このクオリティでこの価格!? 毎日でも通いたい「お手頃フレンチ」が神楽坂に誕生

2017年09月17日
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このクオリティでこの価格!? 毎日でも通いたい「お手頃フレンチ」が神楽坂に誕生
Summary
1. 美食家の舌を唸らせる、コスパ最高のビストロが神楽坂に誕生
2. 古典的なフランス料理へのオマージュを込めた居酒屋メニューとは
3. 「肩肘はらずに楽しんで!」店を切り盛りするのは、チャーミングな新婚夫婦

食いしんぼうが夜な夜な集う、小さなビストロ

神楽坂の飲食店街から少し離れた静寂な路地裏。大きな木目の扉の前には、ロードバイクが2台仲良さそうに寄り添っている。2017年7月12日にオープンしたばかりの『BOLT au crieur de vin(ボルト オー・クリヨー・ド・ヴァン)』は、食通たちの間で早くも話題となっているビストロだ。

オーナーシェフを務める仲田高広(なかだ たかひろ)さんは料理学校を卒業後、肉料理の聖地、銀座『マルディグラ』や正統派フレンチの名店、四谷『レスプリ・ミタニ ア ゲタリ』で修業し、渡仏。

「その頃のフランスは“ビストロノミー”ブームの真っ只中。気軽でおいしいビストロとの出逢いに感動した日のことは、今でも忘れられません。『ボルト』のコンセプトは、20代の若い方から僕と同世代、40代のバリバリ働いている方々が、自分のお金でも週に2〜3回くらい通えるお店!フレンチをよく知らない人でも普段使いできる店を作りたかったんです」と仲田さん。


そのため『ボルト』にはコースメニューがなく、1,000円前後から楽しめるアラカルトが豊富に揃っている。その中から特に人気のメニュー4品を紹介しよう。

フレンチのエスプリを感じる、日本の家庭料理とは

内臓系が得意と言う仲田シェフのおすすめが「ごぼうとロニョン・ド・ヴォーの温きんぴら」。きび砂糖と酢をカラメル状に煮詰めたソースをごぼうと絡めて、土壌由来のミネラル感が豊かなロワール地方の赤ワインと一緒に炊きあげる。最後に加えられた赤ワインビネガーの酸が、噛むほどにごぼうからにじみでる。ナイフをいれるとロゼ色の妖艶なロニョン・ド・ヴォーは、まるでこんにゃくのようなプリッと優しい食感。ごぼうは厚めにカットされ、シャキッとした歯ごたえがより際立っている。

「ロニョン・ド・ヴォーとはフランス語で仔牛の腎臓です。古き良きビストロではよく使われているのですが、日本ではまだなじみの薄い食材のひとつ。食べやすく調理して、おいしいものだと知ってもらいたいですね!」と仲田さん。

きんぴらという名の通り、どこか懐かしいのは奥に潜む醤油の香りのせい。さらにバターやコニャックの優雅な香りによって品を漂わす。

香ばしいチーズトーストに、美しく舞うトリュフをのせて

続いて「サマートリュフのチーズトースト」(写真上)。京都の『吉田パン工房』から取り寄せているパン・ド・カンパーニュに、薄茶色のトリュフがはらはらと舞う。ラクレットチーズの独特な香りに負けないよう、サマートリュフはトリュフオイルでこっそりと風味付けされている。

時々感じるミネラルの正体は、ピラミッド型のマルドンソルト。砕ける食感と官能的な香りは、身体中の神経を刺激する。

メインの肉料理はフランス・シストロン産の「シストロンラム」(写真上)。ラム肉はロゼ色に仕上げるのではなく、ゼラチン質の多い骨の際までしっかりとウェルダンに火入れした方がおいしくなる、と仲田さんは言う。それでいて想像以上にしっとりやわらかいから驚きだ。水分を抜かないように筋のみ焼き切られたバラ肉は、仔牛のようにミルキーな甘みを感じる。

濃厚なラムの脂に寄り添うのは、ローストされたバイマックル(コブミカンの葉)とレモングラス。柑橘とハーブの清涼感をまとって清らかに香る。

〆の一品には「スープ・ド・ポワソン・カレー」を

〆には、一口サイズから大盛りまで、お腹の具合に合わせて調整してくれる「スープ・ド・ポワソン・カレー」(写真上)を味わってみてほしい。

ニースやノルマンディ地方では、スープに甲殻類のだしが入っているのが定番。だが『ボルト』では白身魚だけを使い、マルセイユ風に仕立てられている。

「焦げ目がつくほどまでしっかり焼いて水分を抜いてあげれば、魚の皮や骨から香ばしさやうまみがグッと引きだされるんですよ。魚って、エビやカニをエサとして食べて育ってるでしょ」と仲田さん。わずか10分ほどでとれる魚のアラのだしも、豚骨スープのように骨が柔らかくなるまで、スパイスと一緒に6〜7時間ほど煮込むと言う。

