名店『スフィーダ』出身シェフの渾身の「十皿コース」が1万円! 和と伊の調理法を駆使した『十皿』

2019年01月11日
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名店『スフィーダ』出身シェフの渾身の「十皿コース」が1万円! 和と伊の調理法を駆使した『十皿』
Summary
1.大阪の名店『スフィーダ』出身シェフが和&イタリアンの店『十皿』をオープン
2.和洋の様々な調理法を駆使。素材のうまさを「十皿」で表現
3.兵庫県・淡路島をはじめとする季節の食材と粋な器、寄り添うワインとのマリアージュを!

大阪・西天満に誕生した和モダンな一軒

2018年11月、大阪・西天満に誕生した和&イタリアン『十皿』(とさら)。ここは、大阪・天満の名店『スフィーダ』で約13年間、料理長を務めた真野淳シェフが、新たな挑戦として開いた一軒。

店名の『十皿』は、真野シェフが『スフィーダ』の前に努めていたホテル時代の先輩から頂いた、名店『コート・ドール』シェフである斉須政雄(さいす まさお)さんの著書『十皿の料理』に由来する。

「その本では、斉須さんは人生を10皿の料理に例え、フランスでの修業時代のことを含め、ご自身が経験され感じたことが描かれています。料理人として、人としての生き方を教えてもらえる本に、非常に感銘を受けました」と真野さん(写真上)は言う。

独立するにあたり、真野さんが兵庫県・淡路島で生まれ育ち、約20年間、料理人として経験したことを、「十皿のコース料理で表現したい」という強い想いが、店のコンセプトとなり、店名として掲げることとなった。

店内は、木、土、和紙…と異素材の組み合わせで表現した、スタリッシュな和モダン空間。オープンキッチンのカウンター席に座ると、間近に見えるシェフの手さばきや食欲をそそる香りに料理への期待が高まる。

和洋の調理法と今おいしい素材を余すところなく「十皿」に表現

同店では、シェフの故郷・淡路島の豊かな風土が生み出す野菜、米、魚介類、牛肉をはじめ、季節に合わせておいしいと感じるものを国内外から厳選。蒸す、揚げる、茹でるなど、素材によって調理法を変えさまざまな技法を駆使している。

「フグなら、身はもちろん、そのフグのヒレからとっただしでジュレを作るなど、ひとつの素材を使い尽くして、存分においしさを堪能していただきたいと思っています」と真野シェフ。一品目の蒸し物から始まり、最後のお楽しみにいたるまでの10品目まで、飽きることなく食べていただくためのリズムも重視しているという。

では渾身の「十皿」のうち、いくつかをクローズアップして紹介していこう。

こちらは「伊勢海老の味噌幽庵(ゆうあん)焼き」(写真上)。プリプリとした弾力と濃厚な甘さが醍醐味の伊勢海老に、白あら味噌のマイルドさと、伊勢海老の味噌の濃厚さが加わりとても美味。

アーモンド香るふわふわのエスプーマと一緒に口に運べば、コクが増して食が進む。

続いて、「マナガツオの蕪蒸し」(写真上)。皮目をパリッと焼いたマナガツオに、聖護院蕪(しょうごいんかぶ)とツクネイモのフランをのせ、その上からコンソメ餡をかけた一品。ふんわりと蒸した蕪とツクネイモの甘みと香ばしい鯛の風味が上品な味わい。上には揚げた鳴門金時を添えて、シャクシャクとした食感をプラスしている。

「トラフグと白菜のミルフィーユ」(写真上)は、身がキュッと締まり味が濃厚な淡路島の3年トラフグと、白菜の漬け物、ゆり根のピューレを交互に挟んだもの。

フグのヒレを使ったヒレ酒のジュレと相まって、トラフグの醍醐味を存分に堪能できる一皿となっている。

こちらは、揚げ鮑と蒸し鮑の2種を食べ比べできる一皿。

「鮑の肝フリット」(写真上)は、山椒のオイルと鮎の魚醤を合わせたソースで調味した肝に、カダイフをまぶして揚げたもの。ひと口食べるとカリカリとした食感が小気味よく、続いて肝のコク、柔らかな鮑へと変化して、一体感を奏でながら奥深い余韻を残してくれる。

一方、「淡路産鮑のワカメ蒸し」(写真上)は、鮑とワカメを包んで蒸しているため風味が倍増! ねっとり柔らかく、閉じ込められた風味が、噛むと一気に口の中で広がる。

肉料理は「椚座牛の炭火焼 トリュフ卵ソース」(写真上)。温暖な淡路島でストレスを与えず地産地消の飼料で愛情込めて育てられた椚座牛(くぬぎざ牛)が主役。卵黄に焦がしタマネギの風味をつけて、コンソメでのばした卵ソースをかけると…

噛むほどに感じる濃厚な赤身のうまみに、コクと美しさ、贅沢感が加わり、非日常感を高めてくれる。

寄り添うワインと粋な器が料理を引き立てる!

真野シェフの実家から届けられる米は、淡路島の窯元『樂久登窯(らくとがま)』に特注した土鍋で時間をかけて炊きあげられる。

ひと粒ひと粒が艶々と輝き、ほどよい甘みと粘りは、噛みしめるほどに美味だ。

ちなみに、持ち手が特徴的なこちらの土鍋をはじめ、十皿すべての料理を引き立てる器を真野シェフがセレクト。

「淡路島の作家さんをはじめ、土や竹、石などを器として使うこともあります」と真野シェフ。陶器や磁器、塗り物、ガラスを使った、盛り付けの美しさを味わえるのも同店の魅力のひとつだ。

さらに、「ワインは時には調味料となり、料理を引き立てる名わき役」と考え、十皿のコースに合わせた「寄り添うワイン」を用意。牡蠣にレモンを搾るように、魚料理には酸味のある白ワインを、肉料理にはどっしりとした風味に合う熟成香のある赤ワインを…と、相乗効果でおいしさを昇華させてくれる。

「料理をワインと一緒に、じっくりゆっくり楽しんでいただけたら」と真野シェフ。今後はより一層の高みを目指して、産直の食材を増やしていきたいとのこと。これからの進化も楽しみな『十皿』を訪れてみてほしい。

【メニュー】
おまかせ十皿コース 10,000円
お昼のコース 5,000円
寄り添うワイン 3杯3,000円、5杯5,000円、追いワイン1,000円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税抜です

十皿(とさら)

住所
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満2-7-26 徳矢ビル1F
電話番号
06-7709-1283
営業時間
12:00~15:00(L.O.13:30)、18:00~23:00(L.O.20:30) ※要予約
定休日
日曜、祝日
公式サイト
https://tosara.jp

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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ライター
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ライター/作詞家/ミュージシャン