「トリュフパスタ、赤ワイン、レッドツェッペリン」だけしかない、究極のこだわりレストラン『OUT』

2017年08月17日
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「トリュフパスタ、赤ワイン、レッドツェッペリン」だけしかない、究極のこだわりレストラン『OUT』
Summary
1.「One Dish」「One Wine」「One Artist」のコンセプトを掲げるレストラン『OUT』
2.料理は「トリュフをつかったフレッシュパスタ」のみ。ワインも一銘柄、音楽はレッド・ツェッペリンのみ
3.極上トリュフをカジュアルに楽しめる世界初の新感覚レストラン

2017年7月1日に渋谷駅から徒歩10分ほどの場所に、とあるコンセプチュアルレストランがオープンした。「One dish. One wine. One artist.(ひとつの料理、ひとつのワイン、ひとつの音楽)」という前代未聞のコンセプトを掲げ、その洗練さと潔さとで注目を集めている。

オーナーはオーストラリア人の3名。オーストラリア・メルボルンで複数の人気レストランを経営するデビッド・マッキントッシュ氏、「ゼルダの伝説」 などのヒット作を手がけたゲーム開発会社『タンタラス』の CEOトム・クレイゴ氏、そしてトム氏の妹で、『OUT』 を切り盛りするフードコンサルタントのセーラ・クレイゴ氏だ。

「初めてこのコンセプトで店を開きたいと聞いた時は、冗談だと思いました」と、セーラ・クレイゴ氏(写真上)は振り返る。

ホームパーティから生まれた斬新すぎるコンセプト、実現までに2年を費やす

発端は、ホームパーティでのひとコマ。デビッド氏が料理を担当し、トム氏がワインを厳選し、60年代から70年代の音楽をかけてパーティを楽しんでいた。その時に振る舞ったのがオーストラリア産のトリュフと卵を使ったシンプルなフレッシュパスタで、ワインには力強い「バローロ」を合わせた。

そこに、レッドツェペリンのアルバム「LED ZEPPELIN II」をかけたところ、言いようもない高揚感に包まれたという。この三位一体感をすべての人と共有したいという思いが、『OUT』を作るきかっけとなった。

この2人の体験を2年の歳月をかけて実現させたのが、セーラ氏だった。イタリアのガストロノミック・サイエンス大学でフードマーケティングや食を通したコミュニケーションなどについて学び、修士課程を修了した。

卒業後は、フードジャーナリストとして活躍し、ロンドンでは『スプリング』という「ミシュランガイド」で星に輝いたシェフのレストランをプロデュース。日刊紙「ジャパン タイムズ」の特集記事やコラムを執筆し、雑誌「タイムアウト東京」や「メトロポリス」にもレストランと食文化に関する記事を寄稿している。

職人文化が根付いた東京なら料理1本だけでイケると思った!

▲U字のカウンターで、トリュフとシェフを囲む

「日本へ訪れたときに、日本以外で『OUT』を実現できる場所はないと思いました。寿司屋のような職人文化が根付いていますし、専門店という業態が受け入れられやすいと思ったからです」(セーラ氏)

ロケーションにもこだわり、カルチャーの発信地である渋谷とファッショナブルな人々が集まる青山、クリエイティブで自由な六本木、それぞれの中間地点に店を構えた。

さらにユニークなのは、食券機を導入している点だ。使い慣れているはずの我々でも、手の込んだパスタやボトルワインを食券機で購入できることは、非常に遊び心をくすぐられるものだ。

料理は「トリュフをつかったフレッシュパスタ」のみという潔さ!

