まさに「魚好き」のためのイタリアン!魚に魅せられたシェフが手掛ける注目店『S(エッセ)』【恵比寿】

2019年05月21日
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まさに「魚好き」のためのイタリアン!魚に魅せられたシェフが手掛ける注目店『S(エッセ)』【恵比寿】
Summary
1.東京・恵比寿に魚好きのための隠れ家イタリアン『S(エッセ)』がオープン
2.魚料理がおいしいと評判の千駄ヶ谷『マンジャペッシェ』出身シェフが腕を振るう
3.常時10種類以上の旬の魚介を楽しめるフルコースが魅力的

バラエティ豊かな魚料理を楽しめる隠れ家カウンターイタリアン

「海に囲まれた日本は、1年中新鮮な魚を楽しめる国。南北に細長いからこそ、種類が豊富なのも日本ならではの特徴ですよね」。
そう話すのは、2018年7月に東京・恵比寿にオープンした隠れ家カウンターイタリアン『S(エッセ)』の清水明完(しみず はるさだ)シェフ。

魚介をおいしくいただけると評判の東京・千駄ヶ谷『Mangia Pesce(マンジャ ペッシェ)』で料理長を8年間務めた後、念願だったカウンター席メインの小さなお店を構えることとなった。

清水シェフ自身、今では大の魚好き。大学時代には焼肉屋でアルバイトに励んでいた彼がなぜ魚のトリコになったかというと、調理師専門学校卒業後、『マンジャペッシェ』を営む「アクアパッツァグループ」に入社して魚の魅力を知ったから。

「日本の漁港に揚がるすばらしい食材をイタリアンテイストで楽しむ」というコンセプトのもと働く中で、種類も調理法もさまざまな魚料理を、多くのお客に堪能してほしいとの想いが強くなった。

「お客様との会話も楽しめる、小さなお店をやりたい」

そんな中、徐々に頭をもたげてきたのは、「コース形式でお客様とコミュニケーションを楽しめる小さなお店をやりたい」という想い。周囲にその気持ちを吐露するようになったある日、不動産業を営むお客から、現在の『エッセ』が建つ土地を紹介され、自身の理想とする姉妹店を構えることとなった。

完成したお店は、コの字型カウンターの中にキッチンが配置されたオープンなデザイン。フルオープンキッチンであるため、調理過程をすべて見ることができ、お客は臨場感や安心感を存分に味わうことができる。

コース料理では、10種類を超えるさまざまな魚介を堪能

コースは、常時10種類以上の魚を楽しむことができる贅沢な内容。メインの魚料理はもちろん、アミューズやパスタでも魚介を味わえるよう構成されている。

旬の魚をとりどりに楽しめるカルパッチョ

前菜の「鮮魚のカルパッチョ」(写真下)にも、旬の魚がたくさん。

春の時期には、(写真上・上から時計回りに)富山湾で獲れたホタルイカ、千葉県産のイワシ、神経締めして放血処理を施した石巻産アイナメ、タケノコメバル、サクラマスと、産地もさまざまに季節の魚介がプレートに並ぶ。


放血処理を施しているものは、熟成にも耐えられるからうまみたっぷり。塩で締めているため、余分な水分が抜けてうまみが凝縮されているのも特徴だ。

「基本、塩だけで味付けして素材そのものの味わいを楽しんでもらっています」と清水シェフ。それぞれの魚の下にはとりどりの季節野菜を敷き、仕上げに擦ったレモンの皮を散らしているため、フレッシュな野菜との組み合わせの妙や爽やかな香りまで満喫できる。

トルテッリの中身は旬のサクラマス

続いて紹介するのは、肉料理、魚料理の前に供される「トルテッリ・イン・ブロード」(写真上)。

トルテッリとは、イタリア北部が発祥と言われる、詰め物をしたパスタのこと。
ラビオリとも似た見た目だが、ラビオリは小麦粉で作った2枚の生地で具材を挟んでから四角形に切り分けるのに対し、トルテッリはパスタ生地を円形や正方形に薄く伸ばし、その中に具材を包み込んで作る。

