確実に「いい店」を裏浅草で発見! 和食、器、ワインが好きなら絶対訪れたい、隠れ家和食店『こへると』

2019年05月27日
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確実に「いい店」を裏浅草で発見! 和食、器、ワインが好きなら絶対訪れたい、隠れ家和食店『こへると』
Summary
1.新グルメスポット“裏浅草(観音裏)”に、食通をも唸らせるカジュアルな和食店『こへると』がオープン
2.7~8品で5,000円! コスパの良さも嬉しい「おまかせコース」がオススメ!
3.和食の名店『よし邑』出身の店主と、『ワイン厨房 Tamaya』出身ソムリエの最強タッグ

グルメ注目の新スポット“裏浅草”に、カジュアル和食店がオープン

観光客でにぎわう浅草寺を抜けて少し歩いた先にある、閑静な一角“浅草観音裏(あさくさかんのんうら)”。
かつて花街として栄え、老舗料亭や名店が軒を連ねていたこのエリアには今も、伝統を守る味わい深い飲食店が点在する。最近は意欲的な新店も増えて、“裏浅草(観音裏)”の名で注目される新グルメスポットとなっている。

2019年1月23日にオープンした『和食とワイン、酒 こへると』(以下『こへると』)もそのひとつ。
東京メトロ・都営地下鉄「浅草駅」から徒歩12分と、決して駅近とはいえない立地だが、オープン早々、多くの食通たちを集める人気店となっている。

店内はカウンター5席を含めて18席。カウンター奥には、料理人の金澤祐樹さんの姿が常に見える。

福岡出身の女性ソムリエと、青森出身の料理人との出会いで生まれた店

『こへると』の代表で、現在同店のソムリエとしてサービスを担当しているのは、福岡県出身でワイン厨房『Tamaya』のソムリエとして活躍していた音成麻衣さん。
一方、料理人の金澤さんは青森県八戸市内のホテルのレストランに勤務していた時に東日本大震災で被災し、30歳で上京。和食の名店として知られる、東京・板橋の『よし邑(むら)』で修業を積んだ。

そんな2人が出会って意気投合し、音成さんの薫陶でワインの魅力にはまった金澤さんもソムリエの資格を取得。『こへると』は、「いいワイン・いい器・おいしい和食のマリアージュを、カジュアルな価格で堪能できる店を出したい」という、2人の想いが一致したことで生まれた店だ。ちなみに『こへると』という店名は、金澤さんの故郷である青森県の方言「こへる(作る)」と、音成さんの故郷である福岡の方言「~と」をミックスさせた造語。2人の故郷愛もまた、この店独特の温かさの理由だろう。

▲同店の器は澤克典さんの作品を中心に、美術品のように美しいものが多い

▲ワインは、月替わりのメニューに合わせてソムリエの音成さんが毎月入れ替えている

オススメは8品で5,000円の「おまかせコース」

『こへると』は1品1,000円以下のアラカルトメニューも豊富だが、一番の人気は5,000円の「おまかせコース」。コース内容は月ごとに変わるので、訪れるたびに新しいおいしさに出逢うことができる。
さっそくコースの一部を紹介しよう。

▲先付の「根三ツ葉と槍烏賊(やりいか)の胡麻酢和え 美味出ジュレ」

まず始めに出された「根三ツ葉と槍烏賊の胡麻酢和え 美味出ジュレ」は、一般の三つ葉よりも茎が太く香りが強い「根三つ葉」のシャキシャキした食感と鮮烈な香りを、イカのねっとり感、ジュレのとろけるような舌ざわりが引き立てている。まさに根三つ葉を通して春を味わう一品で、コースへの期待が一気に高まる。

▲肴の盛り合わせ「八寸」

山海の素材を使用した肴の盛り合わせ「八寸」。
上から時計まわりに「新玉葱ムース」「姫サザエつぼ焼き」「大鰐(おおわに)温泉もやし 黄味酢がけ」「飯蛸(いいだこ)桜煮」「新じゃが蕗味噌(ふきみそ)和え」「稚鮎南蛮漬け」、中央は「クリームチーズ味噌漬け」。

「八寸」といえば、通常の懐石料理店ではコース中盤に供されるもの。だが『こへると』では2品目に登場。これは『よし邑』から踏襲しているスタイルで「最初にインパクトがあったほうが盛り上がるし、お酒も進みますから」(金澤さん)との理由だ。

桜の花、桜の若葉とともに、温かみのある信楽焼の大皿に盛られた八寸は、まるで一服の絵のよう。「先付け」で高まった期待感が、早くも「八寸」で最高潮に達する。

特にインパクトが強いのが、「大鰐温泉もやし 黄味酢がけ」(写真上・右)。
「大鰐(おおわに)温泉もやし」は、青森県南津軽郡大鰐町で温泉の熱を利用して栽培されている伝統野菜。一般のもやしよりもかなり細めだが、「これがもやし?」と驚くほどシャキシャキと歯切れが心地よく、クセになりそうなおいしさだ。

