【いま一番行っておきたいオトナの遊び場】学大駅前にオープンするなりいきなり大人気の立ち呑みイタリアン

【連載】幸食のすゝめ #043 食べることは大好きだが、美食家とは呼ばれたくない。僕らは街に食に幸せの居場所を探す。身体の一つひとつは、あの時のひと皿、忘れられない友と交わした、大切な一杯でできている。そんな幸食をお薦めしたい。

2017年05月31日
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【いま一番行っておきたいオトナの遊び場】学大駅前にオープンするなりいきなり大人気の立ち呑みイタリアン
Summary
1.東急東横線・学芸大学駅前に今年の4月にオープンしたばかり
2.学芸大・都立大に店を構える「予約の取れないイタリアン」の3店舗目
3.立ち呑みと椅子席が混じり合うことで生まれる独特のグルーヴ感が楽しい

幸食のすゝめ#043、熱々の空気には幸いが住む、学芸大学

午後8時、カウンター・キッチンで、巨大な岩中豚の塊肉が焼き上がる。圧倒的な存在感とジューシーな香りに、たちまち店が熱気に包まれていく。
「ほら、コレよ。ここに来たら、絶対にコレ食べなきゃ!」、ベージュのスリーブレスを着た女性が隣りの彼に興奮気味で話している。

「俺もください!」、「こちらも!」、たちまち店中からリクエストが殺到する。満面の笑顔で頷きながら、シェフの堤亮輔さんが手慣れた手付きで巨大な肉をカットし始める。アリスタ(・ディ・マイアーレ)、トスカーナ地方の名物料理だ。

町田から八王子の大学に通っていた頃、居酒屋とイタリアンで飲食のアルバイトを体験。接客の楽しさや、料理のクリエイティビティを知り、大学よりバイトの方が楽しくなっていく。
教室の机に座っている時より、広いキャンバスを歩いている時より、パスタを茹でている時間が楽しかった。父親に相談すると、「自分がやりたいことが見つかったら、辞めてもいい」と言われ、イタリア行きを決意する。
向かった先はトスカーナ、アリスタが生まれた場所だ。

1年間で2店舗の厨房を経験し、帰国。料理の基本を学ぶため、改めて専門学校に入学する。卒業して、自由が丘のフレンチへ。大井町線沿いの吉野家の2階で、クラシックなソースの基本と接客を学ぶ。
松濤のレストラン時代には、『旬味 森やま』の森山裕介さんや、『オトナノイザカヤ中戸川』の中戸川弾さんなど、生涯の友にも出会う。歳が同じだった3人は、寝る間も惜しんで働き、将来の夢を語り合った。
その後、恵比寿のイタリアンのオープニングスタッフを経て、和食のカウンターキッチンを経験。
その時、客と話しながら料理の行程すべてを見せる楽しさと緊張感を知る。
堤シェフの3軒目となるこの店の原点だ。

「35歳までに、店をやる」、いつからかそう決めていた。その頃から、「3店舗やる」という構想も固まっていた。

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