こちらが「トリュフをつかったフレッシュパスタ」(写真上)。イタリア・ピエモンテ州発祥の「タリオリーニ」がオリジナルという珠玉の一皿だ。

イタリア産のオーガニックの小麦粉と山梨県産の卵でつくった打ち立ての生パスタ150gに北海道産のバター、シーズンベストのトリュフの産地にあわせて今はオーストラリア産のオリーブオイル、そして少量のパルミジャーノチーズを絡め、その上にトリュフ5gが降りかかる。

特に惚れ込んでいるのが、パスタに使用しているオーガニック小麦粉だ。イタリア・ピエモンテに住んでいた時に知ったもので、OUT出店時には、現地の製粉所に日本での取り扱いを直接確認したほど惚れ込んだ逸品だ。

トリュフを気軽に食べてもらう!それが『OUT』の使命だ

どれも主役級の食材ばかりだが、このパスタのメインはやっぱりトリュフ。高級食材ゆえに、縁遠く感じる人も少なくないが、トリュフに対して純粋な印象を持ち、トリュフはありがたがって食べるものという先入観を消すことが、『OUT』の使命でもあるとセーラ氏は話す。

2017年7月現在、使用している黒トリュフは「テラプレタ・トリュフ」(写真上)。オーストラリアのニューサウスウェールズ州ブレードウッドで採れたものだ。

農場主からのコメントやトリュフを見つけたラブラドール犬の名前なども公開し、生産者や産地に対して、造詣を深めることもできる。素材が料理となり、我々の口の中へ運ばれるその時までのストーリーが紡がれるのだ。

ワインはトリュフと産地をマッチングさせたものをチョイス。それがオーストラリアビクトリア州ジーロング で醸造され、日本向けにボトリングされたビトウィーン・ファイブ・ベルズの「JAPAN2014」だ。

シラーズ種80%にネロダヴォラ5%、ネッビオーロ5%、ピノムニエ4%、ピノグリ2%、リースリング2%、シャルドネ2%という驚きのセパージュのナチュラルワインである。ブティックワイナリーによる特別なワインで、もともと限られたボトル数の入荷ゆえ、このワイン一杯を求めて足を運ぶ価値も十分ある。

また、次のキュレーションワインとして、バローロと同じく、ネッビオーロを主体としたオーストラリア産ワインも近々入荷される予定だ。

お皿がきれいになるまで、パスタ、ワイン、Zepに夢中になれば良い

照明をぐっと落とした空間で、トリュフたっぷりのパスタをスポットライトが照らす。パスタとの一対一のタイトルマッチのように全神経が研ぎ澄まされる。芳醇なトリュフと華やかなオリーブオイルの香りに酔いしれ、舌でバターとパルミジャーノのリッチなコクを絡め取る。

コンフィチュールのように果汁味あふれるワインを含むと、重厚なドラミングと色気のあるハスキーボイスが耳に入り込んでくる。この未知なる一体感、かなりイカしている。まるで映画のワンシーンのような鮮烈な体験だ。

料理はパスタしかなく、赤ワインも一銘柄、しかも音楽はレッド・ツェッペリンだけ。他でも替えがきくのではないか? と、きっと多くの人が疑問に思うはずだ。なぜ、ビートルズやセックスピストルズではだめなのか、と。

セーラ氏はこの問いに対して、「世の中にはなぜを聞かないことがベストな時もあります」と微笑む。続けて、「食材、ポーション、空間、音楽とすべてに神経をとがらせ、完璧にキュレーションしています。オーナーらが体験した『Moment(特別な瞬間)』をみなさまと共有したい」と自信を覗かせた。

トリュフを初めて食べる若者や食べ慣れている食通にも、刺激的な食体験を約束してくれるはずだ。

【メニュー】
トリュフをつかったフレッシュパスタと赤ワインのセット 4,000円
トリュフをつかったフレッシュパスタ 2,900円
フレッシュパスタの追加(パスタ 150g) 600 円
トリュフの追加(3g) 1,500円

※ワインのみの注文も可能
赤ワイン・ボトル(その時のパスタにベストマッチの赤ワイン 1銘柄をセレクト) 6,100円
赤ワイン・グラス(その時のパスタにベストマッチの赤ワイン 1銘柄をセレクト) 1,300円
ハウスシャンパン(Pol Roger Brut Réserve|ポル・ロジェ・ブリュット・レゼルブ)ボトル 9,500円
ハウスシャンパン(Pol Roger Brut Réserve|ポル・ロジェ・ブリュット・レゼルブ)グラス 1,400円
※価格は税込

OUT(アウト)

住所
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷 2-7-14 Vort青山103
営業時間
18:00〜翌2:00
定休日
月曜
公式サイト
http://www.out.restaurant/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。