餃子とニラソバがズバ抜けてうまい! 浅草・かっぱ橋のツウが愛する町中華『十八番』は地元民のオアシス

餃子で巡る世界の旅in東京 #21

2017年06月14日
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餃子とニラソバがズバ抜けてうまい! 浅草・かっぱ橋のツウが愛する町中華『十八番』は地元民のオアシス
Summary
1.浅草・かっぱ橋商店街の近くにある中華料理屋『十八番』の焼き餃子がウマい
2.常連が注文するメニューは、ニラを一束も使った「ニラソバ」
3.下町ならではのアットホームな雰囲気でリピートしたくなる!

どうも、料理芸人のクック井上。です!

最近、注目を集めている「町中華」。“昔ながら町の中華料理屋さん”のことですね。僕、何を隠そう、町中華が大好物でして、飾らない感じやホッとする感じ、お店や店主の佇まいなど、魅力満載です。で、町中華と言えば、餃子ですよね!!

今回は西浅草にある問屋街・かっぱ橋道具街の近くにある中華料理屋さんを紹介します。メディアではあまり取り上げられない、常連さんが食べるメニューも教えちゃいますよ! では、参りましょう。

やってきたのは、つくばエクスプレス浅草駅下車、徒歩約3分のところにある『十八番』。2017年で創業53年目を迎える歴史ある中華料理屋さんです。

実はこのお店、さまざまなテレビ番組で紹介されるほど、“町中華ツウ”には人気のお店。店頭には、某男性アイドルグループのメンバーが、番組ロケで座ったイスが飾ってあります。老舗なのにツンとしてなくて、ちょっとミーハーなあたり、お茶目で素敵です。

入り口を入ると、懐かしきピンクの電話がお出迎え。壁に貼られたメニューたちも、なんとも昭和な雰囲気。こういうお店の佇まいも、町中華の魅力。そして、店の作りが細長く、うなぎの寝床なので、どの席に座っても厨房がよく見える!

どの席に座っても、コンサートでいうアリーナ最前列、相撲でいう砂かぶり、プロレスや格闘技でいうSRS(スペシャルリングサイド)。厨房の調理をのぞき込むのもまた味のひとつ。では、このコラムではまずはこの一品から注文で決まりです。

「餃子一皿くださ~い!」

すると、厨房から“じゅわ~”と焼けるいい音が……!

最後に魔法のごま油をたらり。すると…

キターーーーーーーーーッ! 焼き面カリッとしたやつー!

な、なんて美しい餃子なんだ!

できあがった餃子は、ぷっくらと膨らんで肉汁で光り輝いています。かっぱ橋道具街の近くだけに「食品サンプル品かよっ!」とつっこまざるを得ない(笑)

で、餃子と言えば? そう「生ビール!」と言いたいところだけど、ちょっと待った。飲んで欲しい1杯があります。

細切りのキュウリがたっぷり入った水割り焼酎「かっぱばしわり」。かっぱ橋道具街の近くの近くだから、キュウリを使っているという洒落ね(笑)

こりゃなんとも見逃せませんが、まずは、美しい焼き目の餃子にパクついてから、イジると致しましょう。

「餃子、いっただきまーす!(パクッ。モグモグモグ…)

これよ! これこれ!!

具材はキャベツ、ニラ、タマネギの野菜と豚挽き肉。割合は3対1と野菜がやや多め。やさしい味わいで、野菜の魅力が伝わってきます。それにしても、餡は野菜と肉が一体化していてしっかりしていると思いきや、食べたときに軽く溶けていくような感じ……。

店長の青山大介さんによれば、その決め手はラードとのこと! 挽き肉に、塩・うまみ調味料・醤油・ニンニク・ショウガ、そしてラードを加えて、白色っぽいペーストのようになるまで、なんと約30分も練り続けるんだって! すると、旨味が増す上に、そのペースト状になった挽肉が、野菜と野菜の接着剤になるんだとか。そうか、だから野菜が多目なのに餡がしっかりしていて、それでいて軽いんだ!

「そこが、家庭と違うところです!」

と青山さん。流石は創業53年目の老舗の技です。ちなみに皮は製麺所に特別にオーダーをかけたオリジナルのもので、その製麺所は『十八番』の女性社長の親戚の方がやっている会社なんですって。親戚同士、がっちり密着&接着でこの餃子ができあがってるってわけ。

さぁ、そろそろあいつをイジらなきゃ、「かっぱばしわり」

珍しいお酒だなぁと思ったけど、昔は結構ポピュラーだったそうです。お酒が苦手な店長さんが「キュウリの焼酎は、ほのかにメロンの香りがして飲みやすい!」と気に入ったところから、数年前にメニュー化したとのこと。口の前に盛ってきた時に、ほのかに爽やかな香り、飲めば口の中がさっぱり、餃子に合います!

