フレンチ料理人がカレーを極めた! 見事にハイレベルな「スパイスカレー&カレーパン」の新店

2017年09月01日
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フレンチ料理人がカレーを極めた! 見事にハイレベルな「スパイスカレー&カレーパン」の新店
Summary
1.南インドのスパイス文化とフレンチの技法が織りなす、オリジナルカレー&カレーパン
2.代官山の人気ビストロ『Äta(アタ)』で仕込む出汁が味のベース
3.掛川哲司オーナーシェフとスタッフが試作を重ねた「僕たちが食べたいカレー」

まだまだ暑い日が続く今日この頃、心身ともにカレーを求めている人も多いだろう。東京は、ありとあらゆるタイプのカレーに出逢えるカレー天国のような街だが、5月26日にまた1店、新しいカレー店がひっそりとオープンした。

JR山手線・地下鉄東京メトロ恵比寿駅から渋谷方面に歩くこと数分。手作りの看板を目印に階段を登ると「カレー屋です」の文字。扉の間から食欲をそそるスパイス香が漏れる。

ひっそりとオープンしたとはいえ、早々に注目の新鋭カレー店となっている。それもそのはず、代官山の人気ビストロ『Äta(アタ)』の姉妹店として、オーナーシェフの掛川哲司さんが手掛けたのだから。おいしくて楽しい食のシーンを求める『Äta』のファンが駆けつけないはずがない。

インド産スパイス×フレンチの出汁がうまさの秘訣

扉を開くと、10人も座れば満員の店内にスパイスの香りが充満。小さなキッチンでカレーを仕上げる様子、カレーパン生地を仕込む様子が間近に見える。

「僕たちが心からおいしいと思える、僕たちが毎日食べたくなるカレーを作っています」と、掛川さんは言う。つまり、カレー天国である東京で様々なカレーを食べながら、「僕たちだったらこうするよね。もっとこうしたらおいしくなるよね」と、探求しはじめたのがきっかけだ。

大きな特徴は、時間をかけて丁寧にとるフレンチの出汁を使用すること。スパイスを入れてからは極めて短時間で仕上げることだ。

日替りカレー2種を味わえる「Curry W」は、まるで小宇宙

日替りで用意する2種のカレー、その両方を味わえる「Curry W」(写真上)は、ブルーの大きなプレートで登場。

手前からチキンカレー、白いペースト状のマッシュポテト、キャベツのアチャール、ココナッツのサンドル(パイナップルとライムの風味)、サラダ、シュリンプカレー、レモン&ジンジャー味のターメリックライスが、ご覧の通り彩り鮮やかに盛られる。「副菜を自由に混ぜながら、楽しんでください」と、店長の菅原悠さんは話す。

すぐに混ぜず、まずは2種のカレーとライスをダイレクトにひと口。複雑なテイストを想像したが、チキンカレーは単一のスパイスが際立っているではないか。

「カルダモン、フェンネル、マスタードシードを感じるはずです。パウダーではなくホールで使用するので、噛んだ時にポンッと弾けて香りが広がるんです」と、掛川シェフ。

一方、シュリンプカレーは、オマール海老でとった贅沢な出汁「ビスク」を使用する。奥行きのある深い味わいは、ビスクの隠し味となるローズマリ―、マジョラムなどの南フランスのハーブ類が、カルダモンやコリアンダーのスパイスと合わさって生まれるのだ。

どちらも、スパイシーでひと口目からじんわりと汗ばむが、ココナッツのサンドルと混ぜれば南国の甘みと弾ける酸味が広がるし、キャベツのアチャールはシャキシャキとした歯応えをプラス。食べる人のさじ加減で、味の広がりは未知数なのだ。

こんなカレーパン見たことない! すでに大ブレイクの予感

14時から注文が可能なカレーパンは、注文後に揚げ立てを提供する。テイクアウトでも、店内で「Curry Pan plate」でも味わえて、すでに名物になる予感がする。

「カレーパンって、食べにくいと思いませんか? 食べこぼれたり、パン粉がボロボロしたり、胃に重かったり」と、掛川さんが問いかける。これまでカレーパンに感じていたストレスをすべて払拭して考案したのが、このオリジナルカレーパンだ。

縦に細長い形状は、女性でもすっと美しく頬張れる。きめ細かい衣は、口当たりが優しく、衣が落ちることは皆無だ。さらに、中味は日替りのさらりとしたカレーをそのまま使用。小麦粉不使用なので軽い食感。

4分ほどできれいなきつね色に揚がったら、仕上げにスパイスを混ぜたきび砂糖をふるう。この時のスパイスも包むカレーの具材によって種類を変えていて、シュリンプならばコリアンダーを混ぜたきび砂糖、ビーフカレーの場合は、カルダモンになる。きび砂糖のほんのりした甘さとスパイスが、細やかな衣と相まって香ばしく広がる。

さらりとしたカレーを包むには、技術が必要なのだ

さらりとしたカレーを包み、揚げている途中にはみ出さないようにと、カレー同様、試行錯誤を重ねて到達したカレーパン。今日の具はシュリンプカレーで、プリプリのエビの食感が生きていた。

カレーのお供は、80年代のウエストコーストをレコードで

手作り感あふれる店内は、LP版のレコードが飾られ、小さなレコードプレーヤーがある。「時間がある時はレコードをかけるんです」と、カレー開発の立役者で店長の菅原さん(写真下・左)。もともとカレー作りが好きで得意だったという。カレーパン担当は、スタッフの荒井清成さん(同・右)。ともに『Äta』の料理人だ。

まわるアナログレコードを聞きながら、東京・恵比寿発祥のフレンチ系スパイスカレーを楽しもう。スプーンを自由に動かしながら。

【メニュー】
Curry W 900円
Chicken Curry 800円
Keema Curry 800円
Shrimp Curry 800円
Curry Pan 380円
Curry Pan plate 800円(14時〜)
ビール 500円
※価格は税込

GOOD LUCK CURRY(グッド ラック カレー)

住所
〒150-0011 東京都渋谷区東3-21-1 aTIMONT Ebis2F
電話番号
03-3407-9630
営業時間
11:30〜20:00
定休日
日曜
公式サイト
https://www.instagram.com/p/BUQeLnRgU6a/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。