お箸でいただく絶品イタリアンは唯一無二の味! 名シェフのワザが光る「会席イタリアン」が登場

2017年06月12日
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お箸でいただく絶品イタリアンは唯一無二の味! 名シェフのワザが光る「会席イタリアン」が登場
Summary
1.麹町駅徒歩3分。和食器とお箸で楽しむイタリアン『オステリア銀白』
2.富良野産野菜を使用した本格イタリア料理が堪能できる
3.会席仕立てで、料理にワインと日本酒のペアリングがおすすめ

和食器とお箸で食べるイタリアンというコンセプトを掲げる『オステリア銀白』が、2017年3月30日にオープンした。場所は麹町駅から徒歩3分のところ。オープンして間もないながら、すでに多くのグルメが集っており、話題のイタリアンとなっている。

店内に入るとカウンターの盆栽が目を引き、割烹料理店さながらの趣。しかし、よく見てみると壁側にはワイングラスやウォールアートなど「洋」を彷彿させるオーナメントが飾られている。オーナーの井上正道さんは、「日本で獲れた食材のよさと本場イタリアのレシピを融合させ、かつ和の空間で気兼ねなく食事を楽しんでもらいたい」と話す。

和食器と箸を使って食べる、新しいイタリアンを提案

シェフの石津宏康さんは、南欧料理の『ル・ソレイユ』で料理長、自身の店『ル・フロマージュ』で12年間腕を振るい、さらにロシア料理『マトリョーシュカ』の料理長を努めた経歴の持ち主だ。

「洋食というのは、ナイフとフォークを使って食べるものと、形式にこだわっていましたが、長年料理人を経験していると、一番に考えるべきはお客様がいかにリラックスして、我々の料理を楽しんでいただくかということに気がついたのです」(石津さん)

巷のイタリア料理店では、デコラティブでオシャレな内装に女性客が多く、男性同士のグループでは入りにくく感じることがあるそう。しかし、同店のようなカウンターにコックコートを纏ったシェフがいると、それだけで落ち着いた上品なイメージを与える。そうしたことで、カジュアルミーティングや接待で利用する男性のお客様も増えているとのことだ。

「テーブルマナーに気をとられすぎて、肝心の料理の味を楽しめなくてはもったいないですよね。あらかじめお箸を用意しておけば、普段あまり洋食に縁がないという人でも安心して楽しめると思うのです」(石津さん)

お箸や和食器など、使い慣れたものを使い、見慣れた和の空間の中、握りやお造りが出てきそうなところに、イタリア料理がサーブされる。見た目と所作と味のギャップを楽しむのも同店の魅力だ。

イタリアンを会席仕立てで! コースの一部を特別公開

では、「会席仕立てのイタリアン」とはどのような料理なのか。今回は、「Corso Japonese 銀白コースA」の一部をご紹介いただいた。構成は、前菜、熟成魚のクルード、碗で提供される温かい前菜、メイン、パスタ、ドルチェ、コーヒーだ。「自分自身、年を重ねてきて、好きなイタリアンを少量ずつ、一度に色んな種類を食べられたらいいのに……と思ったことが会席仕立てにしようとしたきっかけです」

料亭などでコース料理をいただくと、先付があって、八寸があり、椀と続いていく。どれかが特段際立つこともないが、それぞれに調和が保たれ、最後の水物とお茶までいただいて、1つの流れが完結する。その和の世界観をイタリアンで解釈できないかと考えたのが、同店のコース料理だ。

最初に登場するのは骨董店で揃えた小鉢を使用した前菜3種類。盆の上に並べられ、先付のように、食器との相性やバランスを取りながら盛り付けられる。

前菜のひとつは、「コチのカルパッチョ赤ピーマンソース」(写真上)。塩漬けした赤ピーマンのソースがコチのむっちりした食感とよく合う。器のブルーとのコントラストも涼しげだ。

