特別なフレンチが味わえる! 日本のビストロのパイオニア『ル・プティ・トノー』【虎ノ門】

2018年06月01日
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特別なフレンチが味わえる! 日本のビストロのパイオニア『ル・プティ・トノー』【虎ノ門】
Summary
1.在日フランス商工会議所100周年記念イベント! 日本におけるフランス料理の発展に貢献したシェフが贈るスペシャルディナー
2.第2回は、カジュアルフレンチの先駆け、ビストロ『ル・プティ・トノー』
3.日本×フランスの融合を意識した特別料理と、シェフ自らプロデュースするワインのマリアージュに舌鼓

フランス料理の代表格が勢揃い! 2018年4月〜12月まで「今月のフレンチレストラン Dîners Centenaire」開催

開設100周年を迎えたフランス商工会議所が、記念事業として「今月のフレンチレストラン Dîners Centenaire」をスタートした。

2018年4月から12月までのイベント期間中、日本の食文化の発展に貢献した9名のフランス人シェフたちが月に一度、順番に「スペシャルディナー」を提供する。都内にいながらフランスのエスプリを感じることができるまたとない機会だが、予約が取れれば誰でも参加可能。満員御礼となった『シェ・オリビエ』に続き、5月16日に開催された第二回の『ル・プティ・トノー』での様子を詳しくお伝えしよう。

第2回目は、カジュアルフレンチの先駆け、フィリップ・バットン氏のビストロ『ル・プティ・トノー』で開催!

高層ビルがひしめき合う都内有数のビジネス街・虎ノ門の片隅に、新緑溢れる小さなパリがある。木々の影から赤々と煌めくのは『ル・プティ・トノー』の文字。樽上に一杯のワイングラスが描かれたネオンサインが、店名の意を印す。

まずお客を誘うのは、入口に広がる開放的なテラス席。そよ風を浴びながらアペリティフをたしなむ情景を想像するだけで心地よく、本場のムードに酔いしれていく。

オーナーシェフであるフィリップ・バットン氏(写真上)は、16歳の若さで料理の世界に入り、数々のスターシェフに師事。そのうちの一人、フィリップ・グルー氏の誘いを受けて、1986年に来日した。

神戸のフレンチレストラン『ラ・バーグ』で1年ほど料理長を務めた後、フランスへ帰国。その後、英国に渡るも「生まれ育ったパリにあるビストロの雰囲気や料理を味わってもらいたい」という思いから1990年に再び日本へ戻り、2001年に自身初のプロデュースとなる『ル・プティ・トノー』を九段下に開店。親しみやすい空間と価格の手頃さ、カジュアルにフレンチをたしなむスタイルが評判を呼び、2年後には2号店を虎ノ門にオープンさせた。

「私が来日した当時の日本には、まだ本格的なパリのビストロがありませんでした。フランス料理は高価な食べ物で、緊迫した空間のなか肩苦しそうに食事をする……。そんな日本での光景を目の当たりにし“カジュアルにフランス料理を食べられる店”を作ろうと思ったのです」とバットン氏。その思いは、フランス家庭の食卓を象徴する“チェック柄のテーブルクロス”が敷かれた客席からも伝わってくる。

ディナーの前に、今回のテーマである“ビストロ”の語源はご存知か? と、本企画の主催者であり、フランス商工会議所の理事を務めるベルナール・デルマス氏が参加者へ問う。諸説あるが、ロシア人がパリのカジュアルなフレンチレストランで「早く(ロシア語でビストロ)!」と注文を急かしたことから名付けられたと言う。デルマス氏の軽快なトークに知的好奇心がくすぐられたところで、お待ちかねの料理とワインでテーブルが彩られる。

人気のメニューも今宵は特別! 和のうまみが漂うフレンチに大変身

「A votre sante(ア ヴォートル サンテ)!」(フランス語で乾杯)の掛け声とともに、陽気に宴の幕が開く。

乾杯に供されたのは、ロワール地方のスパークリングワイン「クレマン・ド・ロワール・ロゼ・モンムソー」(写真上)。フローラルな香りがお客の心を和ませて、飲めば汗ばむ身体をすっきりと冷ましてくれる。

この日のアミューズは、ひと口でいただく「トマトとバジルの冷たいスープ」(写真上)。

「今日のような暑い日にぴったりですね!」と嬉しそうに微笑みながら、バットン氏自らお客をもてなす。ほのかに甘いバジルの香りとトマトの酸に隠れた、たっぷりのスパイスが舌を襲う。思いがけない辛みがスパークリングワインを取る手を煽り、食欲をかきたてる。

