buchi』の女将として活躍してきた。今回、角打ちを開店するにあたって『相模屋本店』のオーナー、恩田健さんとタッグを組み、運営に参加している。

経験豊富な岩倉さん曰く、「ツマミはお手のものですから(笑)」。丁寧に素材を選び、ひと手間もふた手間もかけて、お酒に合うツマミを揃えている。

クラフトビールもメニューインする、ワンランク上の角打ち

瓶ビールもあるが、クラフトビールを置くのが『相模屋本店 KAKUUCHI』の魅力のひとつ、新しい角打ちのスタイルだ。この日は、「ベアードビール スルガベイ インペリアルIPA」。日本のクラフトビールは、外国人観光客にも気になる存在。

ツマミは、岩倉さん自慢の、普洱胡桃(プーアールくるみ/写真手前)を。砂糖をからめて揚げたクルミに炒って細かくしたプーアール茶をからめる、苦みとコクが凝縮した滋味深いツマミ。IPAのホップの苦みと、なんとも名コンビだ。

『相模屋本店』が直輸入する、イタリアの白ワインも最高!

直輸入するワインはどれも生産者の想いがたっぷり詰まった、選りすぐり。数あるラインナップから、ほぼ日替りで、スパークリング1種類、白・赤4種類ずつを開栓する。

今宵、北イタリアのアルト・アディジェ「タシュレルホフ」(シルヴァネール100%)をおすすめするのは、『相模屋本店』の4代目、恩田健さん。ワインの直輸入は15年前から。現在は約40のワイナリーと付き合いがあり、4月にはイタリアのワイナリーを巡る出張に出かけたばかり。初夏に向かって、新しいラインナップが楽しみだ。

と、ここで、角打ちオープン秘話を少し……。

「角打ちをやってみたいな」と、漠然としたアイデアを恩田さんがつぶやいたのが3年ほど前のこと。このつぶやきを受けたのが、岩倉さんらで、「浅草で角打ち、いいね!」と賛同。じわじわと企画が膨らみ、酒屋改装のタイミングで着工、3月9日にオープンとなった。地元住民はもとより、国内外からやってくる観光客がふらりと立ち寄っていく。

日本酒のおきまりは「豊の秋」300円!

定番で置く日本酒は、岩倉さんがこよなく愛する「豊の秋 上撰」(島根県/米田酒造)。「飲み口がきれいで飲み飽きしない、これぞ真の日本酒です」と、大絶賛だ。米の香りとうまみをしっかり味わえる、余韻の長いまさに「豊か」な一献。お燗にすると、香りもうまみもさらにふわふわと広がる。合わせるツマミは、「豚肉のリエット」。野菜もギュッと入り、さっぱりやさしい味わい。

飲み飽きない「豊の秋」は、当然のことながら、一杯では終われない。二杯目に進むならツマミは、お燗でも冷やでも「豆腐の味噌漬け」がいい。日本酒をゆるゆる飲むのにぴったりだ。ねっとり濃厚な口当り、パンチある塩味はやみつきになる。

隠れ看板酒は「レモンサワー」。これは必飲なり

ビールも日本酒も苦手でも大丈夫。『相模屋本店 KAKUUCHI』には、超逸品のレモンサワーがある。あれこれ飲んだ〆の一杯としてもおすすめしたい。広島市瀬戸田町の長畠農園の無農薬レモンをじゅわじゅわと絞る、全身にさわやかな風が吹くような果実感満載のレモンサワーだ。

観光客が多く毎日が休日のような浅草で、より日本らしい時間を過ごすには、「角打ち」こそがふさわしい場所ではないだろうか。

【メニュー】
ベアードビール スルガベイ インペリアルIPA 700円
ハートランド(小瓶) 600円
無農薬レモンサワー 500円
日本酒 豊の秋(上選) 300円(90ml)
日替りグラスワイン 600円〜(120ml)
 (スパークリング1種、白4種、赤4種)
プーアール胡桃 300円
豚肉のリエット 500円
豆腐の味噌漬け 300円
※価格は税込

相模屋本店KAKUUCHI

住所
〒111-0032 東京都台東区浅草1-8-2
電話番号
03-3844-4196
営業時間
15:00〜22:00
定休日
月・火・水
公式サイト
http://kettle.tokyo/kakuuchi/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。