フレンチと器(皿)が創る、芸術性あふれるフランス料理『レストラン L’aube(ローブ)』【麻布】

伝統的フレンチと美しい器(皿)に酔いしれるフランス料理店がこちらの『レストラン L’aube(ローブ)』です。フレンチと器が創る芸術性あふれる料理は見目麗しく驚きにあふれています。もちろん料理も美味しいものばかり。季節を感じる食材を使って、日本とフランスの食文化が響き合う料理の数々が振舞われます。場所は麻布エリア。ぜひ予約してみては?

2016年11月10日
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フレンチと器(皿)が創る、芸術性あふれるフランス料理『レストラン L’aube(ローブ)』【麻布】
Summary
1.料理と器が創る芸術性あふれる世界『レストラン L’aube(ローブ)』
2.センスあふれるミニャルディーズ(小菓子)が感動もの!
3.東麻布の隠れ家でシェフ、パティシエ、ソムリエが作る別世界を楽しむ

視覚、嗅覚、味覚がシェフの料理という名の芸術に狂喜乱舞する

「始まり」、「夜明け」、「誕生」という意味を持つ『レストラン ローブ』。海の中から生命が誕生する源の泡をイメージした壁面の大きなパネルは、それぞれ日本やフランスで活躍したシェフ今橋英明氏、パティシエ平瀬祥子氏、そして日本を代表するソムリエである石田博氏が運命の糸で結ばれ、この店を始めたことを象徴しているかのようだ。訪れた者はその奇跡を心から嬉しく思ったであろう。そう言ってしまえるほどの饗宴がここにある。

店に入るとまず目に飛び込んでくるのがショープレートであろう。置き方によって花が蕾だったり咲いていたりとメビウスの輪になっていて、これから“始まる”ことを予感させている。

料理は月替わりのおまかせコース。季節を感じる食材を使い日本とフランスの食文化が響き合う料理の数々が振舞われる。

今回はデザートを含む5品を紹介しよう。まず初めは「鎌倉野菜のサラダ」。鎌倉で農家の仕事に就いた経歴を持つシェフは野菜への想いがひとしお。必ず自分の目で見て納得したものしか使わない。今が旬の10種類ほどの野菜は、ひとつひとつ調理法を変えそれぞれの個性を際立たせた。添えられたのはミント、エストラゴン、バジルをアイスにしたものとアンチョビソース。日毎変わる野菜に合わせてソースも変える。

この料理のために用意されたのは「スガハラ」の器だ。職人のハンドメイドによる美しいガラスの芸術品にのせた野菜はまるで畑の中にいるかのようだ。

二品目はパルメザンチーズを加えたパン粉をつけて揚げた高知の地鶏「土佐ジロー」の卵にトリュフをふんだんに削りかける。秋になっていちだんと香りが増したトリュフは想像をはるかに超えている。

卵を崩すと黄身がとろりと流れ出す。この黄身、かなり濃厚でコクと甘みもすごい。サクサクの衣を纏った白身もしっかりとした味わいをもち、トリュフと黄身とともに口に入れるとさまざまな食感をも楽しめる。下に敷いたのはマッシュルームソース。癖がないまろやかさはトリュフと卵を繋ぐ役を完璧にこなしている。生まれた卵をイメージさせるプレゼンテーションも見事である。

使ったのはスペインのポルダムサの皿。下の皿は「アーブル」といい木がテーマで年輪が象られている。上の皿は石をイメージした「ロッカ」。

三品目は「仔ウサギ エスカルゴ」。仔ウサギのだしにグレープシードオイルと炭の香りをつけたソースをシェフ自らテーブルまでやってきて目の前でかけてくれる。皿からなんとも言えない香りが立ちこめると、いったいどんな味なのだろうと想像してワクワクしてしまう。そのソースに包まれるのはイタリア産の仔ウサギとエスカルゴ。日本人には敬遠されがちな二つの食材だが慣れ親しんだ炭の香りがするせいかまったく気にならない。仔ウサギはしっとりとして鶏肉に似た淡白な味。巻いたセージの風味が良い。エスカルゴは弾力がありソースと絡まってうまみがたっぷり広がる。クラシックなフランス料理の食材でどうしてこうも“今”を感じさせられるのだろうか。

