愛媛の日本料理店で唯一のミシュランガイド掲載店がついに東京進出! 日本の四季を尊ぶ『日本料理 和敬』

2019年04月07日
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愛媛の日本料理店で唯一のミシュランガイド掲載店がついに東京進出! 日本の四季を尊ぶ『日本料理 和敬』
Summary
1.『ミシュランガイド広島・愛媛 2018 特別版』に二つ星として掲載された『日本料理 和敬』が東京に移転
2.店主は、道後温泉『ふなや』、南麻布『分とく山』で修業
3.料理は、日本の四季を尊ぶ心を大切に、丁寧に仕立てたコース1本

愛媛・松山の人気店が東京・西麻布に移転オープン

いい店には自然といいお客がつくものだ。もちろん、「いい店」の定義は人それぞれであろうが、店員の笑顔や細やかな配慮が気持ちよいものであれば、それに共鳴するお客が集って当然だ。

2018年11月、愛媛・松山から東京・西麻布に移転オープンした『日本料理 和敬』もそのひとつ。移転間もないころからずっと、地元・松山から訪ねてきてくれる常客にも支えられているというから驚きだ。

「東京への出張ついでに顔を出してくれたり、仲間内で東京の歌舞伎見学ツアーを企画して、夜の食事にうちを利用してくれたり……、本当にありがたいことです」。

そう語るのは、店主の竹村竜二さん(写真上)。生まれ故郷の愛媛で、高校卒業後に調理師学校に進むと、道後温泉『ふなや』に入社して料理の道を歩み始めた。

「高校時代までは野球に熱中していて料理とは無縁でしたが、『大学進学しないなら手に職をつけたほうがいい』という母親の言葉がきっかけでこの世界に入りました。今思えば、猟でキジを獲ったりしていた父も、食材のおいしさにはうるさい人でしたね」(竹村さん)。

『ミシュランガイド広島・愛媛 2018 特別版』で二つ星の評価を受けて話題に!

『ふなや』勤務は8年ほど。その後、東京・南麻布『分とく山』本店に入社して4年間研鑽を積むと、再び帰郷して大学で2年間講師を務めた。そして2012年6月、念願だった自身の店『和敬』を地元にオープン。『ミシュランガイド広島・愛媛 2018 特別版』で、愛媛県の日本料理店で唯一となる二つ星の評価を受けて話題となった。

そこからなぜ東京に移転することに決めたのだろうか……。「料理人として一生やっていくなら、一度は東京で勝負してみたいと思ったから。地元で常連客に囲まれて毎日を過ごせることはとてもありがたいことですが、同時に、国内外問わずいろんなところからお客さまが訪ねてくる東京で自分の店を持ったら、どんな経験ができるだろう? という興味も大きくなっていったんです」(竹村さん)。

勝負の場として選んだ地は、かつて修業した『分とく山』からも徒歩圏内。多くのファンを持つ名店が多い土地でもあるが、移転前と変わらず自分のスタイルを貫き、季節の移ろいを宿した、五感が喜ぶ料理を提供し続けるのみだ。

新しい季節へと誘う、旬の恵みいっぱいの「先付」

春の時期に先付として供されるのは、苦みが楽しいウドやこごみ、車エビなどをゴマで和えた「くるまえびと春野菜のごまあえ」(写真上)。

「春の香りを感じる“入口”として楽しんでほしい一品です」(竹村さん)。シャキシャキした生のウド、ぷりぷりのエビなど、食感の異なる食材がマイルドなごまだれで一つにまとまり、口の中に濃厚なうまみを広げていく。素揚げしたフキノトウも春の香りいっぱいで、早くも一品目から幸せな気分になる。

山形の春を感じさせてくれる色鮮やかな飯蒸し

先付で四季の恵みを楽しんでもらった後に必ず提供するのは「季節の飯蒸し」(写真上)。半熟卵、アワビ、イクラ、カラスミが盛り付けられた飯蒸しに季節の風味を添えてくれるのは、山形育ちの庄内アサツキだ。独特な甘さの中に苦みや辛みをはらんだアサツキは、うまみ成分たっぷりのアワビやカラスミとも好相性だ。

ちなみに、秋はサンマ、冬はカニなどが飯蒸しの主役になるのだとか。春の一皿でおいしさに開眼したら、すべての飯蒸しを網羅したくなること必至である。

日本酒好きの心をくすぐる組肴

先付、飯蒸し、刺身などを経て、ビールグラスからお猪口へと持ち替えるころに登場するのは、「作り立ての八寸をイメージしている」という組肴(写真下)。

「セリとトリガイ、つくしのごまびたし」「鮎の稚魚の天ぷら」「豚角煮のじゃがいも餡」「ヨモギ麩の田楽」「たこの柔らか煮」という見目麗しいラインナップは、温かいものや冷たいもの、苦みのあるものや甘みを楽しめるものなど、温度や味わいの違いを堪能しながら一献傾けるのにぴったり。豚を炊いたソースで裏ごししたじゃがいもに味を付けた餡など、手の込んだ品を少しずつ楽しめるのも、組肴の醍醐味だ。

故郷・愛媛の日本酒も常備

日本酒はまた、吸い物とも相性がいい。大ぶりな貝が主役の「ハマグリの潮仕立て」(写真上)の繊細さを堪能するために、次に飲む一杯を決めるのもまた一興。

日本酒は、「新政」や「悦凱陣」など全国の銘柄から、「咲くら」をはじめとする地元・愛媛のイチオシまでそろえている。

主人とお客が互いを敬い合う関係でいられることが理想

地元を想う気持ちを大切にしながらも、新しい地で開いた店も、自身のありかたと共鳴するお客に愛されるようになることが竹村さんの願い。

「店名にもその想いを込めているんです。造語だと自分のコンセプトが伝わりにくいと思って、禅語から拝借しました」。元となっている言葉は、茶道の心得を示す「和敬静寂」。主人とお客の両方が、和やかに過ごしながらもお互いを敬い合う関係でいられることが理想なのだ。

そうした考えのもと、提供する料理はコース1本に絞っている。「茶室に入れば誰しも平等」と、武士であろうと日本刀を持ち込むことが禁じられたように、誰に対しても同じ料理を提供。その姿勢を貫くことは、どんな食通にも自信を持って出せるだけのレベルを保ち続けるということだ。

「お客さまと仲良くなってもお互い礼儀の心は持ち続けたいし、敬意を払い合える関係でいたいですね」。竹村さんの思想に共感するお客が集う空間でなら、心地よい夜を過ごせないわけがない。季節ごとに訪れて日本の四季を尊ぶと同時に、同じ時間を過ごす相手に敬意を払うことで、お互いが気持ちよく過ごせる喜びを改めて噛みしめてみてほしい。

【メニュー】
昼:おまかせ 6,800円(税・サ別/サービス料5%)※前日までの予約のみ
夜:おまかせ 13,000円(税・サ別/サービス料10%)
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです

撮影:佐々木雅久

日本料理 和敬

住所
〒106-0031 東京都港区西麻布2-7-9 1F
電話番号
03-3486-0149
営業時間
12:00~14:30、18:00~23:00(L.O.21:00)
定休日
日曜(月曜が祝日の場合は営業・月曜休み)

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。