「新じゃが蕗味噌和え」(写真上・左)も、淡白な新じゃがとほろ苦いフキノトウが、お互いのよさを引き立てあう意外な好相性。蕗味噌の隠し味に、炒って粉にした鰹節を加えているのも、止まらなくなるおいしさの理由だろう。

八寸の内容は月替わりだが、唯一変わらない定番の肴が「クリームチーズ味噌漬け」(写真上・中央)。
3種類の味噌(西京味噌、田舎味噌、赤味噌)に少量の酒粕を加え、そこにクリームチーズを2日間漬け込んでいる。クリームチーズのコクに味噌のうまみが加わり、これ1品でお酒がどんどん進みそう。

新タマネギのやさしい甘みがうれしい「新玉葱ムース」(写真上・左)は、新タマネギの風味を活かすために水を加え加熱し、少量のこぶだしと塩、生クリームで仕上げている。和食以外の修業経験もある金澤さんならではの一品だ。

皿の上に、山吹が咲く春の野山が見える!「桜鯛山吹焼き」

▲焼物「桜鯛山吹焼き」

八寸の後はお造り、焼物の「桜鯛山吹焼き」と続く。
鮮やかな黄色の衣をまとった桜鯛が、春の若葉のように透明感のあるグリーンの織部焼の平皿に乗って登場すると、その美しさに思わず息をのむ。テーブルの上に突然、山吹の花が咲き乱れる春の野山があらわれたようだ。

串を打ち、備長炭で焼き上げた桜鯛に、玉素(たまもと:卵黄に米油、薄口醬油と塩で調味したマヨネーズのようなソース)をかけて、上火でさらに焼く。これは「素焼き(もとやき)」といい、日本料理では昔からある焼き物の調理方法の一つ。

玉素を塗った桜鯛に上から炭をあててゆっくり焼き、やわらかな上火で玉素が固まらない程度に火を通す。

焼きあがると上に、酒、塩、昆布だしで味をつけた卵を湯煎でじっくり火を通し細かくそぼろ状にした炒り卵をトッピング。

桜鯛の身は焼きあがっても内側からは弾けそうなみずみずしさに満ちていて、香ばしい皮目はほのかに炭の香りをまとっている。その桜鯛に、繊細な火加減でプリッとした食感に仕上げた玉素と、春霞のように細かくふわふわに仕上げた炒り卵がからむ。桜鯛のうまみと卵の甘み、繊細な食感が融合し、目でも舌でも春を感じさせてくれる、驚きの一品だ。

▲揚物「帆立と雲丹(海胆)の磯辺揚げ」

揚物は、半分にスライスした帆立にウニをはさみ、海苔で巻いて揚げたもの。帆立は口に入れた瞬間に溶けていくようなやわらかさで、後からウニに閉じ込められた磯の香りが口いっぱいに広がる。
それと対照的なあしらいの山菜、タラの芽とウドのほろ苦さと甘み。一皿で、春の海と春の山野の口福を感じさせてくれる。

この後に煮物(「眼張(めばる)おろし煮、筍、蕗」)、ご飯(「青柳とクレソンの土鍋ご飯」)、甘味(「苺ソルベ」)でコース終了。高級和食店にもひけをとらない内容でありながら、5,000円という破格の価格設定であることにあらためて驚く。

浅草に少しずつ根を張って、細く長く愛されるお店をめざしたい

「今の和食店は、低価格の居酒屋と高級店の二極化が多く見受けられます。でも、いい器でおいしい和食 を食べて 5,000 円くらいのコースなら、気軽に通っていただけるのではないか。居心地のいい空間で気楽に本物の良さを味わえるような、自分達が行きたいと思う店を作りたかったのです」(音成さん)。

そんな願いをかなえるように、同店は連日、食を心から楽しむさまざまなお客でにぎわっている。宣伝らしいことは何ひとつしていないのに、クチコミで日ごとに常連が増えているとのことで、浅草という土地のコミュニティー力の強さ、食への関心の高さをあらためて感じる。

「今後は、浅草に少しずつ根を張って、細く長く愛されるお店をめざしたいですね。そして自分とお店を少しずつ成長させていけたら、と思います」(音成さん)。

【メニュー】
おまかせコース 5,000円
ワイン グラス 800円~
    ボトル 3,900円~ 
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です


撮影:小野千明

こへると

住所
東京都台東区浅草3-9-10 キャピタルプラザ浅草1F
電話番号
050-3476-0038
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
18:00~24:00
定休日
水曜日
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/k39wsnz60000/
公式サイト
https://www.facebook.com/koheruto/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。