摘みたて野菜を調理!NYで「ファーム・トゥ・テーブル」が人気のモダンアメリカン『Olmsted』

【連載】NYスタイル、進行形  世界最新の食トレンドを生み出し続ける、ニューヨーク。日々新しいスタイルが提案されるこの街で、生き残るのは至難の技。そんなニューヨークのトレンドに敏感な街の「賢人」の琴線に触れた店とは?

2018年03月04日
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摘みたて野菜を調理!NYで「ファーム・トゥ・テーブル」が人気のモダンアメリカン『Olmsted』
Summary
1.地元野菜をテーブルへ。“ファーム・トゥ・テーブル”を、超近距離で実践する店
2.一番人気はケールと蟹の入った「揚げ餃子」
3.なごみ気分最高潮になる、ガーデンでのデザートタイム

レストラン奥の畑で育てた野菜を料理

シェフ兼オーナーのグレッグ・バクストロム氏は、ニューヨーク郊外ウエストチェスターにある農場『ストーンバーンズ』内の高級レストラン『ブルーヒル』や、高級フレンチレストランの『パ・セ』などで経験を積んだ。そして2016年5月、ブルックリン美術館及びブルックリン植物園のすぐ北に、自身の初のレストラン『Olmsted(オルムステッド)』をオープンした。

プロスペクトハイツと呼ばれる地区で、小洒落た花屋さんやビンテージショップと昔ながらの製法でつくったベーグルを売る店が混在し、閑静な住宅地が広がる。マンハッタンのダウンタウンからは、20~30分で着くエリアだ。

レストランの奥にはガーデンがあり、左半分は25席のシーティングエリア、右半分は畑になっている。

畑ではアスパラガス、グリーンピース、ラディッシュ、タマネギ、ゼンマイ、ゴボウ、菊芋、ショウガ、セージ、タイム、バジリコ、ラベンダーなど、様々な野菜とハーブが育てられている。もちろん、その畑でつくれないものは地元の農家などから手配しているのだが、「ファーム・トゥ・テーブル」をこれだけ近距離で実践しているレストランは、都心では稀だ。

マルチカルチャーの影響滲ませる創作料理

フードカテゴリーは「モダンアメリカン」だが、茶碗蒸しやブイヤベースなどいろいろなカルチャーの料理を取り入れ、それをお洒落にアレンジしている。

一番人気のある「ケールと蟹のラングーン 甘酢ソース添え」(写真上)は、チャイニーズレストランを思わせる紙箱に入れられてくる。紙箱の中を覗くと、きれいにつくられた揚げ餃子が目に入る。ソースの赤さも、いかにもチャイニーズという感じだ。チャイニーズレストランで出てくるのと同じ箸も渡される。しかし食べてみると、他では味わえない、なかなかおいしい「ケール入り揚げ餃子」だ。人気があることに納得がいく。

リトルネッククラム(アサリのような貝)とひまわりの種が入った「ニンジンのクレープ」(写真上)も、人気が高い。ニンジンが入ったクレープ生地は、優しいきれいな色が印象的。ニンジンジュースとクラムジュースとバターのみでつくったソースが、非常においしい。

たっぷりした量で食べごたえのある「茶わん蒸し」(写真上)。赤味噌が入っているせいか、味はやや濃いめ。

そしてメインの魚料理「Dave's Trout」(写真上)。鱒の上にクレソンとシイタケがのり、クラブアップルというリンゴを使ったソースをしいている、見た目にも美しい1品。

まったりと、デザートをいただけるガーデン

デザートの時間になると、ガーデンへの移動を促された。そこでは皆、「スモア」を食べている。マシュマロとチョコレート、クラッカー、スティックが用意され、炭の入った器が運ばれてくる。

お客はスティックにマシュマロを刺し、炭にかざして焼き、柔らかくなったらチョコレートと共にクラッカーに挟んで食べる。アメリカでは伝統的なおやつで、キャンプファイヤーでやったことを懐かしむ人も多いだろう。肌寒い時期は、ひざ掛けが用意されている。カップルが多く、1枚のひざ掛けを2人で掛けて、肩を寄せながらスモアを食べたら、2人の距離もぐんと近くなるかも!?女性の3人連れも、楽しそうに「スモア」を食べている。

デザートで一番人気があるという「フローズンヨーグルト」(写真上)も試してみた。ラベンダーの花が飾られた可憐な一品で、これもおいしかった。『オルムステッド』は客席数50とこじんまりしているが、デザートを食べるお客をガーデンに移動させることで、新しく来たお客をレストランに座らせることができる。ガーデンに移動したお客は、同じレストランの中にいながら異なる環境を体験できる。『ブルーヒル』からヒントを得たのかもしれないが、いいアイデアといえるだろう。

『オルムステッド』はレストラン情報オンラインメディアの「イーター」から2016年、「フード&ワイン」誌からは2017年に、それぞれ「レストラン・オブ・ザ・イヤー」賞を受賞。ニューヨークタイムズからは「2016年の10のベストレストラン」に選ばれるなど、オープン早々高い評価を得ている。

そしてオープン以来、利益の5%をニューヨーク市の環境向上を目的とした団体『GrowNYC』に寄付している。同団体がファーマーズマーケットをサポートし、子供たちのためのプログラムを実施しているからというのがその理由だ。レストランで食事することが、健康的な食生活を社会に浸透させることにつながる仕組みができている。


画像(店内・料理):photo by Evan Sung
画像(ガーデン): 杉本佳子


【メニュー】
ケールと蟹のラングーン 甘酢ソース添え(Kale Crab Rangoon Sweet & Sour Sauce) $15.00
ニンジンのクレープ(Carrot Crepe Little Neck Clams, Sunflower) $16.00
スモア(S'mores) $20.00
フローズンヨーグルト(Frozen Yogurt Lavender Honey) $10.00

Olmsted (オルムステッド)

住所
659 Vanderbilt Avenue, Brooklyn, NY 11238
電話番号
718-552-2610
営業時間
火曜~木曜17:30~23:00、金曜と土曜17:30~24:00、日曜17:30~22:00
定休日
無休
公式サイト
http://www.olmstednyc.com/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。