食通殺到で早くも話題! 焼鳥の名店『鳥しき』『鳥かど』出身店主による水炊き専門店『鳥とみ』

2019年02月25日
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食通殺到で早くも話題! 焼鳥の名店『鳥しき』『鳥かど』出身店主による水炊き専門店『鳥とみ』
Summary
1.焼鳥の名店『鳥しき』『鳥かど』出身の店主が、水炊きの専門店をオープン
2.名店仕込みの焼鳥も楽しめる! 良質な鶏を堪能できる絶妙な焼き技
3.計15時間かけて完成させる鶏スープは、濃厚でありながら上品なコクがあり、すっきり淡麗な味わい

焼鳥の名店で修業した料理人が、注目の「水炊き専門店」をオープン

焼鳥の名店で修業を積んだ料理人が、独立して新たな焼鳥店を出すケースは多い。

だが2018年11月5日にオープンした『鳥とみ』は、店主が焼鳥の名店『鳥しき』『鳥かど』出身でありながら、焼鳥ではなく「水炊き」を看板に掲げている珍しい店だ。

場所は、ハイセンスなトレンドスポットとして注目されている東京、世田谷・三宿エリア。東急田園都市線三軒茶屋駅・池尻大橋駅、どちらからも徒歩13分と良アクセスではないが、それだけに通りは静かで落ち着いた雰囲気。

『鳥とみ』は、そんな街に溶け込むように、しっとりした佇まいを見せている。

店内はカウンター10席のみ。白一色の壁とアート作品のような白のペンダントライト、真新しい白木のカウンターが洗練された空気感をつくり上げている。

そしてカウンターの前には見るからに濃厚そうな、黄金色に輝く鶏スープが鎮座しており、ここが水炊き主軸の店だと実感する。

自分が感動した「水炊き」を、多くの人に味わってもらいたい

「仕込みをしている時に暗いと寂しくなってしまうと思い、照明はできるだけ明るくしました(笑)」と語るのは、飾らない温かい人柄を感じさせる店主、土屋宝(つちや たから)さん。

水炊きの店を出そうと思ったのは、修業していた和食の店で水炊きを担当していた時に、「水炊きって本当においしいな」と心から感動したことがきっかけだという。

自分が感動した水炊きを多くの人に味わってもらえる店を出したいと思いながら、物件探しで苦労してなかなか実現せず、その間いろいろな焼鳥店で修業をしたという。

「その経験が今の料理に生きています。回り道をしたことが、結果的によかったのかもしれません」(土屋さん)。

ちなみに同店では、焼鳥にも水炊きにも、『鳥しき』で使用していた福島の銘柄鶏・伊達鶏のみを使用している。「臭みがなく、脂も皮もおいしいんです」と土屋さん。

「鳥とみのコース」で、名店仕込みの焼きと新たな鶏のおいしさを体感

現在は土屋さん一人で切り盛りしているため、当面メニューは「鳥とみのコース」のみ。

「先付け」(写真上)は、大根、キュウリ、ニンジンのぬか漬けと、軽く火を通したレンコン、菜の花、薄く切ったラディッシュに甘めの肉味噌を添えたもの。コクのある肉味噌が歯ざわりのいい野菜をひきたて、一気に食欲が目覚める。

熱々で供されたのは、鰹節、鶏、スッポンのだしが入った「三種の出汁の茶碗蒸し」(写真上)。普通の茶わん蒸しにはない濃厚なコクがあり、それでいてしつこすぎない上品な味わいに思わずうなる。

「鶏皮の胡麻酢和え」(写真上)は、鶏皮を軽く湯通しして揚げ、ゴマたっぷりの胡麻酢で和えている。厚みのある鶏皮は、やわらかいのに適度な歯切れのよさも残っていて、絶妙な食感だ。

やや甘めのこっくりした胡麻酢の味つけが、その食感に絶妙にマッチしている。

続いて、愛知県豊橋市産の希少なブランド鴨肉「あいち鴨」を使用した「あいち鴨ロース 山葵醤油」(写真上)。鶏肉とはまた異なる、絹のようになめらかな赤身肉の食感にうっとり。
ワサビの鮮烈な刺激が、脂身のこっくりした甘みをさらに強く感じさせてくれる。

名店仕込みの焼鳥を、国産クラフトジン使用の「山椒ハイ」とともに

冷菜2品の次は、名店仕込みの焼鳥3本が供される。

この焼鳥のお供におすすめなのが、「山椒ハイ」(写真上)。

使用しているのは、プレミア焼酎として知られる「晴耕雨讀(せいこううどく)」を造る鹿児島の酒蔵『佐多宗二商店』製の国産クラフトジン「AKAYANE CRAFT SPIRITS 山椒」。

