蒸したて「饅頭」がウマすぎて手が止まらない、本格派の『街角饅頭店 吉祥天』【西荻窪】

2018年11月07日
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蒸したて「饅頭」がウマすぎて手が止まらない、本格派の『街角饅頭店 吉祥天』【西荻窪】
Summary
1.店内で生地から手作り! 西荻窪の『街角饅頭店 吉祥天』は本格派の饅頭店
2.角煮サンドは国産の皮つき豚肉を丁寧に調理。ナッツと高菜がアクセント!
3.タピオカドリンクも絶品! フレッシュなタピオカの食感と黒糖の味わいに驚愕

生地から仕込んだ蒸したての饅頭を街角で頬ばる幸せ! 西荻窪の新名所『街角饅頭店 吉祥天』

個性的な飲食店やギャラリーが建ち並ぶJR中央線・西荻窪駅。駅から徒歩約5分の住宅街の角地に、2018年8月18日、手作り饅頭店『街角饅頭店 吉祥天』がオープンした。

バス通りから一本入った静かな“街角”にひょっこりと現れるこの店。小さいからと侮ってはいけない。毎朝、店内で饅頭の生地を仕込んで蒸し上げる店主は、饅頭へのこだわりと愛にあふれている。

店主の邱任遠(キュウ レンエン)さん(写真上)は台湾出身。小さい頃から親しんできた台湾の饅頭を日本に広めたいと、昔ながらの饅頭作りを実践している。

「老麺」を使った生地、手間ひまかけて作った饅頭はモチモチ、ムチムチ、ツヤツヤ!

邱さんはこの店をオープンするにあたって、おもに果物を原料にした天然酵母をおこし、その天然酵母をもとに、饅頭の発酵種となる「老麺(ラオミェン)」を作った。この「老麺」こそが、饅頭の味わいや食感を左右する重要な要素。今はオリジナルの「老麺」に小麦粉と水を継ぎ足して、絶やさないように大切に使っている。

邱さんが朝、店に来て最初にすることは温度と湿度のチェック。発酵種となる一定量の「老麺」に対し、どれだけの小麦粉と水分を合わせ、饅頭の生地を作るか。強力粉、薄力粉の割合はどう配分するか。おおよその分量は決めているが、その日の温度と湿度によって調整しながら生地を練る。

生地の状態は指で表面を押してみた感覚で判断。ほどよい弾力に仕上がったら圧麺器を使って生地をしっかり延ばし、細かく入った気泡は一つひとつ、手作業で除いていく。

……そうやってできた生地を成形し、発酵させてからせいろで蒸し上げる。

蒸したての饅頭はモッチモチ、ムッチムチ。風味も豊か。見た目も艶やかで張りがある。しかも、フカフカな食感は蒸し上がってから時間が経っても変わらない。これは老麺を使って発酵させているからこそ出せる特徴だ。

邱さんは「手間がかかるし大量生産できないけど、私はなるべく、一から手作りのものをお客様に出したい」と言う。

そんな邱さんの手作りへのこだわりは、饅頭だけでなくこの店のすべてのメニューに反映されている。

看板メニューは「角煮サンド」! 国産の皮つき豚肉を店内で調理

店の看板メニューは「角煮サンド」(写真上)。手作りの饅頭で豚の角煮を挟んだ、食べごたえのあるひと品だ。

この豚の角煮も、もちろん一から手作り。使っている豚肉は国産の皮つきの肉。しかも大きなブロックで仕入れて、店内で切り分けている。

切り分けた肉は表面に軽く焼き色をつけてからしばらく寝かせる。その後、醤油、みりん、砂糖などで甘辛く味つけし、ネギやショウガと一緒に「大同電気釜」(写真上)で2時間ほどじっくり火入れ。最近日本でも人気が出ている「大同電気釜」は、台湾では一家に一台はあるというポピュラーな調理家電。食材を蒸気で加熱するため、湯に入れて茹でたり煮込んだりするよりも食材そのものの味がしっかり残るという。

こだわり抜いた豚の角煮と、ピーナツの粉、細かく切って酢と砂糖で炒めた高菜、フレッシュなパクチーを、このメニューのために薄めに成形した饅頭で挟む。

皮つきの豚肉はうまみが凝縮し、余分な脂は溶けだしてコラーゲンがしっかり残ったプルプルの食感。そこに高菜のシャキシャキ感がアクセントに。角煮の甘辛い風味とピーナツの粉の香ばしさ、パクチーのエキゾチックな香りが調和する。

生地のおいしさを堪能できる北海道牛乳饅頭・黒糖饅頭! シンプルな饅頭に何を挟む?

この店のメニューの中では一見地味な存在のようで、実は邱さんの饅頭のおいしさを一番ダイレクトに味わえるひと品が、シンプルな「北海道牛乳饅頭」(写真下・右)と「黒糖饅頭」(同・左)だ。

この2つのメニューは中に具が入っていない。「北海道牛乳饅頭」は、プレーンな味わい。「黒糖饅頭」は、沖縄県西表島産の濃厚な黒糖の風味が活きた饅頭だ。どちらも、そのまま食べてももちろんおいしいが、「半分に切って、チャーシューでも卵焼きでも、子供さんはジャムなんかを挟んで食べてもおいしいですよ」と邱さん。

残り物のお惣菜や、炒め物などを挟めばオリジナルの饅頭に。ほんのり甘さがある生地はパクチーとの相性が抜群なので、好みでパクチーをプラスするのもいい。冷めてもフカフカな饅頭は、おにぎりや食パンのサンドイッチでマンネリ化してしまったお弁当のラインナップに加えるのも一案。お好みの具を挟んで小さく切り分ければ、パーティーのフィンガーフードにも活用できそうだ。

