ジョエル・ロブションの薫陶を受けた、『モナリザ』巨匠シェフが表現する至福のフランス料理

ボンジュールフランス#3

2019年10月16日
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ジョエル・ロブションの薫陶を受けた、『モナリザ』巨匠シェフが表現する至福のフランス料理
Summary
1.パリ・スイスの名門レストランで学んだフランス料理の極意
2.日本の豊かな食材を生かす! 常に前進し続けるシェフのフランス料理
3.フランス料理の華やかさを体験しよう!スペシャルディナーご案内

“フレンチの神様”に認められた実力

フランス料理の歴史にその名を刻み、“フレンチの神様”とも称されるジョエル・ロブション氏。その神様に実力を認められ、愛弟子として薫陶を受けたのが河野透シェフ(写真下)だ。

厳選された食材を卓越した技術で調理し、自らがデザインした器に盛りつけた料理の数々は、ビジュアルも美しい逸品ばかり。河野シェフがオーナーを務めるレストラン『モナリザ』には、彼の料理を愛してやまないファンが東京のみならず日本中から訪れる。

河野シェフは、25歳で渡仏し、パリの『ギー・サボワ』を経て、ジョエル・ロブション氏が率いる『ジュマン』に入り、厳格で知られるロブション氏の下で修業。その後、『ジョルジュ・ブラン』やスイス最高のフレンチレストランと謳われた『ジラルデ』でさらに研鑽を積む。帰国後、『レストランひらまつ』のシェフを経て、『タイユバン・ロブション』の初代日本人シェフとして活躍。1997年に独立して、『モナリザ』をオープンした。

日本フランス料理界の大御所的存在でありながら、シーズン毎に50近くの新メニューを考案するなど、常に歩みを止めず、進化し続ける河野シェフ。シェフが作るフランス料理の魅力や、フランス料理への想いとは? 河野シェフに語り尽くしていただいた。

厳しかったロブション氏の下での修業時代

――フランスやスイスの名だたる名店でフランス料理の修業をされてきましたが、当時のフランス料理の様子は、シェフからご覧になっていかがでしたか。

河野:「フランスには8年間いましたが、フランス料理が最も進化した時期ではないでしょうか。それまでの伝統的な料理に対して、ヌーベルキュイジーヌが現れ、現代にも通じる味に変化していきました。その背景には、流通が発達したことで質の高い食材が手に入るようになったこと、そして調理道具も発達して新しいキッチンツールが開発されたことがその背景にあると思います。結果として、フランス料理はより素材を生かした料理が作られるようになったという印象です。そういった時代にジョエル・ロブション氏は、クラシックな料理をよりモダンに洗練させた料理を作っていました。現代の私たちが食べてもおいしいと感じられる料理を、すでに作っていたんです。私はそうしたモダンな料理を学ぶことができたと実感しています」

――フランス料理が進化していく時期に、シェフはどのような修業時代を送られましたか。

河野:「ロブション氏の下で働くことは、本当に厳しいものでした。氏の側を常に離れないようにし、その一挙手一投足を全身全霊で見守りました。息遣いで何が始まるのか、何を考えているのかわかるようになったぐらいです。そういった努力をし、ロブション氏に気に入られ、助手まで勤めるようになったからこそ、今の自分があると思います」

河野:「ロブション氏の店での学びだけでなく、スイスの『ジラルデ』で教わったことも大切な経験です。ロブション氏の料理は、“この料理にはあのソースを合わせる”という、ある意味ロジックのようなものがあり厳格で緻密なものでしたが、『ジラルデ』では、料理に合わせるソースは幾通りもあるという考え方で、応用がきく料理を作っていました。この2つのスタイルを学んだことで、自分の発想力が広がったと思っています」

素材を生かしたシンプルな料理こそ飽きることがない料理

――帰国後、『レストランひらまつ』、『タイユバン・ロブション』と料理長を歴任され、『モナリザ』をオープンされましたが、どういった店にしようと考えましたか。

河野:「ずっとグランメゾンで料理を作っていましたが、独立する際はビストロ料理がやりたかったんです。ですから、『モナリザ』は、当初、リーズナブルでカジュアルな料理を楽しむ店にしようと考えていました。ただ、いらっしゃるお客様の要望に応えているうちに、値段はリーズナブルなままで、質の良い素材を使い、グランメゾンに匹敵するような料理を作るようになりました」

――具体的にはどんな料理を作ろうと心掛けていますか。

河野:「流行とは関係なく、食べておいしい料理を目指しています。スタイルは昔から変わらないかもしれませんが、いろいろな食材やソース、調理法を組み合わせて、お客様を飽きさせない、いつ訪れてもおいしく、また食べたくなるような料理を作っていきたいですね。ロブション氏は、よく一皿に3品以上を組み合わせるなと言っていました。何品も組み合わせると、バリエーションがあって、見た目には美しいかもしれませんが、何を食べたのか印象に残りません。料理は新しいスタイルが登場すれば、そのスタイルが話題になったりしますが、シンプルで素材を大切にする料理を私は目指しています」

――シンプルな料理こそ素材の厳選が重要になると思いますが、シェフご自身で素材を吟味されているのでしょうか。

河野:「フランスから日本に帰国したとき、日本にはフランス料理に使用できるような食材が少ないと思いましたが、それは“少ない”のではなく“知らなかった”のです。日本には良い食材がたくさんあることを教えてくれたのはフランス人でした。肉も魚も野菜も種類が豊富にあるのに、『どうして使わないの?』とフランス人シェフに言われたことがありました。今では、産地にも赴き、日本の食材を積極的に使っています。日本は、食材の質が高くて、逆にどうやって調理しようか悩んでしまうぐらい。和の食材を取り入れることで、料理もどんどん進化していきます」

