“一人焼肉の聖地”高円寺で出逢った、肉汁あふれる塊肉がうまい『肉山』ゆかりの焼肉の新名店!

【連載】肉の兵法 第十五回  肉に向かうときに雑になってはならぬ。どこでどんな肉を食べるのか、組み立てるのが大人のたしなみであり、男の作法。「大人の肉ドリル」著者である松浦達也氏がうまい店の肉をさらにうまく食べるための作法を解説する。

2017年02月22日
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“一人焼肉の聖地”高円寺で出逢った、肉汁あふれる塊肉がうまい『肉山』ゆかりの焼肉の新名店!
Summary
1.大阪・鶴橋でも神奈川・川崎でもない、東京にある“一人焼肉”の聖地・高円寺で今行くべき店とは?
2.店主は『塩ホルモンさとう』『らいおんホルモン』『かるびあ~の』などで修業
3.ほぼ全品500円だが、狙うは1,500円の塊肉

酒呑みにとっての聖地はどこか。この問いに対して唯一絶対の明快な回答を出せる人はいない。ある人にとっては赤羽だろうし、立石に決まっているじゃないかという人もいるだろう。その他、新橋や神田など「酒場の聖地」はあまたある。

では「焼肉の聖地」はどこか。全国をぐるりと見渡せば大阪の鶴橋、川崎のセメント通りなど焼肉店が集中する「聖地」とみなされるスポットはある。東京にしても、北区・鹿浜の『スタミナ苑』のようにそう言われる店はあるが、「町としての焼肉の聖地」はあまり可視化されてこなかった。

ところが昨年、20年ほど前に住んでいた町を歩いて気がついた。どうやら焼肉店が増えているようなのだ。ふらりと何軒かのれんをくぐってみた。カウンターだけの店もあれば、食べ飲み放題でもないのに90分一本勝負の店もある。実にバリエーションが豊富になっている。

だが共通項もあった。一人客に対応してくれる店が多いのだ。近年、立ち食い焼肉チェーンの台頭もあって、「一人焼肉」のすそ野は広がったが、この町では立ち食いでなくとも、一人で肉を食べに来る客が多い。そして店側も当たり前のように一人客を受け入れている。というわけで、最近僕はこっそりこの町、高円寺を「一人焼肉の聖地」というふうに位置づけている。

さてある日、今日はどこで焼こうか……。なんて考えながら高円寺の南口を歩いていたら、高円寺パル商店街から脇道に入った暗がりにぼうっと「塩ホルモン」の文字が浮かんでいた。このあたりは、一人焼肉店が多いエリアからはちょっと外れている。

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