そして「北海道産 柳タコの薫製」(写真上)。上には、木の芽ではなく、ローズマリーが飾られている。洋の食材を使用しているのに、器が違うだけでこんなにも和の趣になってしまうとは……。燻した香りに、ローズマリーのアロマティックな香りとオリーブオイルが加わることで、ぐっとイタリアンに寄せる。

そして、鱈のマンテカート。干鱈を水で戻し、富良野産オニオンとともに煮込んで水分を飛ばし、クリームで撹拌したもの。触感はふわっとしていて、パテのようにバゲットに塗っていただきたい。上には富良野産のそばの実を飾り、カリッとした食感がアクセントになる。

なお、コース料理は、料理ごとにマッチするお酒を提案したいという思いから、ワインと日本酒のペアリングも用意されている。「鱈のマンテカート」にはカーヴ・デ・オンズ・コミュヌの「ヴァッレ・ダオスタ・ピノ・グリ2015」と相性が良いとのだとか。

▲「ヴァッレ・ダオスタ・ピノ・グリ2015」

きりっとした飲み口により、タラのクリーミーな甘みが際立ち、そばの実の香ばしさと相まって、グラスに手が伸びる。ちなみに日本酒は精米60%前後のものを選び、藤井酒造「お立ち酒」や杉勇蕨岡酒造場「弐拾壱」などをラインナップする。

メインディッシュは添えられた野菜までプレミアム

お待ちかねのメインディッシュは、「北海道産 カムイ豚肩ロースのグリル」。隠れメインである、シェフが絶賛する富良野産白タマネギは、まずはそのままの味を堪能したい。まったりとした甘みが口いっぱいに広がり、喉を通る時に、タマネギらしいキリっとしたあと味でとてもすっきり。次は、ギュッとうまみを閉じこめたカムイ豚とともに。さらに甘みが際立ち、肉のうまみを立てる。ソースはセロリの葉で作ったピュレで、さわやかな余韻が残る。

一つ、パスタだけはフォークを使ってほしい、というのがシェフのポリシー。あとは、箸を使って自由に食べてもらいたいとのこと。

実は料理に使用される野菜は、井上さんのご兄弟が経営する『有限会社井上農産』で育てられたもの。北海道というと、カニやウニなどの海産物が有名だが、それだけではない北の大地の食材を同店からも紹介したいという思いがある。富良野の農家『富良野ファーマーズネットワーク』と提携し、季節ごとに旬の野菜が届けられる。20代から40代の若い農家を中心に、四世代守り抜いた豊かな土壌で極上の野菜を育て上げる。初夏はスナップエンドウやスイートコーン、7月から富良野メロンやトマトが収穫され、料理に色を添える。

「生産者の方は、育てた野菜がどのように認知され、食べられているかまでは見届けられません。丹精込めて育てられた野菜の魅力を、いかに引き出してあげられるか。富良野の生産者とシェフとのコラボレーションを東京で発信することの面白さを感じていただきたい」(井上さん)

今後は、富良野産のそばの実を使用したパスタを作る予定。イタリアンというジャンルに留まらず、新たな解釈を加える『オステリア銀白』の挑戦に、今後も注目したい。


(取材・文/カメイアコ)

【メニュー】
コース3種類
CORSO JAPONESE A  5,000円
CORSO JAPONESE B  7,000円
CORSO SPECIALE  9,000円
アラカルト
小鉢でお楽しみいただく前菜盛り合わせ3種 1,200円
本日の特選メインディッシュ 2,000円
お好みパスタ 1,000円~
お酒
グラスワイン 600円~
日本酒 800円~
※価格は税込

オステリア銀白

住所
〒102‐0084 東京都千代田区二番町11-20 グンショウビル 2F
電話番号
03-6261-3699
営業時間
11:30~14:30(L.O.)、土日祝12:00~14:30(L.O.)―17:30~21:30(L.O.)
定休日
月曜日
公式サイト
http://ginhaku.com/

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