この秋の新商品は「塩ねぎ花巻」(写真上)。織り込んだ生地がまるで花のような、美しいビジュアルに仕上がっている。これも具は入っていないが、刻んだネギの味わいがきいている。

他に、ソーセージとチーズを巻いた「ソーセージチーズ饅頭」などの饅頭を販売。「肉まんはないの?」と聞くお客も多いが、「今はまだ完成していません。スタッフが饅頭作りをしっかりと覚えてから、いいものを提供したい」と言う。

若いスタッフの中には、料理学校を卒業し、角煮の調理などを担当する松尾啓太さん(写真上・中)、台湾出身の留学生ほか、饅頭作りに意欲のあるメンバーがそろう。今後も、スタッフと話し合いながら新しい饅頭メニューを随時提供していく予定だ。

他店とは一味違うタピオカドリンク! タピオカの食感と黒糖の豊かな風味に驚愕

饅頭と並んでこの店の人気メニューとなっているのは、タピオカの入ったドリンク。タピオカドリンクは昨今日本でブームとなっているが、流行に便乗して出してみた、というような中途半端なものではなく、ここでも邱さんの手作りへのこだわりが顔を出す。

一番のおすすめは「黒蜜タピオカミルク」(写真上)。

台湾から仕入れた大粒の乾燥ブラックタピオカを、毎朝、水で戻して沸騰させて調理。「調理してから6時間以内を目安に使います。それを過ぎたらもうお客様には出さない。風味が大事ですし、モチモチした食感でしっかりと弾力がないとダメです」と邱さん。

「黒蜜タピオカミルク」に入れる黒糖は、沖縄県西表島産に限定。邱さんは味わいの深い黒糖を求めて、産地で黒糖を食べ歩いたという!「僕が食べた中で、西表島のものが一番濃厚な味わいでした」と邱さんが言う通り、黒糖独特の香りや風味が際立っている。

この黒糖に、贅沢にも、同量の国産純粋はちみつを加えてじっくり煮込み、シロップを作る。黒糖のシロップを、たっぷりの北海道産牛乳で割り、タピオカと合わせる。

ストローで吸い込むと、まず邱さんが探し当てた黒糖の濃厚な風味が口に広がる。フレッシュでモチモチのタピオカの存在感も絶大。他店のタピオカドリンクとは一線を画する味わいだ。

台湾で定番の「タピオカミルクティー」も人気。茶葉は台湾のものを使い、店内でしっかりと濃く煮出す。ミルクを入れずまずお茶だけで試飲すると、ダージリンやセイロンなどの、日本でポピュラーな紅茶の味わいとは全く違う。「葉も違いますが、焙煎の方法が違うんです」と邱さん。

他に、「ハイビスカスローゼル」(写真上・左)や「トウガンチャ」(同・右)も提供。

「ハイビスカスローゼル」は、観賞用のハイビスカスと同じ科の、ローゼルというハーブ(写真上)を使ったハーブティー。これも、台湾から仕入れたものを店内で抽出して提供している。隠し味に、あるフルーツのジャムを入れて、酸味の中に果実感のある味わいに。ビタミンCが豊富で、疲れた体にしみいるドリンクだ。

「トウガンチャ」は、台湾で一般的によく飲まれている飲み物。サトウキビと一緒に煮込まれた冬瓜を使ったお茶で、すっきりした甘さと香ばしさを感じる味わい。日本で提供している店は希少だ。

地元のお客や学生たちが立ち寄る「街角」の饅頭店

店名にある「街角饅頭店」というフレーズには、「台湾にいた小さいころ、学校からの帰り道にちょっと店に寄って、饅頭を買って食べた。そういう、地元の人が行き帰りに立ち寄ってくれる、街に根付いた店にしたい」という邱さんの思いが込められている。邱さんの思惑通り、店には近隣の大学への行き帰りに立ち寄る学生や、地元のお客がひっきりなしに訪れる。

邱さんは18年前に語学留学で日本を訪れてから、貿易関係の仕事をしながら日本と台湾を行き来していた。自分の店を持ちたい、と思い始めたのは、リーマンショックの後、台湾に帰国した時のこと。まずは台湾で調理の勉強をし、点心師の資格を取得。貿易会社の駐在員として再来日してから夜間の料理学校に通い、日本の調理師免許も取得した。会社を辞め、40代で台湾の有名な小籠包店や日本各地の飲食店で修業を重ねて、こちらの『街角饅頭店 吉祥天』のオープンに至ったという。

「台湾にある庶民的な“粉食”(小麦などの粉を使った料理、それを食べること)の文化が好きなんです。それをそのまま、日本にもってきたいと思いました」と邱さん。

価格や店のたたずまいは庶民的だが、素材選びや製法、店主の経歴をみても本格派。小さな店舗の中に、饅頭への思いがあふれる。ひと味違う饅頭を、西荻窪の街角でぜひ頬ばってみてほしい。

【メニュー】
角煮サンド 420円
北海道牛乳饅頭 100円
黒糖饅頭 110円
塩ねぎ花巻 150円
ソーセージチーズ饅頭 150円
黒蜜タピオカミルク 500円
タピオカミルクティー 380円~
懐かしい台湾紅茶 200円~
ハイビスカスローゼル 280円~
トウガンチャ 200円~
※価格は税込み

街角饅頭店 吉祥天

住所
〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-11-18
電話番号
03-6913-5659
営業時間
11:00~19:00(公式インスタグラムで要確認)
定休日
水曜
公式サイト
https://www.instagram.com/kissyouten/?hl=ja

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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北舘和子
ライター