発酵料理はまずいはもう古い!『リストランテヒロ』出身シェフがつくる、本当においしい発酵料理の新店誕生

2017年01月13日
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発酵料理はまずいはもう古い!『リストランテヒロ』出身シェフがつくる、本当においしい発酵料理の新店誕生
Summary
1.発酵食をファッショナブルに提案するカフェが新登場
2.見ているだけで楽しくなるディッシュデリはお土産の新定番に
3.在来種の野菜を発酵ドレッシングでいただくカスタムグリーンサラダ

日本が誇る豊かな発酵文化、奥深い発酵食の世界を、新たなスタイルで提案するカフェテリア『Kouji&ko(コウジアンドコー)』。2016年11月16日(水)、『新宿高島屋』8階にオープンし早くも話題を呼んでいる。“ポジティブに、健やかに、美しく暮らす”ことを意識した発酵食デリカテッセンカフェテリアは、今までにないファッショナブルな食スタイルを提案している。

発酵学者のアドバイスのもと、有名店出身シェフがメニュー開発

『コウジアンドコー』が提供する料理は“ヌーベル ハッコー”をコンセプトとして開発されたもの。見た目にもスタイリッシュで美しい世界観を表現したディッシュデリやスイーツ、在来種の野菜と発酵ドレッシングを自分の好みで選べるカスタムグリーンサラダなどがあり、健康と美に関心を寄せる女性から注目を浴びている。

一見するとまるでケーキのような華やかなディッシュデリ(写真・上)は、国産小麦と大豆を発酵させた酵豆粉(塩が入っていない味噌の粉末)を加えて作る生地の上に発酵素材を活かしたデリを盛り付けたもの。「今までの発酵食が持っていた杓子定規的なイメージをいい意味で覆したいと思ったんです。和の要素だけでなく、世界に発信できるようなキラキラとしたファッショナブルな発酵料理を目指しました」と広報の平沼えりさんは話してくれる。

『コウジアンドコー』のメニューは、東京農業大学名誉教授であり発酵学者の小泉武夫さんアドバイスの下、『リストランテ・ヒロ チェントロ』の元料理長である大島今日シェフが考案。大島シェフは本場イタリアで3年ほど修業した後、『リストランテ・ヒロ チェントロ』の料理長に就任。その後、山形県にある地産地消のイタリアン『アル・ケッチァーノ』で腕をふるってきた人物。発酵のうまみや香りを最大限に引き出し、健康に配慮した料理を得意とする。発酵の第一人者である小泉さんと大島シェフのタッグは最強だ。

写真上(手前・左)は「塩麹マリネのローストビーフと紫野菜」。塩麹に漬け込んだ牛モモ肉のローストビーフに、ビーツやトレビス、赤キャベツのサラダを盛り付け、アクセントにブルーベリーをあしらったもの。ごちそう感のあるやわらかいローストビーフとたっぷりの野菜が相まった人気の高いデリだ。写真上(手前・右)は「ローストチキンの大徳寺納豆ソースと黄野菜 カレー風味」。カボチャ、黄色パプリカ、黄色ズッキーニ、サツマイモなどの黄野菜を塩麹で味付けし、味噌たまり、味醂、京都の大徳寺納豆をベースに作ったソースを塩麹でマリネした鶏肉にかけて焼き上げた一品。ごろごろとした野菜の食感が口の中でおいしく踊る。

写真上(奥・左)は「塩麹マリネのエビと赤野菜」。塩麹に漬け込んだうまみたっぷりのエビとトマト、パプリカを盛り付けたもので、添えられたピンクペッパーが華やかなアクセントになっている。そして写真上(奥・右)のデリは「イカ墨リゾットたまり味噌の香り」。黒米やもち麦をイカ墨と味噌たまりで和えた料理。あしらわれた花ジソとゴボウチップが食感を引き立ててくれる、お腹も満たされる一品だ。

