名物「鴨せいろ」が超おいしい! 和の一流料理人が開いた十割そば店『神宮の蕎麦』

2018年12月30日
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名物「鴨せいろ」が超おいしい! 和の一流料理人が開いた十割そば店『神宮の蕎麦』
Summary
1.有名日本料理店の店主が、手打ち十割そばの専門店『神宮の蕎麦』をオープン!
2.こだわりぬいたそば粉、だし、食材。「鴨せいろ」は高級食材シャラン鴨を、「天ぷらそば」には国産活け車海老の天ぷらを使用!
3.料理人が手掛けるそば店ならではの極上一品料理もぜひ味わいたい

喉ごしも楽しめる十割そば! 料理人ならではの感性が随所に活きる料理の数々

人気のレストランが軒を連ね、アパレル関連のショップやオフィスも多い渋谷区神宮前エリア。おしゃれで洗練された街でありながら、緑が多く四季を感じられるこの地域に、2018年11月、手打ち十割そばの店『神宮の蕎麦』がオープンした。

東京メトロ外苑前駅、JR千駄ヶ谷駅から徒歩約7分。洋館のような建物の1階に構えるこちらの店は、他店とは一味違うそばや一品料理を提供するそば店だ。

店を手掛けるのは、『ミシュランガイド東京』で二つ星を冠する日本料理店の店主。そばを出す割烹料理店で修業し、そば打ちを習得した店主は、自身の店でも“箸休め”としてそばを提供。そのそばがお客に好評で、満を持して専門店を開業することになった。

店主は、食材の生産地に足繁く通い、探求を欠かさない料理人。こちらの店でも素材に妥協せず、料理人ならではの技や発想を活かして「そば店のそば、ではなく、そこに付加価値を持たせた『料理人が作るそば』を提供したい」と言う。

そばは、そば粉100%の十割そば(写真上)。十割そばは、そば本来の香りが楽しめる反面、つなぎとして小麦粉を入れない分ツルっとした喉ごしが出ず、ぼそぼそとした食感になるのが通例だ。

しかし、この店の十割そばは喉ごしの良さにもこだわっている。

つなぎなしでそばを打ち、さらに喉ごしの良さを実現している要素のひとつは、そば粉の粒子の細かさだ。現在使っているそば粉は、北海道石狩沼田(雨竜郡沼田町)産のキタワセ種。大型の石うすで超微細に挽いた粉を仕入れる。

その、細かく挽いたそば粉(写真上・右手前)をベースに、粗挽きした「荒粉」(同・右上)、殻のついた「玄そば」を挽いた粉(同・左)を合わせて調整し、そばを打つ。

そば打ちを担当するのは、店主の営む日本料理店で修業した料理人・竹内裕哉さん(写真上)。

「せいろそば」は微細に挽いたそば粉で打った十割そば(写真上・下)。「粗挽きせいろ」は荒粉の入ったそば(同・中)。さらに「おかわりせいろ」をオーダーすると、一枚目のそばとは別の種類のそばが提供される。メニューにはないが、日によっては「玄そば」の粉が入ったそば(同・上)が二枚目として振る舞われることも。

そばのつゆは、鹿児島県枕崎産の本枯節を数年熟成させ、うまみを引き出した鰹節を使用(写真上)。

魚臭さやえぐみがなく、すっきりしたうまみのあるクリアなだしが理想だという店主。鰹節のうまみを100%引き出そうとすると余計な部分まで出てきてしまうため、90%を目指し、濁らずアクも出ないように、煮出す時間を短くとどめる。返しに使う醤油は、自然なコクがあり、大豆の味がしっかりと活きたものを選ぶ。

薬味のネギは、長ネギの根に近い白い部分のみを使い、極薄に切って提供。わさびは辛みが抑えられ、甘さとねっとり感がある静岡県産のものを出す。

店主のこだわりは、料理だけではなく器にも反映されている。そばを盛る籠は、竹編みの職人が一つひとつ手作りした作品。食器も、店主の好きな陶芸家・川瀬竹春(ちくしゅん)の陶磁器、永楽保全の骨董など、貴重な器を使っている。