続く前菜は、フランスでポピュラーな牛のタルタルを魚介で仕立てた、同店人気の定番メニュー「マグロと帆立のタルタルフランコジャポネスタイル」(写真上)。

「このひと皿には、日本の食材がたくさん隠れているんです」というバットン氏のアナウンスとともに、夢中で舌を研ぎ澄ませる。

口元に近づけると、鼻腔を抜けて梅の酸や大葉の香りが広がってくる。ほのかな塩味は、醤油で表現し、タルタルに欠かせないツンとした辛みとピクルスは、ワサビと梅干しで演出。ところが噛めば、和の香味は姿を消して、フランスのエスプリが溢れ出す。

「大葉の中にこっそりバジルを混ぜることで、和と洋のバランスをとっているです」と、バットン氏が得意げな顔で種を明かすと、テーブルのあちこちから悔しそうに笑うお客の表情がうかがえる。

決して料理の邪魔をせぬよう、計算し尽くされた「ラングドック・オルティス・バットンセレクション」(写真上)は、バットン氏が手がける南フランス産の白ワインである。

知人のブドウ畑へ足を運び、完成されたワインをブレンドして作る白ワインは、毎年品種を変える徹底ぶり。2016年は、グルナッシュ・ブラン、マカベオ、ヴェルメンティーノ。フレッシュな柑橘の香りとミネラル感が、ワサビや大葉の清涼感や梅の酸をそうっと引き立たせてくれる。

「キノコと海老ソテーのクリームスープ」で心を落ち着かせたところで、バットン氏が幼い頃によく食べていたという仔牛を使ったメインディッシュ「仔牛のローストごま乗せ、ニョッキと小さな野菜」(写真上)が供される。

真空低温調理でじっくりと火入れし、ひと晩寝かせてフライパンでサッと炒めるのがバットン流。仔牛のだしを煮詰めたソースをかけたシンプルで優しい味わいは、幼少時代へのノスタルジーを想起させる。上に散らしたゴマは、自身の好物である日本のゴマ煎餅からヒントを得たもの。しっとりと柔らかいフィレ肉に、芳ばしい香りと食感がアクセントとなって、口内にうまみのハーモニーが響き渡る。

マリアージュに選ばれたのは、再びバットン氏が手がける南フランス産の赤ワイン「ミネルヴォワ・チュリリット・バットンセレクション」(写真上)。

シラー、カリニャン、グルナッシュ・ノワールで構成される赤ワインは、毎年ブレンドの割合が変わる。果実味が力強く、フルボディだけどエレガントな味わいは、ワイン初心者の女性でも飲み干せてしまう。

「溶けるヴァローナチョコレートのタルトとバニラアイスクリーム」(写真上)は、同店でも人気のチョコレートデザートをアレンジ。

「タルトと謳っていますが、実は全てチョコレートムースで作っているんです」とバットン氏が言う通り、調理方法によって2層に仕立てられたムースは、舌の上で束の間の時差を演出し、カカオの濃厚な余韻を残して儚く溶けていく。

「近年では、修業先にフランスのビストロを選ぶ日本人シェフも多いと聞きます。カジュアルにフレンチを楽しめる店が多く生まれた理由は、高級フランス料理だけでなく、本場のビストロの魅力を伝えたい! と腕をふるう日本人シェフが増えたからではないでしょうか。ヨーロッパの中心に位置するフランスの料理は、世界中の食材や調理法が組み合わさって生まれたものだと考えています。世界中の誰もが好んで食べられる料理だからこそ、肩肘張らず食べてもらいたいのです」とバットン氏は語ってくれた。

残りわずか! 3回めの舞台は、『ミシュランガイド東京 2010~2018』の9年連続一つ星に輝くフレンチレストラン『パッション』

さて、次回第3弾は、日本におけるフランス料理のパイオニアとして活躍し続ける名シェフ、アンドレ・パッション氏率いるフレンチレストラン『パッション』にて開催。おしゃれな街の代名詞・代官山の一角で、世界中のVIPの舌をも唸らせる名物「暖炉焼き」をメインに構成されたスペシャルコースが体験できるまたとない機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。席数に限りがあるため、ご予約はお早めに。

【在日フランス商工会議所100周年特別企画】
▼詳細はこちら
https://diners-centenaire.jp/

【次回開催店舗・概要】
店名:レストラン『パッション』
住所:東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスB棟1号
電話:03-3476-5025
日程:2018年6月8日(金)ディナー
料金:25,000円(シャンパン込み)
▼店舗ホームページ
http://www.pachon.co.jp/jpn/pachon/index_main.html

ル・プティ・トノー

住所
〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-1-1 商船三井ビル1F
電話番号
050-3476-3024
営業時間
朝食 8:30〜11:30、ランチ 11:30〜15:00、Tea time 15:00〜18:00、ディナー 18:00〜22:30
定休日
日曜・祝日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/gbxc900/
公式サイト
http://www.petitonneau.com/jp/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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