フランス料理を楽しむ人たちの裾野を広げたい

――宮崎県の食の伝道師「みやざき大使」を務めるなど、レストランだけでなく、幅広く活躍されていますが、これからの日本のフランス料理についてどのようにお考えでしょうか。

河野:「この1~2年、フランス料理はどうなっていくのだろうかと考えることがしばしばあります。まず、もっと若い人たちにフランス料理に興味を持ってもらえるようにしたいですね。また、フランス料理は、コースで時間をかけて、何皿も出てくるイメージがありますが、2品ぐらいで満足できるようなフランス料理があってもいいんじゃないかなと思います。コースを食べたい人だけではなく、多様なスタイルでもっと多くの人にフランス料理を楽しんでもらいたいですね」

美術品のような美しい一皿は素材が生きた至福の味わい

――『モナリザ』を代表するような料理をご紹介ください。

▲カニとサラダ菜を詰めたトマトのロザス仕立て

河野:「『モナリザ』は、いわゆる“定番”が少ないのですが、こちらのメニューはそのうちの一つです。完熟したトマトをくりぬいて、ズワイガニとアボカド、サラダ菜を詰めて、ガスパッチョのようなフレッシュトマトのソースを合わせています。オープン以来20年間ずっと変わらずに作り続け、お客様にも人気があります。ちなみに、トマトの完熟のさせ方が難しい。熟し過ぎると詰め物をする際にトマトが崩れてしまいますし、熟れていないとソースがきれいな赤色にはなりません」

▲マゴチのエスカロップ マリニエールソース 彩り夏野菜とともに

河野:「マゴチを完全に火を通さず、中がレアな感じになるように調理しています。下に大葉のバターソース、上に梅を使ったブールブランソース(白ワインとバターのソース)と2種類のソースを合わせています。上下にソースを使うことで味に深みが出ます。大葉と梅は相性がいいですしね。和のテイストはフランス料理でも人気があり、どんどん取り入れていっているというのが今のフレンチの流れですね」

▲仔羊ロース肉の香草風味岩塩生地包み焼きロースト 夏野菜パスタ

河野:「パセリやパン粉、タイム、ローズマリーをまぶした仔羊の塊肉を岩塩のパイで包んで焼きました。加熱した後もパイが熱いので、余熱で中までじっくり火が通ります。急激に焼かないため、肉が柔らかく仕上がるんです。付け合わせはズッキーニやパプリカといった夏野菜に、イカスミのパスタを添えています。パスタは今シーズン初めての発想。彩りも食感も楽しめるように工夫しました。こちらの料理は数少ないスペシャリテの一品で、包む肉は仔牛や仔鳩のときもあります。ファンの多い料理で、これだけを食べに来る人もいるんですよ」

――シェフがデザインした一皿に盛り付けられた、華やかな料理の数々は、ひと口食べると、旬の食材が持つ豊かさと、手間と時間をじっくりかけた奥深い味わいに思わず唸る。上質で、どこか親しみやすい一品は、“巨匠”と呼ばれる存在でありながら、常に食べる人への思いやりを忘れない河野シェフの人柄が反映されているのかもしれない。

フレンチガストロノミーを讃えるスペシャルディナーのご案内

さて、河野シェフが作る至福の一皿を味わえる、1日限りのイベントが2019年10月30日(水)に『モナリザ丸の内』で開催される。秋真っ盛りの日本の食材を、シェフの卓越した技術で極上のフランス料理に昇華した一皿をいただける貴重な機会。フランス料理の奥深い魅力をぜひ体験しよう。

極上の料理に寄り添う至福のシャンパーニュ

おいしい料理を味わうひとときをさらに魅力的にするのは、やはり極上のワインやシャンパーニュ。今回のイベントで楽しめるのは「テタンジェ」のシャンパーニュだ。

「テタンジェ」は、世界中の高級レストランから愛されている、フランスを代表するシャンパーニュ・メゾンの一つ。1734年創業以来、社名に冠したテタンジェ家が経営する、今日では数少ない家族経営のメゾン。一番のこだわりはぶどう作りにある。自社所有畑の比率が、他のメゾンより高く、繊細でエレガントな独自のスタイルを象徴する良質なシャルドネを豊富に所有。これにより、安定した高い品質が保たれ、繊細で上品な味わいのワインが生まれる。

イベントでお楽しみいただける銘柄は「ブリュット レゼルヴ」。長期瓶熟成を感じさせる繊細な泡立ちと、ブリオッシュや桃などを思わせるアロマ、生き生きとした切れ味ある味わいを持ち、シャルドネ比率の高い「テタンジェ」の真骨頂が味わえるシャンパーニュだ。サーモンなどのシーフード料理と合わせると、フレッシュで洗練された果実味が食材の味わいを一層引き立てる。

テタンジェのシャンパーニュは『モナリザ』でも愛用されており、河野シェフが手掛ける料理とも好相性。シャンパーニュと極上の料理が奏でる至福のマリアージュを心ゆくまで楽しみたい。

▼テタンジェ
http://www.sapporobeer.jp/wine/taittinger/

【イベント概要】
日時:2019年10月30日(水)19:00~22:30
場所:モナリザ 丸の内店
参加費:15,000円(税サ込)/お1人様
特別ディナーコース
シャンパン、白・赤ワイン込

モナリザ 丸の内店

住所
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング36F
電話番号
03-3240-5775
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
月~日
ランチ 11:30~15:30
(L.O.14:00)
ディナー 17:30~23:00
(L.O.21:00)
定休日
元日
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/g763345/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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dressing編集部