フランス発。レモネードのような爽やかな味わいの微発泡ワイン

【連載】東京・最先端のワインのはなし verre17  ヴァンナチュール。自然派ワインとも訳されるこのワインは、これまでのスノッブな価値観にとらわれない、体が美味しいと喜ぶワイン。そんなワインを最先端の11人が紹介する。

2016年02月17日
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フランス発。レモネードのような爽やかな味わいの微発泡ワイン
Summary
1.現在日本には正式輸入されていない微発泡ワイン
2.2005年からワイナリーをスタートさせたばかり
3.熟成させるとまったく違った表情を見せる

代々木上原駅前にあるビストロ、「メゾンサンカントサンク」。その1階にワイン好きが注目する立ち呑みスペースがある。お店全体のワインを取り仕切りつつ、自らはこのカウンターに立つ、ナチュラルワイン界の若手のホープ、田井良樹さんにオススメワインを紹介していただく。前回に続き見慣れない一本が、、、

spumosum / le pelut(Pierre Rousse)<スプモスム/ル・プルト(ピエール・ルス)>

田井さんがお薦めするのは、南仏・ラングドックの造り手ピエール・ルス。以前は日本に輸入されていたが、現在取り扱うインポーターがない、ある種幻の一本だ。ワイナリーをはじめたのは2005年。Villarzel-du-Razesという1haの畑にメルロを植えたことから始まったという。標高は400mで南向きの斜面。もう一つのla Motheという畑ではメルロ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワール、シラー、シャルドネなどが植えられている。栽培・醸造はシンプル。培養酵母や二酸化硫黄ほかワイン用の薬品を加えることなく、また醸造中に冷やしたり熱したりすることなく、葡萄が自然に形を変えた結果としてのワインをリリースしているという。

<田井さん>
つい先日、フランス・ロワール地方に行ってきたのですが、その時に2つの見本市というか試飲会に参加してきました。一つは、ソミュールで開催された「ディーヴ・ブテイユ」もう一つはアンジェで開催された「アノニム」です。

そのアノニムの開場で出逢ったのが、このle pelutというドメーヌのspumosumというペティアン・ナチュレルです。美味しい、というか何か惹かれるワインです。出逢ったとは言いましたが、このドメーヌを運営するピエール・ルスという人物には以前会ったことがあるんです。

いつだったか、僕がフランスにいたときに働いていたビストロにピエールが遊びに来た事があったんです。その時は、シャルドネから造られた白、ピノ・ノワールから造られたロゼ、そしていろんなブドウを混醸した赤という3種類を飲ませてもらいました。その時の印象としては美味しいんだけど、揮発酸がきつかったという感じですね。彼はその他にハードリカーも造っていて、マールやシードルもあるんです。

このスプモスムは2014年に栽培されたシャルドネ100%でできた微発泡のペティアン・ナチュレルです。味わいとしてはレモン果汁のような、酸味があってさっぱりした印象ですね。なにか今まで味わったことのない、味筋なんですが、そのレモネードのような感覚がペティアンとしてはすごく良いと思います。まずは一杯目に飲みたいですね。

このワイナリーのワインはアノニムでいろいろ試飲できたのですが、そのすべてのキュヴェで酸味が強調されています。ただ、2010年ヴィンテージも飲んだのですが、それは酸味が引いていて、果実味が強調されてきます。おそらく、このペティアンも時間を置くと、いいと思います。考えていないようで熟成を考えて作っているんだと思いますね。

<お店での価格>
ボトル6,000円

メゾンサンカントサンク

住所
〒151-0066 東京都渋谷区西原3-5-1 2F・3F
電話番号
03-5454-5631
営業時間
17:00~1:00(1Fは18:00~)
定休日
定休日 日曜(月曜が祝日の場合は日曜営業、翌月曜が振替休日)
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/2yvr078w0000/
公式サイト
http://maisoncinquantecinqbistro.tumblr.com/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。