アルコールベースに焼酎を用い、山椒、ゴボウなど和食材の香りも加えている独特の製法。ピリリとした刺激とキレのある後味で、さっぱりと焼鳥の脂を洗い流してくれる。

「ぽんじり」(写真上)には、黒七味と山椒がかかっている。普通の焼鳥店で見るものよりひとまわり大きく、したたるほどたっぷり脂を含んでいるが、良質が故にまったく脂っぽさを感じない。

「ハツ」(写真上)も臭みが皆無で、弾力があり歯切れのいい食感。どちらも健康な鶏の良質な部位であることが強く感じられる味わいだ。

「鶏手羽」(写真上)は、皮目の焼き加減が絶妙。レモンを搾ってかぶりつくと芳ばしさが口いっぱいに広がり、その後たっぷりの肉汁が追いかけてくる。

引き立てられた肉のうまみを感じつつも、レモンの酸によって脂が流れ、水炊きへの準備が完了する。

主役の「水炊き」、15時間以上かけて仕込む鶏スープは、深いコクがあるのに驚くほど淡麗!

いよいよ、本日の主役である水炊きの登場だ。大鍋から土鍋に移された濃厚な鶏スープが沸き立つさまは迫力満点で、食欲をそそる。

最初に、小さな器でスープだけを味わう。濃厚だが脂っぽさは無く、意外なほどすっきりした味わい。鶏のコク、うまみだけがしっかり濃縮されているのを感じる。

スープの煮込み時間は約6時間ほどだが、最初の段階で鶏ガラを漬け汁に浸しては洗い、浸しては洗いという作業を数回繰り返すため、トータルの仕込み時間は15時間以上もかかっているという。

そうした下準備を徹底しているからこそ、淡麗で上品な味わいに仕上がるのだ。

肉だけを味わう、超シンプルながらも奥深い「水炊き」の世界!

同店の水炊きは、鍋料理でありながら野菜や豆腐、葛切りなどは一切入らない。水炊きの元祖といわれる『玄海』もこのスタイルであり、「じつは『玄海』の水炊きにヒントを得て、自分なりに工夫を加えました」と土屋さんは話す。

「伊達鶏の水炊き」(写真上)には、骨付きモモのぶつ切り肉と、手羽元肉が入っている。肉は箸で触れただけでくずれるほどやわらかい。鶏肉もスープもうまみが濃いのでまずはそのまま何もつけずに味わいたい。

鶏肉だけをシンプルに味わうことで、一片の肉のなかにもさまざまな味の変化があることに気づく。

食べ進めたのちに投入されるのが「つくね」(写真上)。なめらかさと鶏肉の噛みごたえの両方が感じられる絶妙な挽き具合。だしの効いたポン酢との相性も抜群だ。

そして「〆の雑炊」(写真上)は、ひと通り肉を食べ終わったところで、土屋さんがカウンター越しに作ってくれる。鶏スープを吸ってふっくら膨らんだお米にトロトロの卵をまとわせて完成。

ご飯に染みこむことで、さらに鶏のうまみが鮮烈に感じられる。

「水菓子のイチゴ」(写真上)でコースが終了する頃にはカウンターは満席。オープンして間もない隠れ家のような店であり、「1人でやっているので、宣伝をしている暇もないです」(土屋さん)というのに、この盛況だ。

「おいしい店の情報は、あっという間に広がる」ということを改めて実感できる。

ちなみに『鳥とみ』という店名は、土屋さんの出身地である長野県の東御(とうみ)市からとっている。
「こじつけですが、『鳥味(とみ)』『鳥実(とみ)』『富』など、おいしい鳥で豊かな実りをもたらしたいという願いもこめて、この名前にしました」(土屋さん)。

今は設備上の理由で焼鳥を焼ける本数が限られているが、追々改修し、焼鳥メニューも増やしていきたいとのこと。そうなればこの店を訪れる楽しみが、さらに増えそうだ。


【メニュー】
鳥とみのコース 6,000円
瓶ビール(中瓶) 650円~
山椒ハイ 700円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です。

鳥とみ

住所
東京都世田谷区池尻1-11-8 1F
電話番号
050-3477-1640
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
18:00~24:00
定休日
日曜日
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/mwc6v29f0000/
公式サイト
https://www.facebook.com/%E9%B3%A5%E3%81%A8%E3%81%BF-786543698351385/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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佐川 碧
ライター
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