これぞ本場の味! 韓国出身の料理研究家が教える、本当においしい「白菜キムチ」の作り方

2018年02月15日
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これぞ本場の味! 韓国出身の料理研究家が教える、本当においしい「白菜キムチ」の作り方
Summary
1.韓国出身の料理研究家が伝授! 本場の「白菜キムチ」の作り方
2.保存料や添加物なしで作れるのも嬉しいポイント
3.日本ではまだほとんど知られていない、キムチを使った簡単アレンジレシピも必見

韓国を代表する家庭料理「キムチ」は、日本でも焼肉やご飯のお供として超定番。キムチ鍋やキムチ炒めなどのアレンジも親しまれており、いまや食卓に欠かせない料理のひとつとも言える。

今回はそんな「キムチ」の漬け方を、本場韓国の料理研究家・キムヨンハさんに伝授していただいた。
韓国ではさまざまな種類のキムチが食べられているが、今回教わったのはもっともベーシックな「白菜キムチ」。日本の家庭でも作りやすいレシピなので、白菜が旬の今こそ作ってみてほしい一品だ。

■本場・韓国の味! 家庭でも作りやすい「白菜キムチ」のレシピ

韓国では、どの家庭でもキムチを仕込む。仕込み作業は一般に母親の役割で、家庭によって味が違う。そのため、家ごとにいわゆる「おふくろの味」ができあがっていくのだとか。

保存料や添加物フリーで作ることができるのも、自家製ならではのメリット。もちろん熟成に時間はかかるが、完成したときの感動はひとしおだ。

おいしく作るポイントは、キムチを揉み込むときに「キムチのり」を入れること。キムチのりとは、小麦粉を水で溶いたのり状のものを指す。これを加えることで、味が馴染みやすく、まろやかさのあるキムチに仕上がるのだ。

■材料 (作りやすい分量)

・白菜 … 1株
・タマネギ … 1個
・ニンジン … 1/2個
・万能ネギ … 1/2束
・粗塩 … 1カップ
・水 … 8カップ
・炒りゴマ … 適量

<キムチのり>
・水 … 150ml
・小麦粉 … 大さじ3

<ヤンニョム(合わせ調味料)>
・[A]唐辛子粉 … 1カップ
・[A]イワシエキス … 2/3カップ
・[A]おろしニンニク … 2/3カップ
・[A]おろしショウガ … 大さじ1
・[A]砂糖 … 2/3カップ

■作り方 (調理時間:90分 ※漬け込む時間を除く)

① 白菜は食べやすい大きさにザク切り、タマネギは薄切り、ニンジンは千切り、万能ネギは5cmの長さに切る。

② 大きなビニール袋に白菜、粗塩を入れてよく揉み、水(8カップ)を加えてさらに揉みこむ。

③ 10分に1度、上下を入れ替えるように混ぜる。この作業を4回繰り返す。

④ フライパンに水、小麦粉を入れて溶かし、中火にかけながら混ぜる。のり状になったら火からおろす。

⑤ ボウルにAをすべて入れて混ぜ合わせ、④のキムチのりを加えて全体がなじむまで再び混ぜる。

⑥ ③の白菜をザルにあけ、2~3kg程度の重しをのせて水気をしっかりと切る。(重しがない場合は、大きめのボウルや鍋に水を張ってのせるとよい)

⑦ ボウルに⑥、タマネギ、ニンジンを入れ、⑤を加える。ビニール手袋をした手でかき混ぜる。

⑧ 万能ネギと炒りゴマを加え、全体がなじむまで手で混ぜ合わせる。

⑨ 清潔な保存容器に移して、室温に置いてから冷蔵庫に入れて保管する。

※室温におく時間の目安
・冬:一晩
・夏:3時間
・春秋:6時間

■保存期間について

一般家庭の冷蔵庫ならば、2〜3週間を目安に食べきることをオススメする。
それ以上経っても食べることはできるが、徐々に酸味が強くなる。酸味が出たキムチは、炒めものや鍋などのアレンジに使うのが良い。


自家製キムチは汎用性抜群。今回はキムさんが、せっかくだからと、日本ではまだ馴染みのない本場韓国ならではのアレンジレシピを合わせて紹介してくれた。

■キムチ+おからでヘルシーに! 韓国ではお馴染みの「キムチおからチゲ」

日本でも韓国でも馴染みの深い「おから」を使ったヘルシーなチゲ。おからを鍋に入れるというのは日本ではあまり馴染みがないが、韓国ではごく一般的な使い方なのだそう。

ポイントは、煮る前におからを炒めること。この工程がおから独特の大豆のにおいを抑えることにつながり、上品な味わいに仕上げることができる。

■材料 (2人分)