惣菜系のデリだけでなく、発酵スイーツも取り揃える。写真上(手前)は「福来純三年熟成本みりんのモンブラン」。このモンブランクリームは岐阜県にある「白扇酒造」が3年間熟成させて造る本みりん福来純を使用。砂糖の甘みを味醂の甘みに置き換えたヘルシーなスイーツとなっている。トッピングは、スーパーフードのローストアマニやキヌアパフだ。奥は「ビターチョコレートのムース たまり味噌の香り」。チョコレートに味噌たまりを入れることで、深い香りがコクとなり、塩気のある味わいが甘みを引き立ててくれる。仕上げに大豆や雑穀のグラノーラを乗せており、細部にまでこだわるスイーツだ。

在来種の野菜を好みで選べるカスタムグリーンサラダ

ディッシュデリと並び、こちらのもう一つの売りはカスタムグリーンサラダ。レタスなどを合わせたベースとなるグリーンサラダに在来種の野菜とトッピングをそれぞれ9種類の中から3種類を選び、発酵ドレッシングをセレクトして自分好みのサラダを作ることができる。在来種の野菜は、非常に珍しいキュウリといわれている産地の相模原でもなかなかお目にかかれない相模半白胡瓜や、加賀野菜の源助大根、香り高い飛騨長人参、京都の九条葱など、季節に応じて旬の野菜が並ぶ。「大島シェフがこれまで培ってきた生産者とのネットワークを活かし、在来種の野菜を取り揃えていますが、昔から日本で受け継がれてきた野菜をぜひとも知ってもらい、色々な人に味わってほしいです」(平沼さん)。

このカスタムグリーンサラダは、デリまたはスイーツから選んだ好みのディッシュと在来種の野菜のミネストローネなどの日替りのスープ、もしくはコーヒー、紅茶のいずれかとセットでも提供している(写真・上)。

ドレッシングも発酵にこだわったユニークなラインアップだ。酸味が爽やかなヨーグルトと甘酒のドレッシングや、醤油麹とタマネギのオリーブオイルドレッシング、塩麹ポン酢ノンオイルドレッシング、紅塩麹のドレッシング、米酢とタマネギのフレンチドレッシング、黒酢と黒ゴマのドレッシングなどが揃う。どのドレッシングも食材を活かした深みのある味に仕上げているため、発酵食に馴染みのない外国人にも人気だとか。いくつか試してみてから自分の好みを見つけて、手軽に発酵食を取り入れてみたい。

甘酒チャイや、白樺樹液に米麹やハーブをミックスしたジュース、小松菜とフルーツビネガーのスムージーなど身体を中から綺麗にしてくれる発酵プラスアルファのおいしいドリンクも種類が豊富。ドリンクとスイーツだけでも気軽に発酵の奥行きの深さに触れることができるのだ。

発酵食の持つイメージをいい意味で裏切ってくれる『コウジアンドコー』。これまでの発酵食が持つ「和食」のイメージを刷新する新しいデリが、たくさんの人の生活に溶け込んでいくことを期待したい。

(文/千葉泰江・撮影/浅山美鈴)

【メニュー】
塩麹マリネのローストビーフと紫野菜 702円
ローストチキンの大徳寺納豆ソースと黄野菜 カレー風味 486円
塩麹マリネのエビと赤野菜 594円
イカ墨リゾット たまり味噌の香り 486円
福来純三年熟成本みりんのモンブラン 594円
ビターチョコレートのムース たまり味噌の香り 378円
カスタムグリーンサラダ(Sサイズ) 972円
※価格は税込

発酵デリカテッセン カフェテリア Kouji&ko

住所
〒151-8580 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 新宿高島屋8階
電話番号
03-5315-4651
営業時間
10:00~20:00(金・土曜は~20:30)
定休日
新宿高島屋に準ずる
公式サイト
http://foodandpartners.co.jp/koujiandko/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。