【連載】金曜日のシャンパーニュ week2

ここ数年、シャンパーニュを飲む人が増えている。香り、味わい、爽快感…他の「泡」では得られない満足感はシャンパーニュならでは。そこで、ちょっとリッチに過ごしたい金曜の夜に飲みたいシャンパーニュを日本を代表するワインジャーナリストでシャンパーニュ通として知られる柳忠之さんにセレクトしていただいた。

2015年10月02日
カテゴリ
レストラン・ショップ
  • レストラン
  • ワイン
  • 和食
  • 銀座
  • 連載
【連載】金曜日のシャンパーニュ week2
Summary
・有名レストランのプライベートラベルとして評価されてきた
・シュイィのシャルドネのみ
・銀座の日本料理にて

トップレストランが認めたシャンパーニュ

昼夜コテコテのフレンチに明け暮れたこの一週間、金曜の夜くらいは胃袋をいたわり、繊細な日本料理で締めくくりたいなんていうこともある。そんな時、ピュアな風味のブラン・ド・ブランが1本あれば、ずっと通しで楽しめる。私の最近のお気に入りは「RLルグラ」だ。
シャルドネの聖地と言われるコート・デ・ブランのシュイィに、1808年から続くメゾン。5ヘクタールの自社畑をこのグラン・クリュに持ち、買い付けるブドウもシュイィのみという、シュイィのシャルドネにこだわったメゾンである。
シャンパーニュの品質は申し分ないのに、今ひとつ知名度が低いのは、50年代に自社醸造を始めて以来、これまでの間、生産量の多くを有名レストランのプライベート・ラベルとして販売してきたためだ。71年、クロード・テライユに気に入られ、「ラ・トゥール・ダルジャン」のプライベートラベルを作ったのを皮切りに、「ギィ・サヴォワ」や「ランブロワジー」など、有名レストランから続々と引き合いが来たという。

日本料理に合うやわらかなタッチ

ルグラのラインナップには、「プレジダンス」や「サン・ヴァンサン」といった秀逸な上級キュヴェもあるのだが、もっともスタンダードな「ブラン・ド・ブラン・ブリュットNV」、これでいい、いや、これがいい。
シュイィのシャルドネは同じくコート・デ・ブランでも、メニルのような厳格な性質ではないから、若い時に開けてもとげとげせず、柔らかなタッチで舌を包んでくれる。リザーヴワインは前年の1年分だけだし、瓶内熟成期間も2年とさほど長くはないけれど、そのおかげで柑橘系のアロマとフレッシュな風味が保たれるのだ。たしかにシャンパーニュの醍醐味は長期瓶熟成による複雑なフレーバーとはいえ、それも場合によりけり。とくに上品な日本料理をいただくなら、過剰なイースト香は無粋だと思う。

都内屈指の日本料理店にて

世界のトップレストランに愛されてきたシャンパーニュを日本料理で愉しむ。そう考えた時に真っ先に思い浮かんだのは、2003年の開店より常に高い評価を受け、2012 年に銀座・並木通りに移転後も変わらず上客に愛される日本料理「銀座 小十」をおすすめしたい。ご主人・奥田透さん自らもソムリエ・きき酒師・焼酎アドバイザーの資格を持ち、酒のセレクトにも定評がある。繊細な日本料理のワインを合わせるのは難しいと思われがちだが、確実な1本を選んでもらえることだろう。

<料理>
「RLルグラ ブラン・ド・ブラン・ブリュットNV」※要問合せ
昼21,600円
夜27,000円
※税込、サービス料10%は別途

※柳忠之さんのスペシャルな記事『キンメリジャンがワインに何を与えるのか?~ワインマニアのためのテロワール講座その1~』はこちら

銀座 小十

住所
〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目4-8 カリオカビル4F
電話番号
03-6215-9544
営業時間
12:00~L.O.13:00、18:00~L.O.21:30
定休日
定休日 日・祝、夏季休暇、年末年始
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/g996500
公式サイト
http://www.kojyu.jp/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。