デザートはなんと「お菓子の船」! 味覚のサプライズに驚きが止まらない、極上のフレンチが誕生

2018年01月24日
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デザートはなんと「お菓子の船」! 味覚のサプライズに驚きが止まらない、極上のフレンチが誕生
Summary
1.有名ホテル出身シェフが、故郷のしまなみに特化したモダンフレンチをオープン
2.さまざまな料理コンクールにて多数受賞歴のある、若き実力派シェフ
3.産地直送の希少な食材とのマリアージュ。サプライズに満ちた、五感で楽しむフランス料理

しまなみの食材を独創的にアレンジ。 魅惑のモダンフレンチがオープン

瀬戸内海を挟んだ広島県尾道市と愛媛県今治市を結び、風光明媚な瀬戸内の島々を颯爽と通り抜けていく全長約60kmのしまなみ海道。この界隈は温暖な気候で知られており、瀬戸内の鮮魚はもちろん、柑橘類やオリーブの名産地としてもよく知られている。このしまなみの食材を、シェフが独創的にアレンジするメニューが魅力のモダンフレンチレストランが、2017 年11月26日、大阪・天神橋にオープンした。

直線の長さが日本一と謳われる大阪の下町・天神橋筋商店街の裏通り。隠れ家のようなお店が軒を連ねるエリアに、『しまなみふれんち Murakami』はある。コンクリートの壁に木製の格子があしらわれた外観は割烹さながらだ。

「高級店が揃う北新地ではなくこの場所で、気軽に足を運んでいただき、お客様の声をダイレクトに聞ける割烹スタイルの店を始めたかったんです」とオーナーシェフ・村上智彦さんは言う。生まれ故郷である愛媛県の地形にトリコロールカラーをあしらったロゴが印象的な看板は、愛媛県今治市の菊間地区の特産品である、『かわらや菊貞』の職人、小泉信三氏にオーダーしたものだ。

夜はじっくり客と向き合い、一期一会のコースを組み立てる

白とブラウンでシックにまとめられた店内は、檜のカウンター8席、テーブル14席と少し広めの造り。しかし、要予約でおまかせコースのみのディナータイムは、、完全予約制で瀬戸内の食材を加えたおまかせ料理8~10品。カウンターだけでじっくりお客と向き合い、それぞれの要望を聞きながら共にコースを作り上げていくという。

目をひくのは、艶やかな光沢を放つ檜のカウンター。そして、その上に並ぶ黄金のウェルカムプレートにセッティングされた、今治タオルのナフキン(写真上)だ。しまなみの特産品として全国的に知られるこのタオルは吸水性が高く、肌触りも抜群。その心地良さから、ひざ掛け替わりとして使うゲストもいるのだとか。今治タオルのほかにも、壁面にあしらわれた、看板と同じ瓦職人・小泉信三氏によるタイルや箸置きなど、さりげなくしまなみの特色が散りばめられていて、それらを見つけていくのもまた楽しい。

オーナーシェフを務める村上智彦さん(写真上)は、愛媛県今治市の伯方島出身。「リーガロイヤルホテル大阪」に13年務め、今はなき自然派フレンチレストラン『ナチュラルガーデン』とグランドメゾン『レストラン シャンボール』で腕を磨き、数々の料理コンクールにて入賞歴も持つ若き実力派。

その後独立を考え、「自分にしかできないフランス料理を提供したい」という想いが強くなった時に、真っ先に浮かんだのは農業、水産業が衰退する故郷の島々のこと。そこで、「故郷の食材に特化して提供することで自分らしさを表現し、故郷も応援することができる店を作ろう」と決心したのだそう。

開店前、故郷しまなみに戻ったシェフは、自分の足で食材を探し歩き、また時には県の力も借りて、仕入れルートの確保へ乗り出す。そして無農薬で栽培する農園大三島無農薬有機農家『のむら 農園』のこだわり直送野菜や柑橘類、瀬戸内の漁師から直接仕入れる魚介、愛媛県の岩城島で、レモンを食べて育つ「レモンポーク」や伊予牛など、季節や天候により波はあるものの、関西ではなかなか味わえないしまなみグルメの収集に成功した。

インパクトたっぷりのCMで有名な「伯方の塩」も、シェフの故郷である伯方島の特産品。化学薬品を使わず、自然乾燥でじっくり作ることで生まれる自然なうまみと辛さは、この店の味の全ての基調となっている。

ではさっそく、しまなみの食材を中心に使った夜のおまかせコースを紹介しよう。

“食材の色合わせ”など、シェフの感性が光るアペリティフ

コースは基本冷前菜3皿、温前菜2皿、メイン、お口直し、メイン2皿目、グランデセール、焼き菓子付きのコーヒー又は紅茶の約10品ほど。

まずは冷前菜の愛媛県産塩水ウニと柿を使ったワンスプーンのアペリティフ(写真上)。ウニと柿とは一見意外な組み合わせだが、「同じ色の食材を合わせるのが好きなんですよね」と村上シェフは話す。スプーンの底に柿のピューレが敷かれ、そこに生柿とウニが乗ったシンプルな一品は口にすると、柿の甘みと海の塩気が口の中にふわりと広がり、まろやかなハーモニーを奏でる。

