ふわふわ、ほろほろな穴子が「おまかせコース」を締めくくる! フリースタイルな鮨店『KAIDO』

2019年01月31日
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ふわふわ、ほろほろな穴子が「おまかせコース」を締めくくる! フリースタイルな鮨店『KAIDO』
Summary
1.自由な発想で鮨の新たなおいしさ・楽しさを提供する鮨店『KAIDO 海堂 六本木』
2.米を炊く水にこだわりが! ネタの味わいに合わせて白いシャリ、赤いシャリを使い分ける
3.上海蟹!白トリュフ!! 国内外の高級食材を使ったつまみがうまい

極上の素材を使った自由なスタイルの鮨店!

鮨の景色を変えたい――。そんな大胆なコンセプトを掲げた鮨店『KAIDO 海堂 六本木』が、2018年12月にオープンした。

東京メトロ・六本木駅、乃木坂駅から徒歩5分。国立新美術館のほど近くに構える店舗は、白を基調としたモダンな内装(写真上)。豊かな海の風景をイメージして流木が飾られ、ヒノキの無垢材を使ったカウンターがL字に広がる。

「この辺りは有名な飲食店も多く、食通のお客様が通われるエリア。美食家の方にも満足していただけるようなしっかりした料理を提供して、しかも使い勝手のいい店にしたいんです」と、料理長の荻根沢勝利さん(写真上)。

店のコンセプトワードである“鮨の景色を変えたい”の言葉通り、「他の鮨店がやらないようなことをやっていきたい」という荻根沢さんは、伝統的な江戸前鮨の調理技術を大切にしながら、肩の力を抜いた自由な発想でコースを組み立て、鮨の新たな楽しさを表現する。

米にも水にもこだわった鮨飯、ネタに合わせて白と赤のシャリを使い分ける

鮨飯に使う米は、無農薬で栽培された長野県産コシヒカリ。さまざまな米を食べ比べた中で、甘みがあり、米の味が強いものを選んだ。米農家で1年寝かせて古米にしたものを仕入れ、釜で炊く。

炊飯に使う水(写真上)は、pH値を、人間の体内に近い数値に調整した特別な水。最初はお茶を淹れるためにこの水を使っていたが、試しにだしをひいてみたらうまみがしっかりと出た。そして米を炊いてみると「ご飯が、びっくりするくらい甘かったんです」と荻根沢さん。この水で炊飯することで、米のもつ甘みが最大限に引き出されるため、「うちの鮨飯には砂糖を一切入れていません」と言う。

鮨飯に加える塩(写真上)は、南米パタゴニア産のもの。しょっぱさの中に甘さが感じられ、うまみがある。世界中の塩を試していきついた、鮨飯に合う塩だ。

特別な水で炊いた米とこだわりの塩をベースに、それぞれ異なる酸味を加えて、2種類の鮨飯を仕上げる(写真上)。

白の鮨飯は酢を使わず、スダチをメインにした柑橘の果汁で調味している。ジューシーでさっぱり、爽やかな酸味を感じるシャリだ。

赤の鮨飯には、東京・木場の老舗『横井醸造工業』の赤酢を使用。酒粕を熟成させ、10年ほど寝かせてから酢に仕上げたもので、紹興酒のような芳醇な香りがする。まろやかでうまみの強い赤酢の味わいで、コク深いシャリになっている。

この2種類のシャリを、ネタの味わいによって使い分ける。白のシャリは淡泊なネタに、赤のシャリは脂ののったネタ、味の強いネタと合わせる。シャリの違いや組み合わせの妙を堪能するのも、こちらの店の鮨の楽しみ方のひとつだ。

鮨とつまみを織り交ぜた、驚きにあふれるコース料理!

では、「おまかせコース」の一部を供していただこう。

コースは基本的に、つまみ10品と握り13貫の構成。実際は鮨とつまみがバランスよく織り交ぜられて供されるが、今回はまずおすすめの鮨を握ってもらった。

江戸前鮨といえば、コハダ(写真上)。銀色に輝く美しい姿に思わず見とれてしまう。この日のコハダは脂がのっていい具合に太った熊本県産のもの。新鮮な素材を、酢ではなく、スダチの果汁で〆めた。シャリは、同じくスダチで酸味を出した白の鮨飯。仕上げに散らしたユズがほのかに香り、柑橘の爽やかさと魚のうまみが調和する。

白のシャリでもう一貫。カワハギ(写真上)は、江戸前でとれた素材を2~3日間寝かせてある。「カワハギは肝が一番うまいんです」と言う荻根沢さん。生のまま叩いて煮切り醤油で味付けした肝をのせる。濃厚な肝のうまみが口中に広がる。

コースの後半を盛り上げるのは、エビ(写真上)。国産の天然活き車海老を仕入れ、お客に供する2~3分前のタイミングを見計らって生きたまま茹でる。「この鮮やかな赤は、生きた素材を茹でたからこそ出る色です」。鮨飯は赤酢のうまみが活きた赤のシャリ。甘みを感じる車海老は、肉厚でプリプリな食感だ。