・キムチ … 100g
・豚バラブロック … 100g
・おから … 200g
・だし汁(※) … 300ml
・ゴマ油 … 大さじ1
・おろしニンニク … 小さじ1
・醤油 … 小さじ2
・塩 … 小さじ1/2
・万能ネギ … 適量
・糸唐辛子 … 適量

(※)鰹だしパックなどでだしをとるか、もしくは水300mlに、顆粒だし小さじ2/3を溶く。可能であれば、イワシと昆布の合わせだしがオススメ。

■作り方 (調理時間:30分)

① キムチは細かく刻む。豚バラブロックは1cm幅に切ってから縦半分に切る。万能ネギは小口切りにする。

② 鍋にゴマ油、おろしニンニク、豚肉を入れて中火で熱し、豚肉に火が通るまで炒める。

③ ②にキムチを加えて炒めたら,おからを加えて弱火で混ぜながら5分炒める。

④ 中火にし、だし汁を加えて5分煮たら、醤油、塩を加える。煮立ったらゴマ油を加えてかき混ぜてから火を止める。

⑤ 器に盛り、糸唐辛子と万能ネギをのせる。

■ピリ辛味に食欲が止まらない! ボリューミーな「スペアリブキムチ煮込み」

キムチとスペアリブを合わせた、ダイナミックな煮込み料理。肉のうまみたっぷりのスペアリブにキムチの適度な辛みが加わることで、ボリュームたっぷりなのにいくらでも食べられる、絶妙なピリ辛味に仕上がる。

調理の最大のポイントは、煮込む際、キムチの漬け汁を加えること。野菜のエキスが染み出した漬け汁は、スープの仕上がりに深みを与えてくれる。また、お好みでお酢を加えると酸味が加わり、熟成の進んだキムチのような味わいになる。

スペアリブを手に入れるのが難しければ、スペアリブ以外のお好みの豚肉で作ってもOK。オススメの部位は、適度に豚の脂が出る豚バラ肉の薄切りだ。

■材料 (2人分)

・スペアリブ … 8本
・キムチ … 250g
・[A]粒黒コショウ … 6粒
・[A]ローリエ … 1枚
・[A]味噌 … 大さじ1
・[A]ショウガ … 1かけ
・酒 … 大さじ2
・[B]だし汁(※) … 400ml
・[B]キムチの漬け汁 … 大さじ2
・[B]唐辛子粉 … 小さじ1
・[B]おろしニンニク … 大さじ1
・[B]たまり醤油 … 大さじ1
・[B]砂糖 … 大さじ1
・長ネギ … 1本
・タマネギ … 1/2個

(※)だしパックなどでだしをとる。または、水400mlに顆粒だし 小さじ1を溶く。

■作り方 (調理時間:45分)

① スペアリブは、かぶる程度の水(分量外)の中に入れて約30分ほど置いておく。

② タマネギはくし切り、長ネギは斜め切りにする。

③ 鍋にスペアリブがかぶる程度の水(分量外)とAを入れて中火で熱し、沸騰したら酒とスペアリブを入れて10分間茹でる。茹で汁を捨て、スペアリブを取り出し、冷水できれいに洗う。

④ 鍋にキムチを平らに敷いて、Bを入れる。

⑤ ④の鍋にスペアリブ、タマネギの順に加えて中火で熱し、煮立ったら蓋をして弱火で30分熱する。

⑥ 長ネギをのせて3分煮たら火を止める。
(※味見をし、味が濃ければだし汁を追加、味が薄ければキムチの漬け汁を追加する)



韓国の料理研究家直伝のキムチレシピと、自家製キムチのおいしさを活かしたアレンジレシピを紹介した。

アレンジレシピの「おからチゲ」と「スペアリブ煮込み」はまだ日本ではほとんど知られていないが、本場韓国ではポピュラーなメニュー。白菜がおいしい今の時季にキムチを仕込んで、さまざまなアレンジに活用してみてはいかがだろうか。




【レシピ作者プロフィール】
フードコーディネーター、スタイリスト
金英貨(キムヨンハ)
韓国出身
1977年8月19日生まれ

食のコンテンツ企画制作会社、食品企業にて、レシピ開発やスタイリング、撮影調理を行っています。韓国料理を得意とし、韓国語の語学学校で料理教室の講師も務めています。

【撮影編集協力】
レシピ制作:フードクリエイティブファクトリー
「あなたとあなたの大切な人との暮らしをもっと穏やかで創造的に」を企業理念とする食のクリエイティブに特化した企画制作チーム。
食の企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、
イベントなどを手がけています。
HP:http://foodcreativefactory.com/
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