使った皿は金沢の『secca』が作った3D工芸品。伝統技術と現代のデジタル技術を掛け合わせた新たな器。メインに使った「岸壁」をイメージした皿はこの店のためにだけ作られた。伝統あるフランス料理の基本そのものなのに新しいと思わせるシェフの料理に通ずるものがある。

拍手喝采! 未だかつてない感動のミニャルディーズ

さて次はデザートである。はっきり言うが平瀬パティシエは美人である。美人は美意識が高いからおいしいものを作るはずと勝手な想像をしてみたが、その予想は大当たりであった。

グランデセールは熊本の利平栗のモンブランとトリュフのアイスクリーム。今橋シェフ同様、旬の食材の相性を考え、香り、食感、テクスチャーのバランスを大切にしているそうだ。トリュフのアイスクリームをマロンクリームで包み込み、サブレと栗の渋皮煮で塩味を効かせている。つまり甘みと塩みがあるという最も舌が喜ぶタイプだ。どこまでも広がり続けるトリュフの香り。

余韻に浸っていると薄いチョコレートのパリパリとした食感が良い感じで現れる。葉っぱ型のチュイールには白トリュフを香りづけに使いまさに秋の味覚が満載のひと皿。フランスで学んだのは作り置きをしないこと。“瞬間”を大切にするから店に行く価値があるのだと教えられた。だから平瀬氏はこの店に訪れてもらえるデザートを作る。

そして最後に登場したのがこのミニャルディーズ(食後の小菓子)。見た途端、あまりの美しさと斬新さに感動した。たいていはひとくちサイズのマドレーヌとかカヌレなどの焼き菓子、もちろん豪華で素敵なものにたくさん出逢ってきたが、こんなに大人っぽくセンスの良いミニャルディーズはお目にかかったことがなかった。8年もの間フランスにいた平瀬パティシエの感性が生み出した、この宝石のようなチョコレート。

今日のフレーバーはオリーヴオイル、チョコレートクランチ、洋梨、チャイの4種類。どれもとんでもないおいしさである。女性はもちろん、男性もテンションマックスになること間違いないだろう。

デザートとともに出されるのが水出しコーヒー。自分たちはコーヒーのプロではないと中目黒を中心に都内で店を構えるスペシャリティコーヒー専門店『カフェ ファソン』にデザートに合わせて豆、ロースト、焙煎を変え、水出しで運んでもらっている。これもこの店ならではのおもしろい発想だ。水出しなのだから頭では冷たいと分かっていても、最初のひとくちはやはり驚いてしまうが、栗に合わせたグアテマラはほろ苦さがあり後味はスッキリ。ホットが飲みたい場合、頼めば温めてくれる。

東麻布の隠れ家で繰り広げられるアートな料理

店に入ると正面に広々としたオープンキッチンがある。席につくとシェフの「HARMONIE〜調和〜」という名の展覧会にいる錯覚に陥る。観客は即興で作られる芸術作品を目の当たりにするのである。

芸術的な皿にひと役買っているのが器だろう。シェフは料理を決めて器を合わせるタイプ。自分たちの料理の傾向は分かっており、それに合わせてあらかじめ食器を選んでいるのでメニューが変わっても使わないものはひとつもないそうだ。確かに誂えたかのように料理と器が世界観を創っていて、運ばれてくるとまず視覚が喜ぶのである。

(右が平瀬祥子パティシエ、左が今橋英明シェフ)
この店に存在するありとあらゆるものが、コンセプトにつながっている。ゆえに、この店に入った瞬間から『L’aube』の世界に引き込まれてしまうのだ。三人が創る物語は始まった。これからどんな風に展開していくのか、楽しみで仕方がない。


(メニュー)
ランチコース/6,000円〜
ディナーコース/9,000円〜
ワインペアリング/6,000円〜
※価格すべて税抜

Restaurant L’aube

住所
東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー1F
電話番号
050-5486-7620
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
火~土・祝日
ランチ 11:30~15:00
(L.O.12:30)
ディナー 18:00~22:30
(L.O.19:30)
都からの要請によってディナーの営業時間が変更となります。詳細はお店までお問合せ下さい。
定休日
月曜日・日曜日
不定休※年末年始休暇、臨時休業あり
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/gabzmd690000/
公式サイト
http://www.restaurant-laube.com

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。