ビュルゴー家のシャラン鴨のおいしさを堪能できる、唯一無二の「鴨せいろ」

そばのメニューの中でまずおすすめしたいのは、「鴨せいろ」(写真下)。

「鴨せいろ」には、高級食材として知られるフランス産シャラン鴨を使っている。シャラン鴨は今やブランド化し、その名称は広く使われているが、こちらの店の鴨は本家本元“ビュルゴー家のシャラン鴨”。4代に渡って守られてきたビュルゴー家の伝統的な飼育条件のもとで大切に育てられた鴨は、うまみが凝縮して臭みがない。生産量が限られている希少な食材で、ガストロノミーの世界でよく名を聞くブランド鴨を、なぜ「鴨せいろ」に使おうと考えたのか。

「国産の鴨も含めていろいろ試しました。その中で、つゆにうまみがしっかり出ながら、肉そのものがジューシーさを保って味が残ったのがこの鴨だったんです。だしもおいしく、肉もおいしい。しかも、つゆはクリアで臭みがない」と店主。

鴨の強い香りで、つゆが鴨の風味に圧倒されるような味わいではなく、鴨のうまみと鰹だしのうまみが調和した繊細なひと品。写真に写っている鴨の身は一部で、椀の中にはしっかりしたボリュームの鴨肉が隠れている。焼きネギは、鴨の脂身部分を軽く炙った時に出た鴨脂で焼いてあり、ネギの甘みとトロッとした食感が楽しめる。「鴨せいろ」は、高級食材の潜在能力を余すところなく堪能できる、こちらの店の看板料理だ。

活け車海老の天ぷらが楽しめる「天ぷらそば」、クリーミーな豆乳坦々も味わいたい!

おすすめのメニューは他にもある。「天ぷらそば」(写真上)も、まさに料理人が手掛ける、料理人ならではのひと品。素材のおいしさを活かすため、天ぷらの衣は薄く、軽い仕上がり。

こだわりの素材の筆頭は国産の活け車海老。入手しやすい種類の海老で代用することなく「本物の車海老を出したい」という店主の強い気持ちは、口に入れた時の海老のたまらない甘さ、しっとり・ねっとりとした食感を体験すれば納得できるだろう。

それが2尾供されるのがまた嬉しい。鱚(キス)は身がふっくら。この日の野菜は愛知県で露地栽培された香り高い肉厚のシイタケ、茨城県産のホクホクした新レンコンなど。厳選した素材を味わえる天ぷらは、一品料理としても楽しめるひと皿だ。

天ぷらに添えられた塩にも工夫が。パウダーのようなテクスチャーで、塩味がまろやか。天ぷらにしっかりまとわせても塩辛くなることがなく、素材を引き立てる。これは、沖縄県産の天然塩に乳糖をわずかに加えてミキサーで攪拌したものだ。

日本そばからはちょっと離れた“遊び”のあるメニューも。「豆乳坦々せいろ」(写真上)は、つけ麺のような感覚で楽しめる。

こちらは、店主の友人である中国料理のシェフに頼んで作ってもらったという自家製芝麻醤(チーマージャン)と香辣醤(シャンラージャン)に、濃厚な豆乳を合わせたもの。和のだしのうまみも加わり、ほんのりピリ辛でクリーミーなつけ汁だ。

ほっくりやわらかい「にしん炊いたん」、 極上の食材と技が活きる一品料理

名料理人が手掛けるそば店だけあって、一品料理にも厳選した食材を使い、繊細に調理されている。

なかでも、「にしん炊いたん」(写真上)は人気のメニュー。炊いたんとは、主に関西で使われる言葉で、ひたひたのだしや煮汁で素材をじっくり加熱する調理法のこと。そば店といえば“にしんそば”が定番メニューだが、こちらの「にしん炊いたん」のほっくりやわらかな食感は、これまで味わってきたにしんの甘露煮とは一線を画するものだろう。