気になる具材は、柵の真ん中部分をカルパッチョで使ったサクラマスの端材をミンチ状にしたものと燻製リコッタチーズ。

トマトをミキサーで回してこした透明なスープと、サクラマスのアラで取っただしをブレンドしたスープとともに召し上がれ。

トマトの酸味と魚介のうまみが見事に調和したスープが、じんわりと身体に染みわたっていく心地よさは格別なもの。サクラマスとリコッタチーズをたっぷりと封じ込めたトルテッリは後を引くおいしさで、最後のひとつを口に運ぶのが名残惜しくなってしまう。

ハマグリとメバルの濃厚なだしは、旬の野菜とも相性よし

メインとなる魚料理は、春を寿(ことほ)ぐハマグリとメバルが主役の「ズッパ・ディ・ペッシェ」(写真下)。

イタリア語で「魚のスープ」を意味するこの料理は、ハマグリとメバルからとれたうま味成分豊富なスープを、ソテーした旬のタケノコやホワイトアスパラとともに楽しめる。

調理の最後にはバターを加えて風味付けしているため、香りも豊かで五感が喜ぶ一品だ。

福岡から取り寄せたという旬のハマグリはプリプリと弾力のある食感が魅力。濃厚で甘みも十分で、身が締まってたんぱくな味わいのメバルとは異なる味わいを楽しめるところがうれしい。こんがり焼かれた野菜は、魚介のうまみたっぷりのスープに浸しながらいただくのも一興だ。

デザートは旬の果実が主役のパフェ

デザートは、栃木で自然栽培されている「とちおとめ」が主役のイチゴパフェ(写真下)。

マスカルポーネチーズのムースの上に、イチゴのソース、パイ生地、チョコレートのクッキー、乾燥させたイチゴ、フレッシュな生のイチゴをトッピングして、口の中で異なる食感を同時に楽しめるよう演出している。

また、ワインはもちろん、魚介と相性のよいものを中心にセレクト。白ワインが7割を占め、日本産も豊富にそろえている。「コテコテのイタリアンなじゃなく和食に近い味わいだから」とペアリングには日本酒を取り入れることも多いそう。

確かに、前菜からメインまでバラエティ豊かな魚介を楽しめるとなると、ワインも白中心で、それぞれの魚と相性のよい一杯を確かめたくなる。シェフ同様に客側も、通うほどに魚やワインについての知識に磨きがかかっていきそうだ。

4つの「S」を大切にしたいから、店名もそのまま「S(エッセ)」と命名

「アミューズからデザートまで、お客さまがゆっくりと楽しめるお店にしていきたいんです」。
そう語る清水シェフは、お店のコンセプトを決めるにあたって、自分が大切としている要素を改めて考えた。

すると、「STAGIONE(スタジオーネ/季節感)」、「SERVIZIO(セルビジオ/おもてなし)」、「SPECIALE(スペシャーレ/特別)」、「SPAZIO(スパッツィオ/空間)」と頭文字がSという共通点があることを発見したという。

その想いを込めて「S(エッセ)」と命名したほど、訪れてくれるお客一人ひとりに、気持ちが豊かになるような特別な時間を提供したいとの想いがとても強い。

▲左がシェフの清水さん、右はマネージャーの瀬川健二さん

2019年3月からはお客のラブコールにこたえてランチも開始したが、今後も、同店での特別な時間をランチでもディナーでも楽しみたいという人は増えるに違いない。『エッセ』でのおいしい料理との出逢いをきっかけに、魚の魅力にはまる人も増え続けるはず。



撮影:登坂未来


【メニュー】
・Pranzo(ランチ)パスタランチ 3,800円/メイン付ランチ 5,300円
・Cena(ディナー)ショート 8,640円/スタンダード 10,800円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です

S

住所
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-4-19
電話番号
050-3313-9371
営業時間
ランチ:11:30~14:30(L.O.13:00)(Pranzo A 3,800円(税込み)、Pranzo B 5,300円(税込み)の2コースをご用意しております。)、ディナー:18:00~23:00(L.O.21:00)(旬の食材をふんだんに使った魚介中心のおまかせコースをお楽しみいただきます。 お苦手な食材等ございましたら、ご予約時にお申し付けください。)
定休日
毎週日曜日 第3月曜日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/apswtnr40000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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