ただ、ひと口ふた口その香りを味わったら、すぐに“かっぱ”は取り出してください。アルコールを吸って苦くなっちゃうんです……、そんなの勿体ないじゃない? うん、うん。で、どこに取り出せばいいのか、それが問題だ。でも大丈夫、「かっぱばしわり」を頼むと、もれなく胡麻だれが入った小鉢が付いてくる。

ここに“かっぱ”を取り出せば立派な酒のお供のでき上がり。メニュー名も洒落がきいていますが、こういうとこもニクい! お店が53年続くには、おいしい+楽しいがある!

常連なら絶対食べる『十八番』の十八番(おはこ)、ニラソバ!

店名が『十八番』というだけあって、お店の十八番(おはこ)も食べておきたい……。ということで「お店の十八番(おはこ)ください!」と、やや無茶ぶりのオーダー。

すると出てきたのは、ニラを一束近くも使っているという「ニラソバ」。お店の53年前の創業当時からあるメニューで、おそらくここが「ニラソバ」の元祖だとのこと。そんなわけで、昔からの常連さんなら絶対に注文するメニューという、まさにお店の十八番(おはこ)!

最初に説明した通り、『十八番』は、テレビに何度も取り上げられる人気店。以前、映像の見栄え的な理由から、「ニラソバ」ではなく「酸辣湯麺(サンラータンメン)」をメディアに紹介したところ、世の中に“酸辣湯麺が十八番のイチオシメニュー”という認識になってしまったそうなんですが、実は否っ! 確かに酸辣湯麺も絶品ですが、でも、「ニラソバ」のほうが『十八番』の十八番(おはこ)メニューなんです!

▲う、うまい…!

というようなうんちくを述べたところで、その常連さんたちが愛してやまない「ニラソバ」を味わうとしましょう。まずはスープから……、くぅー、こりゃたまんねー!

醤油ベースのスープ、そこにニラとゴマ油のいい香りが漂いノックアウト! いやー、絶品だわ。たっぷりのニラに加えて、最後に加えるゴマ油が決め手だそうで、社長さんのこだわりで、ちょいと高くていいゴマ油を使っているそうです。

麺はかん水を使っていないので中華麺特有の香りがせず、するするっと口の中に入っていきます。具材は豚バラ肉とニラだけというシンプルだけど、味はコクがあってうまみが凝縮されている。むしろ他の材料はいらないね。「なんでこんな旨味と甘みがあるんですか?」と聞いたところ…

「豚バラ肉をラードで炒めることで、旨味と甘みが増すんです」

ここにも老舗の技を見ました。

これから暑い季節になります。「冷やし中華!」と言いたくなるところを、あえて「ニラソバ」をふーふーしながら、汗をかきながら、ってのがオススメです。

アットホームな店、それが『十八番』

かっぱ橋道具街周辺は、近年、外国人観光客が増えてきています。だからこの『十八番』にも、外国人観光客がよく訪れるそうです。そのため、英語表記のメニューも用意してあるのですが、このメニュー表は常連さんがご厚意で作ってくれたんですって。それって、凄いことだと思いませんか? そこまで愛される理由があるんです。

僕がこうして食レポをしている間に、女性社長さんが「はい、これ差し入れ!まかないだけど食べて」と言って、「たこめし」を持って来て下さったんです(しかもスタッフ全員分……、お茶付き!)。

こういう心遣い、こういうアットホームさが、『十八番』の最大の魅力であり、53年間も愛される秘訣!

▲最後は、社長さんとパシャリ。笑顔が素敵な社長さん、カメラの前では急にシャイ。

西浅草、かっぱ橋道具街周辺でお腹がすいたら『十八番』へ! 職人の技が光る餃子、そして作り続けて愛され続けて50年以上、『十八番』の十八番(おはこ)の「ニラソバ」をぜひぜひ味わってみて下さい。で、飲める人は「かっぱばしわり」で決まりですね。

(撮影/稲毛美紗)

【メニュー】
ギョーザ 550円
かっぱばしわり 450円
ニラソバ 700円
ぶためし 300円
※価格は税込

十八番

住所
〒111-0035 東京都台東区西浅草2-18-7
電話番号
03-3844-0108
営業時間
11:00~16:00、17:30~21:00
定休日
日曜・祝日

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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