板前は『なだ万』出身! 鮨一筋38年の熟練技で「鮨のうまさ」に目覚める『銀座 聖起』

2019年04月18日
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板前は『なだ万』出身! 鮨一筋38年の熟練技で「鮨のうまさ」に目覚める『銀座 聖起』
Summary
1.シェラトンホテル、シャングリ・ラ ホテル東京『なだ万』などで研鑽を積んだ板前はこの道38年
2.養殖物ではありえないサイズの「天然大車エビ」の食感は圧巻
3.ふっくらやわらかな「穴子」、塩気と酸味が絶妙なバランスの「小肌」の2貫に唸る!

魚へんに旨いと書く“鮨”を提供したい!

「鮨という漢字は、魚へんに旨いと書きますよね。わたしは、魚をおいしく召し上がっていただくための仕事をすることで、お客さんに“鮨”というものを味わっていただきたいんです」。

そう語るのは、2018年6月、東京・東銀座にオープンした『銀座 聖起(まさき)』店主の嶋倉聖起さん(写真下)。冷蔵庫にある素材を使って炒飯など簡単なものを作るのが好きだった小学校・中学校時代を経て、高校時代に進路を決める段階になると調理師専門学校進学の道を選んだ。

「当初はフレンチ志望だったんですけど、高校3年生のときに鮨屋でアルバイトをさせてもらったことで関心が向き、和食のクラスに入りました」(嶋倉さん)。

卒業後、2年ほど自由が丘の店で修業を積むと、今度は渋谷の鮨バーに勤務。さらにその後、24歳で千葉県・舞浜の「ヒルトン東京ベイ」鮨部門にサブチーフとして入社して17年間研鑽を積んだ後、「シェラトンホテル」や「シャングリ・ラ ホテル東京」内の『なだ万』鮨部門チーフとして13年間活躍した。

「朝早くから夜遅くまでの勤務は当たり前でしたし、厳しいことを言われることもしょっちゅう。それでも、負けず嫌いなんで『今に見てろ』と続けてきました。でも、今になって振り返ると、叱ってくれたり助言をくれたりする人に出逢えたことはありがたいことだったなと思います」(嶋倉さん)。

根性で続けてきた結果、ついにすべてが整って独立のタイミングが訪れた。ようやく手にした自身の店は、樹齢250年の木曽檜のカウンターをはじめ、木目調のインテリアで統一された心落ち着く空間。接待に使われることも多いため、カウンター下に電源コンセントを配置するなどの配慮も流石だ。

ツマや調味料にもひと手間加えるのが秘訣

料理に使う魚は、季節ごとの旬のものなどを厳選する。

お造り(写真上)は、本マグロ赤身、しめさば、小肌、金目鯛と色味のバランスもよく、見た目の美しさも秀逸。下味がつけられたマグロは、下に敷かれた山芋の千切りと一緒に口に運ぶと、山かけのように楽しめるのもうれしい。

青森や北海道などから仕入れた国産あん肝(写真上)は、白醤油で作った自家製の「白ポン酢」で供するのが『聖起』のスタイル。「白ポン酢でいただくと、食材そのものの味が後から蘇ってくるのを楽しんでいただけます」と嶋倉さん。まるで塩で食しているかのような独特の味わいに惚れ込むお客が多いようで、「あん肝を食べ終わった後、白ポン酢を飲まれる方がほとんどですね」と明かす。

あん肝の下には乾燥させた青のりが敷かれているが、こちらも白ポン酢と相性抜群。最後に青のりごと飲み干すのもなかなかオツである。

醤油ベースのだしで時間をかけて煮たアワビ(写真上)は、アワビならではの噛みごたえがしっかり残っているのに、ふっくらとしてやわらかな仕上がり。磯の香りが心地よく、いろいろな日本酒を試してみたくなる。

その日本酒は、皇室御用達の「梵・超吟」をはじめとするレアな銘柄も揃うので、新しい日本酒との出逢いを楽しむのも一興だ。

名物の天然大車エビ、穴子、小肌のうまさは格別

大分産の天然大車エビ(写真下)は、1尾70gほどもある大ぶりなもの。

このサイズならではのぷりぷりとした食感と甘みは圧巻で、「年間を通してうちのイチオシのひとつです」と嶋倉さんは太鼓判を押す。お客に提供する際は食べやすい大きさにカットして握ることが多いというが、エビ本来の甘みが際立った握りには、誰しも恋すること間違いなしだ。

そして、同店にはさらに、お客の心を掴んで離さない2種の握りがある。

それが穴子と小肌だ(写真上)。塩加減、火加減、使用する酢などすべてに関して試行錯誤を重ね、ようやく見出した『聖起』の味。

長崎県・対馬産の最高級「穴子」はやわらかく煮つけ、ふんわりと炙ってから握りに。濃厚なタレに包まれたふっくら穴子が、口の中でほろりとほどけていく心地よさは圧巻である。

塩と酢のバランスが絶妙な「小肌」は、贅沢な2枚重ね。口の中に広がる繊細な味わいをひとたび知れば、何度でも通いたくなること必至である。

造りから酒肴、握りまでのすべての一品において材料にこだわっているのはもちろん、「どう調理すればもっともおいしく食べてもらえるか」を主眼としているという嶋倉さん。

熟練の技によって引き出された「魚のうまさ」を味わうことで、鮨というものの本当のおいしさに目覚めれば、一品一品に合わせるお酒選びもこれまで以上に楽しく、粋な夜に酔いしれられそう。


【メニュー】
▼昼の部
倭歌 4,900円(先付、握り10貫、巻物、味噌汁)
神楽歌 6,900円(前菜、酒肴、握り12貫、巻物、味噌汁)
おまかせ 9,900円~
▼夜の部
匠 14,000円(前菜、握り14貫、巻物、味噌汁、甘味)
綺羅星 17,500円(前菜、造り3種、酒肴、握り10貫、巻物、味噌汁、甘味)
おまかせ 20,000円~
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です

撮影:佐々木雅久

銀座 聖起

住所
東京都中央区銀座4-12-1 GINZA12ビル2F
電話番号
050-3476-5592
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
月~金
昼の部 12:00~15:30
(L.O.14:30)
夜の部 18:00~22:30
(L.O.21:00)

土・祝日
ランチ 12:00~15:30
(L.O.14:30)
ディナー 18:00~21:30
(L.O.20:30)
定休日
日曜日
※月曜日が祝日の場合は日曜日に営業し、火曜日を休業とさせていただきます。
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/spypjwy00000/
公式サイト
https://ginza-masaki.com/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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