オープン3カ月で早くも名店の予感!予約の取れない『中華香彩JASMINE』の姉妹店が中目黒にOPEN

2016年06月28日
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オープン3カ月で早くも名店の予感!予約の取れない『中華香彩JASMINE』の姉妹店が中目黒にOPEN
Summary
1. 中国の食文化を牽引してきた江南地方を代表する紅焼料理とは?
2. 総料理長の人生を変えた「よだれ鶏」が看板メニュー
3. 大人気の餃子を10倍おいしく食べる方法を教えます

江南地方ってどこ? 実は中国屈指の食文化都市が集まるエリア

2016年3月、中目黒駅から徒歩10分。目黒区青葉台の閑静な住宅街に予約困難で有名な広尾『中華香彩JASMINE』の姉妹店がオープンした。山口祐介総料理長の念願だった中国江南地方の料理を中心にした『JASMINE憶江南』である。

ゆったりとしたテーブル席、喫煙できるBAR、個室があり、さまざまなシーンに使える一軒家レストランだ。江南地方と言われてもピンとこない人がほとんどだと思うが、浙江省、江蘇省、上海市を含み、上海、杭州、紹興、蘇州、鎮江など中国食文化の代表とも言える都市が属す。洗練された「名菜」と素朴な田舎料理「家常菜」を併せ持ち、土壌に恵まれた四季折々の旬の食材、紹興の紹興酒、杭州の龍井茶、上海醤油や鎮江の黒酢などの調味料にいたるまでまさに食の宝庫なのである。

東京、香港、上海、杭州、北京などのホテルや専門店で研鑽を積んだ山口総料理長が惚れこんだのが江南地方の伝統的な調理法「紅焼(ホンシャオ)料理」。甘辛く煮込んだ豚の角煮「紅焼肉(ホンシャオロー)」は、江南地方の国民食のような存在で、たまらなくおいしいのだと言う。「紅」は醤油、「焼」は煮るという中国語の意味のとおり、上海のたまり醤油で煮たバラ肉はちょっぴり甘みがあり、見た目ほどしょっぱさを感じない。シナモンの香りが鼻をくすぐり、これが本当に田舎料理なのかと思わされる。

何より肉がおいしい! 皮はカリッとしていて、少なめの脂は甘みがあるのになぜかさっぱりしている。この味を出すために皮付きのバラ肉を輸入しているそうだ。こってりとした醤油煮込みにもってこいの肉である。現地の台所で見て聞いて学んだことを忠実に再現しており、小さい鍋で3 時間、強火で沸騰させつつ圧をかけずに、水、紹興酒、醤油で煮込む調理法は家庭料理そのものである。とろんとした脂が主役の和食の角煮とは真逆で、肉そのものの味がおいしさの鍵を握る。

歓声があがる! 蘇州の名菜、「松鼠魚」のように美しく華やかなひと皿

「松鼠」を読めるだろうか? 答えは「リス」である。蘇州の名物料理「松鼠魚」の包丁の技術を模って、身は皮を切らずに三枚におろし、包丁で切り込みを入れ、油で揚げる。尾を持ち上げると身がつながっていなければいけない。こういうテクニックも本場仕込みだ。本日の魚はカサゴ。表面はサクサク、中はふんわりやわらか。オリジナルの甘酢によくあう。中国太湖の川海老はぷりっぷり。

川海老といえば身がほとんどない小さい海老を想像するが、こちらは肉厚。山盛りいっぱい食べたいくらいだ。リスに見立てた盛りつけの美しさにため息が出る。

広尾店で生まれた“JASMINE通”の餃子の食べ方とは?

もうご存知の方も多いであろう、JASMINEの餃子をおいしく食べる方法を。それは看板料理「よだれ鶏」のタレを餃子につけることである。JASMINE通は必ず「よだれ鶏」と餃子はセットでオーダー。その流れはもちろん『憶江南』にも受け継がれているのだが、総料理長のおすすめはさらに黒酢をプラス! よだれ鶏のタレは塩気のある鶏にあわせているので、肉の甘みがある餃子だと少し物足りない。そこで黒酢を入れるとおいしさが倍増するそうだ。

そうそう、まずは「よだれ鶏」と「上海屋台の焼き餃子」について説明しておかなければ。20歳の山口氏が初めて北京を訪れ、入った店で「口水鶏」という文字を見た。どんな料理かもさっぱりわからないまま注文して食べた瞬間、「なんじゃ、この旨さは!」と驚愕し、いつか料理長になった時に看板メニューにしてやろうと思ったという。その味は年月が経っても記憶に残っており、料理長になる日まで味の追求をし続けた。その結果、15種類もの香辛料を移した特製ラー油と黒酢をあわせたオリジナルのタレが想像を絶するおいしさで、あっという間に看板メニューとなる。これは食べたものにしかわからない“味の奇跡”である。

その「よだれ鶏」をつけて食べる「餃子」もかなり進化を遂げた。特筆すべきは餡と焼き方。肉が多めの餡の中には豚の皮からとったスープで作った煮こごりをまぜる。餡はもっちもちの自家製の皮に包まれ、まずは蒸す。そして油たっぷりの鉄鍋で“揚げ焼き”にする。食べた瞬間、小籠包並みの肉汁が溢れ出すので要注意だ。正直、そのままでも十分おいしいのだが、せっかくなので「よだれ鶏」のタレに黒酢を入れてみる…、これは2倍ではない! 10倍増しである! ぜひお試しあれ!

まだ知られていない紹興酒に酔いしれる

『憶江南』オープンに伴い、ワインのように料理に合わせて紹興酒が飲めるようになった。山口氏のおすすめは「紹興貴酒 10年」と「陳年大越 貴酒 15年」。同じ大越酒業有限公司のものだが前者はベーシックで手作り感満載。バランスが良く、どんな料理にもあう。紅焼料理や酢豚にはこれが最適。中国でもレベルが高いレストランにしか置いていないそうだ。後者はカメ仕込みでじっくりと熟成させている。芳醇な香り、まろやかで深みのある味は珠玉の逸品と言える。まだ日本で知られていない「麗美」や「唐宋」、「石庫門」なども置いているので興味深い。

自らを「中国オタク」と呼ぶほど中国文化をこよなく愛する山口総料理長。中学時代から中華街に通いつめ、卒業以降は中華一筋。今も年に数回勉強をしに中国を訪れている。上海の家庭では父親が食事を作る、「おふくろの味」ならぬ「おやじの味」。砂糖、醤油、紹興酒がベースの江南料理は和食に通じ、どこか懐かしい。クラシックな味を大切に守りつつ自らの料理を突き詰めている山口氏にこれからも目が離せない。

(メニュー)
JASMINE名物 よだれ鶏 蒸し鶏の香りラー油/1,600円
上海屋台の焼餃子(3個)/600円
張家の紅焼肉(上海家庭風豚の角煮) 干し筍の田舎風煮込み添え/2,000円
蘇州名菜 松鼠を模った魚の丸揚げ 甘酢あんかけ/4,000円〜
コース/6,500円〜
紹興貴酒 10年/グラス 1,200円、ボトル 5,200円
陳年大越 貴酒 15年/ボトル 8,800円
※税別

JASMINE 憶江南

住所
〒153-0043 東京都目黒区東山1-22-3
電話番号
050-5785-3755
営業時間
月~日・祝前日・祝日 11:30~23:00(ランチ 11:30~15:00(L.O.14:30) ディナー 18:00~23:00(L.O.22:00))
定休日
定休日 年中無休 ※年末年始除く
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/7zkc92xe0000/
公式サイト
http://nakameguro.jasmine310.com/index.php

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。