新宿ゴールデン街なのに昼だけ営業! こだわりすぎるカレーが悶絶級にうまい『エピタフカレー』

2017年04月10日
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新宿ゴールデン街なのに昼だけ営業! こだわりすぎるカレーが悶絶級にうまい『エピタフカレー』
Summary
1.新宿ゴールデン街で昼間のみ営業しているカレー屋があった!
2.南インドのカレーを常時3種類用意、あいがけも可能
3.実は間借りスタイルで営業をしている。そのワケは?

新宿ゴールデン街といえば、かつて文豪や文化人が足繁く通った飲み屋街として有名だ。実は、この新宿ゴールデン街に、昼間のみ営業をするカレー店が2016年秋に誕生した。それが『エピタフカレー』だ。

日本人向けにアレンジを効かせた南インドのカレー

店内は新宿ゴールデン街らしく、カウンター5席にテーブルが2席と小ぢんまりとしている。メニューは、インドカレーを常時3種類用意しており、「1種盛り」または「2種あいがけ」から選べる。また、テイクアウトも可能。カレーは毎月1種類変えるという。

インドカレーには、「北インド」と「南インド」のカレーがある。簡単に違いを説明すると、北インドは「バターチキン」など、ナンに合うドロっとしたタイプのカレーで、南インドはライスに合うシャバシャバしたカレー。使うスパイスや香り付けのテクニックなども北と南では異なる。ここ『エピタフカレー』が提供しているのは、南インドのカレーにあたる。

この日、提供していたのは「ケララチキン」「ポークビンダルー」「チェティナード・フィッシュ」の3種類。人気の組み合わせだという「ケララチキン」と「ポークビンダルー」の2種盛り(写真上)をオーダーしてみた。

「ケララチキン」とは、南インドに位置するケララ州のカレー。黒くなるまで炒めた玉ネギに、クミン、コリアンダー、ターメリックなどの基本スパイスと、トマトや鶏肉を加え、さらにココナッツミルクを入れてマイルドに仕上げる。「最後に鷹の爪とマスタードシードを油で熱して香りを引き出したものをカレーの上にかけるのが、ケララ州でよく見られるテクニックです」と店主の佐藤志樹(もとき)さんは話す。辛さも控えめで、食べやすいチキンカレーとなっている。

「ポークビンダルー」は、インドのゴア州のカレー。「インドなのに豚肉?」と思うかもしれないが、ゴア州は元々ポルトガル領だったこともあり、キリスト教徒の多い地域。そのため豚肉も食べられているという。玉ネギを濃いアメ色になるまでじっくり炒めてから、ニンニクと酢、クローブやシナモン、マスタードシードなどのスパイスで一晩マリネした豚肉を投入し、さらにトマトを加えて1時間ほど煮込んで作る。ニンニクがたっぷりと効いていながら酸味もあるカレーだ。ケララチキンに比べれば辛さがあるが、コクがあって美味。

ご飯は日本人の好みに合うように、高級なインディカ米のバスマティライスと、日本米をブレンドしている。やや日本米を多めにすることでパラパラしすぎず、かつバスマティライスの軽い口当たりも生きる。付け合わせは、ターメリックとマスタードシードで香りをつけ、レモン汁で酸味を加えたキャベツだ。

もう一種類のカレー「チェティナード・フィッシュ」(写真上)は、チェティナード地方のカレーである。辛口のカレーは、食べればガツンと青唐辛子の辛さがくる。先ほどの2種と食べ比べると、辛味の差は歴然。具材はメカジキを使用していて、ボソボソせずにやわらかく煮込まれている。佐藤さんによると、南インドは赤唐辛子よりも青唐辛子を使うのが一般的で、より香ばしい香りがつくそう。さらに「チェティナードマサラ」と呼ばれる、ミックススパイスで味を調えるという。

▲テーブルに並べられたスパイス

間借りで営業中、そのワケとは……?

『エピタフカレー』は、あかるい花園5番街にあるバー『Kangaroo Court Decision』を間借りするスタイルで営業している。つまり12時~17時までは『エピタフカレー』として営業し、19時以降は『Kangaroo Court Decision』になるわけだ。なぜ間借りなのだろうか?

「実は『Kangaroo Court Decision』のバーテンダーとして月曜日に働いています。カレー作りが大好きで、もともとはバーでお客さんに振る舞っていました。いつかカレー屋をやりたいと思っていましたが、開業には資金もかかりなかなか叶わない…。そしたら、バーのオーナーさんもカレー好きだったこともあり、間借りできることに」と佐藤さん。

今までカレー屋で修業をした経験はないという。けれども、インドに数週間滞在して本場のカレー作りを習得し、日本でも全国各地のカレー屋を食べ歩いたそう。有名店の社長のブログをチェックし、最新のカレー屋の情報にも詳しい。カレーへの熱意は強く、もはやカレーオタクではないだろうか。

ちなみに店名の『エピタフ』とは、佐藤さんが“DJエピタフ”という名で、DJの活動をしていたことが由来している。もともとは海外ロックバンドの曲名からとっているそうだ。また佐藤さんが働いている月曜日ならば、バー『Kangaroo Court Decision』内でもカレーを提供してくれる(ただし、別途チャージ代がかかる)。どうしても昼間の営業時間内に行けない場合は、月曜の夜に行くといいだろう。

「南インドのテクニックを生かしつつも、日本人が食べやすい味にアレンジしているので、南インドのカレーに食べ慣れていない人でも楽しめると思います。北インドカレーのバターチキンが認知されているように、南インドのカレーも多くの人に知ってもらえれば」と佐藤さん(写真上)。

今や新宿ゴールデン街はのん兵衛が集まる飲み屋街だが、今度は『エピタフカレー』を筆頭に、ランチも食べられる場所に生まれ変わっていくかもしれない。夜の新宿ゴールデン街しか知らない人は、ぜひ一度足を運んでもらいたい。

【メニュー】
カレー1種盛り 800円
カレー2種あいがけ 1,000円
テイクアウト1種盛り 700円
テイクアウト2種あいがけ 800円
※価格は税込

エピタフカレー

住所
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-1-6 新宿ゴールデン街 あかるい花園5番街
電話番号
03-3204-6086
営業時間
12:00~17:00(L.O.)
定休日
火曜、水曜
公式サイト
https://twitter.com/epitaphcurry

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。