魚介のおいしさで勝負する! 銀座のイタリアン『ラ・バイア』で本場さながらのサルデーニャ料理に舌鼓

2017年01月11日
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魚介のおいしさで勝負する! 銀座のイタリアン『ラ・バイア』で本場さながらのサルデーニャ料理に舌鼓
Summary
1.銀座にサルデーニャ料理を中心としたイタリアン『La Baia』
2.生簀からすぐ調理! ど迫力のオマール海老のカタラーナが絶品
3.イタリア直送の食材とトラットリアの醍醐味を楽しむ!

魚介を堪能できる大人のためのトラットリア

イタリア半島の西に位置するサルデーニャ島。イタリアのカラスミ「ボッタルガ」をはじめとする豊富な海産物や牧畜されている羊の乳で作るチーズ「ペコリーノ・サルド」は食通を虜にする。そのサルデーニャ料理を中心としたイタリアン『La Baia(ラ・バイア)』。

イタリアのトラットリアさながらの店内は、島の伝統工芸品のかご編みや絵画が飾られ、黄色を基調とした温かみのある雰囲気とアイロンがピシッとかかった白いクロスが心地良い。メニューはアンティパストからメインまで魚介と野菜のみ。この潔さが良いではないか。本日のおすすめに記載されているのはすべて国内の産地。ということは食材は日本のもの?

「旬を大切にしているので、いまおいしいものを毎日築地で仕入れています。オリーヴオイルやパスタはイタリアから直送してもらっています」と松永 健シェフ。日本ではなかなかお目にかかる機会のない、あられのような小粒の「フレーグラ」や、ニョッキを小さくしたような「マッロレッドゥス」といったパスタもある。日本とサルデーニャの食材が融合すると、いったいどんな料理になるのだろう。

シンプルの極み! サルデーニャ料理のおいしさを知る

前菜は「イカ詰め炭焼き」をお願いした。本日はヤリイカ。「イカ飯」を彷彿させる見た目、中には米の代わりに車海老、イカのゲソ、ドライトマト、パン粉、ニンニク、松の実、そして擦りおろしたレモンピールが入っている。

まずは食感に驚く。イカはやわらかく、中身はとろりとしていて、さらにプリップリの車海老がとどめをさしてくる。食材を詰めて炭焼きしただけなのにどうしてこんなにふくよかな味なのだろう。

実はこのレシピはサルデーニャのマンマからの直伝だと言う。オープンに向けての準備期間、島を訪れて地元のネットワークで何人ものマンマから魚介系、パスタ、パンなどの得意料理のレシピを直接教えてもらった。こうやって本場の味を知りシェフの舌と経験をプラスしてこの店の味を作りあげたという訳だ。

続いてサルデーニャならではのパスタ「カラスミのスパゲッティ」は、あさり、イカ、牡蠣、海老の中からトッピングする食材を1種類選ぶ。どれも好みで決められないという人、ご安心を。別料金にはなるが全部入れることも可能だそう。

この日は北海道から良いものが入ったとのことなのであさりに。はじめはカラスミがかかっていない状態で運ばれてくる。ファエッラ社のスパゲッティは噛むごとにデュラムセモリナのうまみが感じられ、あさりのだしと絡むとそのうまみはさらに倍増。これだけでも十分に満足できるのだが、カラスミをかける。サルデーニャ産のカラスミは熟成させているので香りも強く、ふりかけると味の変化をもたらす、まさに“魔法のパウダー”と言える。このカラスミをこれでもかというくらいふりかけてくれる。日本中で一番かけるのではないだろうかと思うほど。カラスミ好きにはたまらない。

次は豪快な「アルゲーロ名物! オマール海老のカタナーラ」だ。カタナーラとは、14世紀からの約400年にわたるスペイン統治時代に、サルデーニャ北西部の都市・アルゲーロ地方に伝わったとされる大皿に、オマール海老と赤タマネギとトマトをど〜んと盛り、味付けはオリーヴオイルとレモン汁のみというタネも仕掛けもない料理だ。だからこそシェフの腕が試される。食材の新鮮さ、オマールの茹で加減が勝負。ふわっとした甘みは、オマールのミソを溶いてまわしかけているからだそう。生簀からそのまま調理したオマールのプリッとした食感は誰もがやみつきになってしまう。