続いてグラス仕立てで登場するのは、ワタリガニとパイを使った冷前菜(写真上)。自然豊かな大三島で、野菜をたっぷり食べて育つ味わいの濃い「野草卵」をボイルしてマヨネーズで和えたものと、ブロッコリー、トマトをカラフルに層にしたトップにワタリガニを敷き、キャビアをサンドした小さなパイを飾った見た目にも愛らしい一品。

サクサクのパイの食感、ブロッコリーの固さとほのかな甘さ、プチプチのキャビアの塩気、卵とワタリガニのうまみなど、それぞれに味わいも食感も異なる素材たちを、一つひとつ食べ比べたり、共に味わったりと、変化をつけて味わえるのもうれしい。

同じ食材を違う調理法で、時に部位も変えて驚きを届ける

この日のメインは、シェフのスペシャリテ「レモンポークのロースト 牛蒡のソース ポルチーニ茸のキャラメルと共に」(写真上)。先にもご紹介した「レモンポーク」は、餌に加わるレモンが豚の整腸作用につながり、臭みがほとんどない、脂身、うまみ、柔らかさを持つブランド豚である。飼育頭数が限られており、産地の愛媛県周辺にしか流通していないという貴重な食材だ。

早速皿に顔を近づけてみると、土を想わせるごぼうの香りと、キャラメリゼしたポルチーニの甘く芳しい香りが鼻をくすぐる。たまらず肉厚なレモンポークを口にしてみると、リッチな脂がたっぷり乗っており、ジューシーながらも驚くほど軽く上品。そのうまみを、ごぼうの滋味とポルチーニの風味、キャラメルの甘みが色鮮やかに混ざり合って引き立てる。周囲には、しまなみ産直の日野菜や冬瓜が寄り添う。これらを2種のソースに合わせ、マリアージュを楽しむのもまた一興だ。

ちなみにレモンポークを別の皿では自家製ベーコンとして提供するなど、同じ食材でも、調理法、時に部位を変えてお客に味覚のサプライズを届けるのも、シェフの愉しみなのだとか。

グランデセールは「しまなみレモン」(写真上)。皮が濃い緑色のレモンが名産で、“青いレモンの島”と呼ばれるという愛媛県岩城島をイメージした一皿だ。よく見ると、非常に薄い飴細工でレモンが形づくられており、その中に岩城島レモンを使ったクリームと、ホワイトチョコレートのムース、クッキー生地が詰め込まれている。飴をパリパリとスプーンで割り、ひとさじすくってみると、キリッとしたレモンの酸っぱさとホワイトチョコのミルキーな甘さ、そしてクッキーのサクサク食感が同時に口の中で広がる。甘酸っぱい共演を奏でる一品は、底に敷かれたブラックチョコレートの苦みもアクセントとなり、満腹でもつい一気に食べ終えてしまう。

デザートを食べ終え、食後のコーヒーで締めくくり…と思いきや、コーヒーと一緒にやって来たのがこの見事な帆船。船の中には、クッキー、フィナンシェ、マドレーヌ、アーモンドチョコがたっぷりのった、お菓子の家ならぬ“お菓子の船” (写真上)。

実は村上シェフは、1,500年頃から瀬戸内海で“海賊”と恐れられた村上水軍の末裔かも知れないそうで、お客との会話のきっかけになればとこの趣向を思いついたのだそう。こちらの焼き菓子も先ほどのグランデセールも、パティシエの茶園優樹さんの手によるもので、茶園さんも、広島県の大崎上島という瀬戸内海にある離島の出身。村上シェフと同じ「リーガロイヤルホテル」をはじめ、数々のホテルや東京の名ショコラトリー『テオブロマ』での経験と技術が生きる繊細なスイーツの数々は、この店のもう1つの魅力に他ならない。

店名の通り、しまなみ街道の魅力をギュッと詰め込んだ『しまなみふれんちMurakami』。産地直送のしまなみの旬食材を贅沢に使い、さらに変幻自在のメニューの数々は、すでに関西の食通の間で話題になっている。
仏産を中心にボルドーやメルローなど基本を押さえたワインも揃っており、時には料理に合わせてメニューにない隠しワインが登場することもある。おだやかな笑顔の村上シェフとのカウンターを挟んだ会話も、名スパイス。予約が取れる今のうちに、ぜひ訪れてみてはいかがだろうか。

【メニュー】
昼 ランチセット(前菜、スープ、魚または肉料理)  1,000円
夜 おまかせディナーコース 約10皿(日により変動あり)  10,000円
※価格はすべて税抜

しまなみふれんちMurakami

住所
〒530-0041 大阪府大阪市北区天神橋-13-15 大阪グリーン会館102
電話番号
06-6809-2820
営業時間
11:30~14:00(L.O.13:30)、18:00~23:00(L.O.21:00)
定休日
不定休
公式サイト
https://www.facebook.com/shimanamifurenchmurakami/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。