コースのフィナーレを飾るのはアナゴの握りだ。「1年のうち2カ月くらいしか市場に出回らないんです」という希少なアナゴは、長崎県・対馬産のアナゴのなかから厳選されたもの。非常にマッチョで、見た目からして他とは一線を画す。口に入れた途端にとろけてしまうようなふわっふわな身。しかし脂のおいしさや味わいはしっかり、はっきりと舌に残る。煮汁を煮詰めたツメには、アナゴの味わいが凝縮し、コクのある赤のシャリとの相性が良い。「おまかせコース」最後のメニューでもあり、クライマックスでもある品だ。

鮨店では一般的に、鮨の箸休めとしてガリが出されるが、『KAIDO』ではガリの代わりに季節の野菜のピクルスと、ワカメの酢の物が添えられる。それも“鮨の景色を変えたい”という野望をもつこちらの店ならではの仕立てだ。

上海蟹、スッポン、 白トリュフ! 国内外の高級食材を使ったつまみ

つまみのなかからおすすめの料理を供していただこう。

鮨店で上海蟹? と驚きを感じてしまうひと品(写真上)。ほかの鮨店ではやらないことをあえてやろうという荻根沢さんのポリシーと自由な発想が垣間見えるメニューのひとつだ。上海蟹は、紹興酒に漬け込む「酔っ払い蟹」が定番のメニューだが、『KAIDO』では紹興酒ではなく日本酒、醤油、みりんに漬ける。「香りの強い紹興酒に漬けると、どうしても蟹が“紹興酒味”になってしまう。もう少しやさしい味付けをすることで、蟹そのものの味わいを活かしました」と言う。

スッポンのラーメン(写真上)は、スッポンという素材も新鮮だが、そこにラーメンを合わせることもさらに意外。スッポンは、京都の有名料亭などにも卸すスッポン生産者、浜名湖の『服部中村養鼈場(ようべつじょう)』から仕入れている。

荻根沢さん自身が生きたスッポンをさばき、3時間ほど煮込む。麺に馴染むように、身はさいの目にカット。北海道の製麺所に、麺の太さを指定して特注した熟成麺と、滋味深いスッポンのスープがとてもよく合う。高級食材を使った手間のかかった料理だが、思わず一気に完食してしまいそうなひと品だ。

コースの後半にお客の前に差し出されるのは、ケーキドームに入った白トリュフ。高級食材である白トリュフの中でも、もっとも品質が高いとされる、イタリアピエモンテ州・アルバ産のものだ。まずはドームを少し持ち上げて、トリュフの香りを楽しむ。

トリュフの香りに酔いしれた後に供されるのは、白子のリゾット。そこへ、白トリュフを削る。

熟成したオリーブオイルで仕上げた白子のリゾットは、だしのうまみがきいて和の味わい。実は、ご飯は鮨飯を使っており、チーズとはまた違った酸味もほんのりと感じる。うっとりするようなトリュフの香りとだしのうまみ、鮨飯の風味がマッチする鮨店ならではの和風リゾットだ。

鮨に合うワインや日本酒も! お酒はペアリングコースがおすすめ

「ドリンクは、鮨に合わせてラインナップしています」と、マネージャーの渋谷洋輔さん(写真下・右)。

日本酒、焼酎、ワインなどを置いているが、ドリンクペアリングをオーダーして、メニューに合ったお酒を楽しんでいただくのがおすすめだ。ペアリングで出されるドリンクは8種ほど。

例えば、コハダの鮨に合わせるのは「紀土 純米 あがらの生原酒」(和歌山県/平和酒造)。火入れせず低温で貯蔵することで米のうまみを引きだした生原酒。コクと酸味があり、冷酒はもちろん、燗をつけてもいい。

上海蟹に合わせるのは「2017 甲州F.O.S.」(栃木県/ココファームワイナリー)。甲州種のブドウを、赤ワインを作るのと同じ製法で皮とともに発酵させた、いわゆるオレンジワインのカテゴリー。白ワインとは違う色、香りの豊かさ、渋みも感じられる。

料理人が握るおいしい鮨を食べたい、特別な鮨店に行ってみたい、と思っても、ハードルが高かったり、入店後にオーダーに戸惑ったりすることもある。そんな時は躊躇なくこちらの店を予約して欲しい。

王道の鮨もあれば、変化球のつまみも楽しめ、オーダーはおまかせ。伝統はそのままに、肩の力を抜いて自由な発想でおいしさを追求する『KAIDO 海堂 六本木』は、鮨の新しい楽しみ方を感じさせてくれる鮨店だ。

【メニュー】
おまかせコース(つまみ10品、鮨13貫ほど) 15,000円
ドリンクペアリング 7,000円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税抜です

KAIDO 六本木

住所
〒106-0032 東京都港区六本木7-5-11 カサグランデミワ1F
電話番号
03-5775-7115
営業時間
17:30~23:30
定休日
日曜・祝日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/bnjxkkct0000/
公式サイト
http://kaido-sushi.com

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。