どれもシンプルな料理だけに素材の良さが何よりも大切。生簀があるのはこの店の強みだ。その新鮮な食材を活かすのはサルデーニャ料理で欠かせないオリーヴオイル。カラスミのスパゲッティにもカタナーラにも使っている「サルトス」は、味にまるみがあり、冷めても透明感があり皿の上に美しい金色を残す。

盛り付けも葉物の飾りすらなく食べるものだけをゴロっと皿にのせる。余計なものは一切ない。だからこそ料理のおいしさだけが際立ってくるのだ。

意外と知らない? 同行者にツウだと思わせる、イタリアンのオーダーの仕方

まずは前菜から。イタリアでは店が適当に7品くらいの前菜を勝手に出してくるので、選ぶのはパスタとメインなのだそう。本場と同じように楽しんでもらいたいと『La Baia』では「お任せ前菜4品」をメニューに入れた。イタリアと違うのは数種類の中から自分で選べること。だが最近は「今日のおいしいものをお任せします」と言われることが多くなったそうだ。

前菜が決まったらメインは好きなものを選ぶ。『La Baia』ではメインは仕入れによって変わるので「本日のおすすめ」を見る。例えばメカジキだったらカツレツやトマト煮込み、カサゴならオーブン焼き、アクアパッツァ、マルケ風煮込み、ズッパディペッシェから選ぶといった感じだ。

次はパスタを決める。『La Baia』では定番のものと本日のおすすめを合わせて常時10種類ほどがラインアップ。ここはサルデーニャの「蛤のフレーグラ」や「マッロレッドゥス メカジキと野菜」を試してみたい。でもカラスミや旬の食材でと所望するならばアレンジも可能。“食べたいものを食べたいように食べるワガママ”をスタッフと相談しながらメニューを組み立てるのもこの店での楽しさだろう。あとは料理がくるのを待って、自由に楽しめばOK。

そもそもなぜあまり日本では馴染みのない「サルデーニャ料理」を取り入れようと思ったのか。「最初は大好きなビステッカやハムを焼く店にしようとオーナーの阿部光峰氏が北イタリアをあちこち回って毎食肉だけを食べていたら1週間で辛くなってしまった。そのあとミラノでサルデーニャ料理の店で食べた魚介にものすごくホッとしたそうなんです。それで今回は魚介の店にしようと決めたそうです」と話す。それからシェフもしばらくサルデーニャ島に通い詰め、料理上手なマンマを紹介してもらい、パスタ、魚介、パン、とそれぞれの得意料理を学び、晴れて『La Baia』のオープンに至る。

松永シェフはナポリでの修業経験があり魚介の知識や調理の技術力が非常に高い。どんなに忙しくても味がぶれることがなく、しかも早い。生簀からすぐに捌いて料理するにはスピードが命。その点においても完璧なのだ。

『La Baia』ではイタリアを感じて欲しい。食事は陽気に楽しむもの。日本ではテーブルクロスを掛けているとリストランテっぽく敷居が高いと思われるところだが、イタリアではトラットリアやピッツェリアでも当たり前。汚してもらって結構! 居心地が良く、料理は食べ疲れしない家庭料理(いわゆるマンマの味)の延長線上にある。これが『La Baia』の最大の魅力なのである。

(メニュー)
イカ詰め炭焼き/900円
カラスミのスパゲッティ(あさり)/2,100円
活オマール海老のカタナーラ(2人前)/4,800円
ラ・バイアのお任せ前菜(4品)/1人前1,300円(2人前より)
お任せコース/5,000円〜
※価格すべて税抜

ラ・バイア

住所
〒104-0061 東京都中央区銀座1-19-14 広徳ビル1F
電話番号
050-3313-7028
営業時間
月~土 ランチ:11:30~14:30(L.O.14:00) 月~木・土 18:00~24:00(L.O.23:00) 金 18:00~翌2:00(L.O.1:00)
定休日
毎週日曜日 祝日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/k4s6tbpx0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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