身欠きにしんをぬるま湯につけてから、うろこ、小骨、血合いなどを丁寧に取り除き、にしんそのものの味を損なわないようにさっと炊く。メニューには「にしんそば」もラインナップされているが、にしんは別盛りで供され、そばにのせて食べるかどうかはお客の好みに任せている。

夜は旬の魚の「お造り」を提供。この日は、駿河湾産の一本釣りの鰹(写真上)。店主の営む日本料理店で供しているものと同じ、極上の素材だ。

隠し包丁の入った一切れは、鰹のお腹の部分。しっかりと脂ののった部位で、そのままでは醤油をはじいてしまう。身と醤油がしっかりと絡むようにと、店主の丁寧な仕事が施されている。

「水菜とシャラン鴨と椎茸の煮浸し」(写真上)は、「鴨せいろ」で使っているビュルゴー家のシャラン鴨のささ身を、鰹だしで炊いてある。

シャラン鴨は一羽まるごと仕入れて店でさばいているため、「鴨せいろ」で使うムネ肉以外の部位を、別のひと皿として供しているのだ。シャキシャキの水菜の食感と、香り高い椎茸が、シャラン鴨独特のうまみを持つささ身の味わいとマッチングする。

まるで“そばのポタージュ”! そばの風味がギュッと凝縮された濃厚トロトロなそば湯

そば湯は苦手、そば湯をおいしいと思ったことはない、という方も、こちらの店のそば湯はスルーせずぜひトライしてほしい。

そば湯はご存知の通り、そばの茹で汁。そばの風味がほのかに移ったお湯というイメージだが、こちらのそば湯はトロっとして非常に濃厚。まるでそばのポタージュスープのように、そばの香りと味わいがダイレクトに溶け込んでいる。

それもそのはず。そばの茹で汁に、打ったそばの切れ端を入れてしっかりと煮詰めてから供しているのだ。もちろん、選び抜いたそばを使っていることもそば湯のおいしさにつながっているだろう。茹で汁をそのまま供するのがそば湯だ、とそば湯に一家言ある方もぜひ一度味わってみてほしい。料理人の創意は、食事の最後の最後まで行き届いている。

2020年の賑わいを予感できる注目エリアで、特別なそばを味わう!

『神宮の蕎麦』の店名は、明治神宮の「傍(そば)」であることにもかけたネーミングだ。

ロケーション的には、2020年に開催される東京オリンピックの競技会場となる新国立競技場のすぐ「傍」でもある。店内の出窓からは、着々と工事が進む新国立競技場の姿が望める。

これからますます注目の集まるエリアにオープンした、日本料理人が手掛けるそば店。2018年の大晦日は、メニューを限定して23時まで営業予定(ラストオーダー22時予定。ただし、そばが売り切れ次第終了)。平成最後の大晦日を、特別なそばで締めくくってみてはいかがだろう。

【メニュー】
▼そば
せいろそば 1,000円
粗挽きせいろ 1,200円
おかわりせいろ(薬味・そばつゆなし) 800円
豆乳坦々せいろ 1,500円
鴨せいろ 2,800円
天ぷらせいろ 2,800円
かけそば 1,000円
にしんそば 2,000円
天ぷらそば 2,800円
▼一品料理
にしん炊いたん 1,000円
水菜とシャラン鴨と椎茸の煮浸し 1,000円
お造り 時価
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です

神宮の蕎麦

住所
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-3-30 神宮前ベーシックビル1F
電話番号
03-6434-7234
営業時間
11:00~16:00(L.O.15:30)、17:00~21:00(L.O.20:00)
定休日
月曜 ※不定休あり
公式サイト
https://jingunosoba.com/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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