中国料理の新星が現る!『新富町 湯浅』で日本食材を中国の伝統料理に盛り込んだ繊細な味わいに舌鼓

2019年03月29日
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中国料理の新星が現る!『新富町 湯浅』で日本食材を中国の伝統料理に盛り込んだ繊細な味わいに舌鼓
Summary
1.日本の食材を使って中国の伝統料理を作るレストランが新富町にオープン
2.料理を手がけるシェフは、名店『御田町 桃の木』出身
3.五感を刺激する繊細でクリアな中国料理で幸福感に包まれる新食体験を!

新富町に新進気鋭シェフの中国料理店が誕生

美食の街である東京・銀座の隣に位置しながら、どこかのどかな下町の雰囲気をまとう新富町に2019年2月21日、新たな中国料理店が誕生した。凛とした佇まいの外観は、一見何の店か分からない。

開店日に突然たくさんの花が店の前に並び、通りすがりの人々から次々と「ここは、何料理屋ができたの?」と期待を込めて尋ねられた。

『新富町 湯浅(ゆあさ)』は、シェフの湯浅大輔さんがオープンした中国料理店だ。中国料理の世界でその名を知らないものはいないであろう小林武志シェフ率いる『御田町 桃の木』や、四川料理の最高峰・故陳建民氏の愛弟子である中川優シェフの店『天外天』で腕を磨き、フカヒレ料理に定評のある『筑紫樓 銀座店』で副料理長を勤めた後、都内で数店渡り歩き、自身の店のオープン前には、移転前の築地市場の仲卸で魚を捌いたりと幅広い経験を積んできた。

「学生時代は、鮨屋になりたいという夢があったのですが、アルバイトで中国料理店に入ったら、包丁1本でさまざまな表現ができる中国料理に魅了されてしまったんです」そう湯浅シェフは話す。身近に感じていた “中華料理”のダイナミックさと、包丁で多彩な表現を生み出す繊細な“中国料理”とのギャップに心を鷲摑みにされたという。

中華包丁は食材を縦に切るだけではなく、包丁を横にしてスライサーのように使ったり、切る方向と刃の入れ方でまるで風になびく鳥の羽根のような表現ができたりと、たくさんの仕事がこなせる道具だ。若い頃は、中華包丁を使えるようになりたい一心で、包丁修業をしていたという。

湯浅シェフの料理の方向性を決めたのは『御田町 桃の木』の小林シェフとの出会いからだった。湯浅シェフは、小林シェフの日本の食材の味わいを引き出すようなシンプルな中国料理から強いインスピレーションを受けた。

「昔は中国の食材にこだわっていた頃もありました。でも、恵まれた我が国日本には、たくさんいい食材があることに気づいたんです。もちろん、自分の料理のベースは伝統的な中国料理にあるので、創作の店ではありません。料理の軸は中国料理に置きながらも、柔軟に素材と向き合っていきたいと思っています」と湯浅シェフ。

そして、調理法も、その意味を考えると昔の常識が今の当たり前とは限らない、と湯浅さんは言う。
例えば、油使い。一般的には中華鍋にたっぷりの油を注ぎ、鍋を油慣らしした後に食材を炒めていく。しかし、湯浅シェフは、その油を一度きれいに切ってしまってから、必要な量の油を入れていく。そうすることでシェフの最大の特徴でもある、ライトでクリア、食材の香りの生きた料理が仕上がるのだ。

素材を吟味し、その味わいを引き出す料理

ここでコース料理の一部を紹介していきたい。

前菜として一品目に登場したのは「春芽海蜇 クラゲのふきのとう和え」(写真上)。春が旬のふきのとうを油で揚げてから、豆腐とクラゲを合わせ醤で味を調える。まるで梨のような甘さを持つゆり根と空豆を合わせ、ウニをのせた一品。

ふきのとうの苦みとゆり根の甘みが同時に口に広がるとともに、クラゲの弾力のある食感とゆり根のシャキシャキとした歯触りのコントラストが美味。味わい、食感、香りすべてが計算され尽くした前菜に、これからの食事への期待がいやがうえにも高まる。

「美彩沙拉 春野菜のサラダ」「口水軟鶏 上海式よだれ鶏」を挟み、出てきたのは「金翅黒球 メジロ鮫と黒米団子のスープ」(写真下)。

蓋を開けると、スープの香りが鼻腔をくすぐる。

希少価値の高い、メジロ鮫の背びれを1週間ほどかけて戻して磨き、金糸の状態にし、清湯ベースのスープに入れたもの。

赤レンコンと海老、黒もち米を入れた団子は芳ばしい香りをスープに移してくれる。口の中で遊んでいるかのようなふかひれの食感は、一度食べたら忘れられない。

メインには「汾酒牛柳 松坂牛のカツレツ」(写真上)を。中国・山西省の冷酒でマリネしたカツレツを種火で油を回しかけながら揚げた一品は、岩塩と国産レモン、エシャロットなどの薬味を入れた黒酢のソースでいただく。

レアに揚がったカツレツは、驚くほどやわらかく、フレッシュな酸味のあるソースが肉のうまみを引き上げてくれるのだ。

〆である「本日のお食事」では、清湯スープのおいしさを味わってもらうためのシンプルな中華そばや、自家製干し肉炒飯、麻婆豆腐、担々麺 、汁なし担々麺などが日替わりで選べる。中華そばはスープ、醤油ダレ、そこに合わせる細麺と、素材それぞれの際立つ味わいをダイレクトに感じながらも、調和がとれた1杯。思わず最後の1滴のスープまで、食材に感謝しながら飲み干したくなる。

基本はコース料理だが、地元住民が通いやすいようにアラカルトも用意。

「食材はその道のプロたちの話を聞きながら情報を仕入れています。肉は茨城の『塚原牧場』から、魚は以前仕事させてもらっていた仲卸から仕入れています。実際に自分で生産地を訪ねたりと、本当においしいと感じたものだけを仕入れています」と湯浅シェフ。

ディナータイムは、基本的にはコースのみだが、遅い時間や席が空いている時はアラカルトでも対応してくれるという。

味わい、食感、香りすべてを考え抜かれた繊細な料理は、五感をフルに刺激してくれる中国料理。食後感がクリアで、言葉通り身も心も満足させてくれる料理をぜひ体験してほしい。中国料理の奥深さを再確認できるだろう。

撮影:榊智朗

【メニュー】
おまかせコース 10,000円
フカヒレコース 18,000円
※20時以降 5,500円ショートコース有

土日祝日限定ランチコース
ミニコース 3,000円
ランチコース 6,000円
※平日ランチタイムはご予約にて 5,500円×4名様~、10,000円×2名様~
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です。

新富町 湯浅

住所
東京都中央区新富2-7-4 growth ginza east1F
電話番号
050-3468-3950
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
土・日・祝
ランチ 12:00~15:30
土日祝のみランチ営業
ディナー 17:30~22:00
(L.O.20:30)

月・火・木・金
17:30~23:00
(L.O.21:30)
定休日
水曜日
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/39ep61uh0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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糸田麻里子
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