生の「卵黄」をのせた、究極の生プリンが話題のカフェ『しょうゆ・きゃふぇ』

2017年10月07日
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生の「卵黄」をのせた、究極の生プリンが話題のカフェ『しょうゆ・きゃふぇ』
Summary
1.プリンのソースとしてのせるのは、極上の卵黄! 驚きの「生プリン」が話題
2.横浜・山手の歴史ある洋館「エリスマン邸」内に立地。緑に囲まれた非日常空間
3.山手のフレンチシェフによる、旬の果物たっぷりのスイーツやしょうゆパンも必食!

とろける卵黄をからめて味わう、新感覚の「生プリン」

横浜・山手の外人墓地のほど近く、歴史ある洋館が建ち並ぶ“横浜・山手西洋館”エリアに、次々とメディアで紹介されている話題のスイーツがある。生の卵黄を丸ごとのせたインパクト抜群の「生プリン」(写真上)だ。

この生プリンが味わえる喫茶室『しょうゆ・きゃふぇ』は、1926年に建てられた洋館「エリスマン邸」内にある。「エリスマン邸」は生糸の貿易商、フリッツ・エリスマン氏の邸宅だった建物で“日本の近代建築の父”といわれる建築家、A.レーモンド氏の作品。一歩入ると、暖炉のある応接室やサンルームなど、当時を偲ばせるクラシカルな空間が魅力的だ。

▲暖炉やサンルームがある「エリスマン邸」。館内は無料で見学可能。

『しょうゆ・きゃふぇ』は山手の人気フレンチ『エリゼ光』の姉妹店。ここで提供される看板スイーツ、生プリン目当ての人々で、週末は行列のできる事態となっている。

この生プリン、プレゼンテーションからしてユニーク。足つきのグラスに入った真っ白のムースに、黄色い“ニワトリ”が添えられる。このニワトリは「コッコちゃん」の愛称で親しまれる、ニワトリ型のエッグセパレーターで、中には卵黄が!

お客は自分でムースの上に卵黄を“産み落として”、キャラメルソースをかけて、生プリンが完成というわけだ。

ぷりっと弾力のある卵黄をスプーンで崩して、白いムースをすくって一緒に味わう。とろりと濃厚な卵のコクに、下のムースの優しいミルクとバニラの風味が口の中でとけ合い、繊細な味わいのカスタード風味となる。この白いムースは低温殺菌牛乳を使ったフランス菓子の「ブランマンジェ」で、ミルクの風味を損なわないように、一度も加熱せずに固めているそう。正真正銘の「生プリン」というわけだ。自家製のほろ苦いカラメルソースも添えられているので、途中からさらに味わいを変えて楽しめる。

ベテランフレンチシェフの「素材へのこだわり」が生んだ生プリン

この「生プリン」、決して、奇をてらった思いつきで誕生したのではない。「おいしい卵を探した結果、『コトブキ園』(神奈川・相模原)さんの『恵壽卵(けいじゅらん)』に出逢いました。この巡り逢いが、発想のきっかけです」と語るのは『エリゼ光』のオーナーシェフ、六川光さん。

恵壽卵は臭みがなく卵黄にコクがあり、味わいのバランスがとてもいい。このおいしさを、ストレートに伝えるには「生」のまま食べていただきたい。ならば、複雑な構成のデザートではなく、誰もが知っているシンプルなスイーツに……と考えぬいた結果、卵黄をのせたプリンを考案したのだ。

六川シェフはフランスの有名レストラン『コートドール』の出身。自身の料理も、生産者のもとを足繁く訪れ、旬のフレッシュな素材を意識してとり入れてきた。そのこだわりは徹底している。魚市場へ行くだけではなく仲買人の権利をもち、自ら魚のセリを行ったり、秋には野生のきのこを採りに山へ。野菜も自分で畑に入って収穫するなど、旬の素材へのリスペクトが軸にある。

「よい素材は、なるべく手をかけないことがいちばん贅沢」という六川シェフ。この考えと、フランス料理人ならではのテクニックから、生卵、牛乳、バニラを絶妙のバランスで組み合わせた、新発想の生プリンが生まれた。

旬のフルーツをたっぷり使った、限定スイーツも必食!

素材に徹底してこだわる六川シェフは、旬のフルーツに対する思い入れも半端ない。『しょうゆ・きゃふぇ』では、季節に応じて生プリンにフルーツを組み合わせたフルーツ生プリンも提案するほか、ソフトクリームと合わせた芸術的なフルーツパフェも提供。

秋のシーズンは静岡の生産者から取り寄せる高糖度の黒イチジク「ビオレソリエス」を贅沢に使った「ビオレソリエス・生プリン」(写真上・左)や、山梨の生産者から厳選して取り寄せるシャインマスカットや巨峰をちりばめた「ぷれみあむ・高級ぶどうぱふぇ」(写真上・右)なども評判。この期間限定スイーツのために、2度、3度と足を運ぶ常連客も増えているそう。

もう一つの看板アイテム、もろみ入りの「しょうゆパン」

ところで、同店の名前『しょうゆ・きゃふぇ』の由来だが、六川シェフが偶然、神奈川・御殿場の蔵元を訪れてファンになったという、濃厚な味わいの再仕込み醤油「甘露しょうゆ」(天野醤油株式会社)から。じつは、もう一つの看板アイテムが、甘露醤油のもろみを生地に加えた自家製のフランスパン「しょうゆパン」。「もろみを加えることで、もちもち感と奥深い風味が加わります。蔵元に無理を言って特別に分けてもらっているので、このパンを作れるのはうちだけ」と六川シェフ。

しょうゆパンに静岡・焼津産のマグロのスモークを挟み、天城産のワサビを添えた「スモークしたマグロのしょうゆパンサンド」(写真上)は、ボリューム満点。ビールのお供にもふさわしい一品だ。この他、甘露しょうゆを使った和風のパスタなど、和素材を生かした季節ごとのフードメニューも人気が高い。

もっちりと歯切れのよい食感と香ばしさが特徴のしょうゆパンは、月替わりのサンドイッチ「しょうゆパンサンド」として提供されるほか、テイクアウト(写真上)でも販売される。テイクアウトできるしょうゆパンは毎日11:00頃の焼き上がり。本数が限られているので、事前に電話で予約が可能だ。

『しょうゆ・きゃふぇ』があるのは、緑豊かな元町公園内。客席の窓から公園の緑を眺めながら味わう、フレンチ仕込みのユニークで贅沢なスイーツやパンメニューは、非日常感たっぷり。遠くから足を伸ばしても、訪れる価値は充分だ。

(撮影/平瀬夏彦) 


【メニュー】
元祖!生プリン 800円
季節限定!須坂黒岩幻の「ビオレソリエス」(黒いちじく)・生プリン 1,100円
ぷれみあむ・高級ぶどうぱふぇ 1,100円
※上記メニューとのドリンクセット(コーヒー・紅茶)はプラス350円
しょうゆパン まぐろサンド ドリンクセット 950円 
1/3しょうゆパン 300円

テイクアウト 生プリン   1,200円(2個入り)※店内利用の方のみ販売
テイクアウト しょうゆパン  450円(1本)
※価格はすべて税抜

しょうゆ・きゃふぇ

住所
〒231-0861 神奈川県横浜市中区元町1-77-4 エリスマン邸内 
電話番号
045-621-4890
(※電話番号は『エリゼ光』本店と共通)
営業時間
10:00~16:30(L.O.16:00) ※カフェ利用の予約は不可
定休日
第2水曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/b172100/
公式サイト
http://www.elysee-hikaru.com/cafe/new_cafe.html

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。