ピクルスでブルックリンから世界へ『ブルックリン・ブライン&ダイン』

【連載】NYスタイル、進行形  世界最新の食トレンドを生み出し続ける、ニューヨーク。日々新しいスタイルが提案されるこの街で、生き残るのは至難の技。そんなニューヨークのトレンドに敏感な街の「賢人」の琴線に触れた店とは?

2017年10月21日
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ピクルスでブルックリンから世界へ『ブルックリン・ブライン&ダイン』
Summary
1.本拠地ブルックリンに、健康志向のピクルスを扱うカフェがオープン
2.ディルと"秘密のソース“でいただく「ピクルスフライ」
3.世界の数百箇所に卸されるブルックリン産ピクルス

こだわりのピクルスを使った軽食を楽しめるカフェ

アメリカでピクルスといえば、大きなキュウリのピクルスがハンバーガーやホットドックに添えられているのが典型的だ。しかし健康志向に伴い、素材やつくり方によりこだわったピクルスが登場し、用途のバリエーションも増えている。

その中でも、ブルックリン発のピクルス「ブルックリン・ブライン」は、ニューヨークの店やレストランのみならず、海外にも輸出。日本でも最近扱うレストランが出てきたピクルスブランドだ。本拠地のブルックリンでは、小さなカフェ『ブルックリン・ブライン&ダイン』もオープン! ピクルスを使った軽食もおいしく、「酢漬け」の裾野が広いことを感じさせてくれる。

『ブルックリン・ブライン』が創業したのは2009年。料理アート業界にいたシェイマス・ジョーンズは、09年にレイオフされたのをきっかけに、ブルックリンでアルチザン的フードメーカーをやろうと決意した。最初は夜11時から朝5時まで、閉店中のレストランの厨房を借りてピクルスを生産。現在のロケーション、インダストリーシティに移ってきたのは2年前だ。インダストリーシティは、ブルックリンの南部にあるサンセットシティで進められている再開発プロジェクトで、ものづくりを基幹にしたエコシステム。インダストリーシティのオーナー兼投資家は、マンハッタンのチェルシーマーケットのオーナー兼投資家でもある。

インダストリーシティに入居している飲食店はどこも工場を隣接し、生産している様子をガラス張りで見せている。どこでどのようにモノがつくられているか、ものづくりのストーリーと透明性、そして地産地消に関心をもつ消費者は多い。今夏初めにオープンしたカフェの『ブルックリン・ブライン&ダイン』もオープンキッチン。ピクルスの瓶が並ぶ向こう側はガラス張りで、奥の工場を覗き見ることができる。

『ブルックリン・ブライン&ダイン』の人気メニュー

『ブルックリン・ブライン&ダイン』でつくっているピクルスはすべて、ニューヨークの北部で生産されたアップルサイダービネガーを使い、それに新鮮なディルなどを加えていく。あとはハバネロ、バーボン、メープルシロップなどで味に変化をつける。

カフェで特に人気のあるメニューは「ピクルスのフライ」(写真上)。ビール入りの衣をつけてこんがりと揚げ、生のディルがかかっていて、“秘密のソース”がついてくる。なかなかおいしい。

ベトナム風サンドイッチ「バインミー」(写真上)も人気メニューの1つだ。豆腐、キムチ、ニンジンの酢漬け、パクチー入りのアイオリソースが入っている。サンドイッチの中に複数の酢漬けが入っている上に、ニンニクの芽やカブの酢漬けが付いてきて、ピクルスの世界を十分楽しめる。

カフェや店に卸売りしているピクルスはキュウリのみだ。キュウリはフロリダとミシガンから手配し、最も人気があるのはクラシックなディル入りのピクルス「NYCデリ」。ウイスキーを入れてブロンズ色にした「ウイスキーサワーピクルス」、激辛の「ダム・スパイシー」も売れている。卸売り先は、ニューヨークのレストランやヤンキースタジアム、日本の『東京アメリカンクラブ』や「TYハーバーグループ」のレストランと『エルカフェ』に加え、オーストラリア、フランス、イギリス、南アフリカ共和国など数百件にのぼる。ピーク時は、8人の従業員が週に15,000瓶のピクルスを生産しているという。

【メニュー】
ピクルスのフライ $6.00(サンドイッチの付け合わせでオーダーした場合は$3.00)
バインミー $8.00

Brooklyn Brine & Dine(ブルックリン・ブライン&ダイン)

住所
67 35th Street Brooklyn, NY 11232
電話番号
877-219-0256
営業時間
月~金11:00~17:00
定休日
土・日
公式サイト
http://www.brooklynbrine.com/about/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。