とろみがかった滑らかなスープは、一口啜ると魚のうまみが力強く押し寄せてくる。スープ・ド・ポワソンが完成した後、クミンやコリアンダーなどスパイスを加えてカレーへ変身する。添えられているのは、チキンブイヨンとローリエ、バターで炊いたジャスミンライス。穀物の香ばしい風味が特徴の米と魚のスープは、胃袋を鷲掴みにする最強の組み合わせだ。

夫人にたずねてみよう、今宵の一杯

料理に合わせる酒は、ナチュラルワインをメインに日本酒や珍しい焼酎まで、80種類以上と豊富なラインナップ。数ある中から好みに合ったベストな飲み方を教えてくれる。さっそく、静香夫人イチ押しの酒をうかがった。

右から、「萬膳(まんぜん)」。仲田夫妻が出逢った居酒屋で知ったという芋焼酎は、甘い芋の香りが漂い味わい豊か。シェフの地元である東京都・東大和市近くで作られている「おくのかみ 屋守(やもり)」は、米のうまみがどっしりとした印象。どろっとした果実味が濃厚な「鳳凰美田 ゆず酒」は、柑橘の苦味や渋みをしっかりと感じて甘すぎないから料理とも相性がよい。「BEAUJOLAIS-VILLAGES(ボージョレ・ヴィラージュ)」は、開けてからの変化が楽しい赤ワイン、と静香夫人。

オーストリアの「Gelb(ゲルプ)」は、ブドウの皮と種も一緒に漬け込んで作られた“オレンジワイン”。白桃を凝縮したように果実味が強く、徐々にミネラル感が増していく。フルーティでエレガントな「CHAPEAU MELON(シャポー・ムロン)」は、メロンのように濃厚で丸みのある甘さが特徴の白ワイン。いつでもお客目線でもてなしてくれる静香夫人に、今日の料理と酒を委ねるお客も多い。

シェフの原点は、人気グルメ漫画『美味しんぼ』にあった

遊び心溢れるエッセンスを料理に加えるようになったきっかけは、“オーストラリア”にあるそうだ。「料理人を目指したきっかけは、『美味しんぼ』なんです。フランスから帰国した後、オーストラリアへ行ったのも、実は『美味しんぼ』の影響(笑)。作者の雁屋哲(かりやてつ)さんがシドニーに住んでいたこともあって、オーストラリアを題材とした内容が多く、小さい頃から憧れていました。

フレンチだけでなく、フュージョン料理やカフェ、和食とタパスのお店で働いたり、マカダミアやレモン農園にいたこともあります。オーストラリアのミックスカルチャーから、ベースがきちんとしていれば何でもできる、という刺激をもらいました」。(仲田シェフ)

帰国してから開業までの間に、幸運にも最後の大切なピースを手にいれる。常連として通っている居酒屋『まるしげ夢葉家(むようや)』を手伝っているとき、そこで働くチャーミングな静香夫人と出逢い、結婚。居心地のよい店を切り盛りする仲田夫妻が大切にしているのは、“抜け感”だと言う。

カフェのよう優しい外観も、どこか懐かしいきんぴらも、肩肘張らずに料理や酒を楽しんでもらいたいという心遣いなのだ。もちろん、ここは居酒屋ではなくビストロ。「例えばハムカツは、イタリア産・モルタデッラのハムを使ったり。気の知れたメニューの中にもフレンチの技術が隠れています」。仲田シェフの卓越した腕前をベースに、寄り添う夫婦の微笑ましい愛情とフレンチのエスプリが、食いしんぼうを夢中にさせる。

【メニュー】
サマートリュフのチーズトースト 1,700円
ごぼうとロニョン・ド・ヴォーの温きんぴら 1,600円
シストロンラム 3,500円
スープ・ド・ポワソンカレー 1,000円
赤ワイン 600円~
白ワイン 600円~
日本酒 650円~
※価格は全て税込、テーブルチャージ300円

BOLT au crieur de vin (ボルト オー・クリヨー・ド・ヴァン)

住所
〒162-0833 東京都新宿区箪笥町27 神楽坂佐藤ビル1階
電話番号
03-5579-8740
営業時間
17:00~24:00
定休日
月曜、第2第4火曜

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。