「渾身の日本料理」がここにあった! 1日5人だけしか経験できない、おもてなしの舞台は「店主の邸宅」

2018年01月10日
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「渾身の日本料理」がここにあった! 1日5人だけしか経験できない、おもてなしの舞台は「店主の邸宅」
Summary
1.1日5〜6人だけしか経験できない、おもてなしの舞台は“店主の邸宅”
2.シェフの家に招かれた人のみが知る、究極の“大阪料理”とは
3.完全会員制の「浪速割烹」に読者限定で入店できる特典あり!

住所・電話番号を公表しない店主のワケ

東京・某所の住宅街にある、小さなランプの灯る民家。レストランの面影を一切感じさせない、こちらの邸宅が今回の舞台だ。看板など一切なく住所も電話番号も非公開。チャイムを鳴らせるのは、限られた人だけ、というヒミツの隠れ家である。

「1階がレストラン、2階が僕の住まいなんです」と話すのは、店主の橋元健さん。大阪・法善寺横丁で愛され続ける老舗『浪速割烹 喜川(きがわ)』で修業後、西麻布に1日1組限定の『二戀(にこ)』をオープン。星付きレストランとして名を馳せた後、2017年から住居兼レストランとして、この地でひっそりと『八雲 はし元』を開いた。

「築50年の家をフルリノベーションしました。自宅のリビングで寛いでいるような空間の中で、ホッと息をつくことができる料理店を創りたかったんです」と、住所非公開の理由について柔らかい物腰で話す橋元さん。

華々しい経歴の持ち主だが、大阪出身とあってお話し上手。一度会員になれば、「会員制割烹」という敷居の高さが拭い去られ、何度も通いたくなってしまう。

“真の隠れ家”で過ごす特別な時間は、女将の真心からはじまる

江戸時代の旧家から引き継いだという和箪笥に欄間、格子戸など年期の入ったアイテムが、洋間のリビングにしっとりと馴染む。

邸宅だけあって開放感あふれる空間だが、「実際に来て見て、楽しんでほしい」という橋元さんのお言葉通り、体験した人だけがその滋味深い空間にハマり込んでしまうらしい。

さて、漆黒のカウンターに着くと、抹茶を点てるような心地良い音色とともに、甘い香りに包まれ、期待感が一気に高まる。

女将の直美さんが点てているのは、コース料理の1品めに供される “座付”の「下仁田ネギのすり流し 茶筅(ちゃせん)仕立て」(写真上)。

1時間かけてじっくりと炒めた下仁田ネギは、辛味が拭い去られて甘みだけが溢れ出す。茶せんで点てられたスープは、泡がふわりと舌を転がって、飲めば胃が温まり、自然と食欲が湧いてくる。

先代の親方から受け継いだ、楽しい盛合せ「楽盛」という献立

そもそも『八雲 はし元』の料理は、大阪を代表する“浪速料理”を基本とする。橋元さんは、歴史を振り返りながら“浪速料理”についてこう説明してくれる。

「料理表現の一つに“京の持ち味・大阪の喰い味”という言葉があります。京懐石を繁栄させた貴族たちは、汗をかくほど身体を動かさないから、塩分を摂る必要がないため、上品な薄味が好まれていました。それに比べて大阪は、汗をかいて働く商人の街。食べた瞬間においしいと感じる味付けが好まれていたんです。さらに日本中から良い食材を集めて創意工夫し、自分たちのものに変えてしまうというのも特徴の一つ。まさに“ええとこどり”ですね」。

そんな浪速料理の醍醐味を味わえる料理が「楽盛」(写真上)。この「楽盛」は、修業先の名門『喜川』の親方が考え名付けた一皿で、“楽しい盛り合わせ=楽盛(らくもり)”という一つの献立として、型にはまることなく旬の食材を自由に表現アレンジしたものだ。

「鞍掛け茄子の鴨しんじょ」、黒くなるまで熟成させた「丹波の焼き枝豆」、「寒サバの棒寿司」、甘辛くタレ焼きにした「滋賀県産モロコのみぞれ酢」、「松葉ムカゴ」、自家製のイクラがのせられた柚子釜には「セコ蟹と水菜のお浸し」、「キンキの酒塩焼き」、そして、今にも泳ぎだしそうな躍動感溢れる「本シシャモの天ぷら」を盛り合わせている。

この“楽盛”はシーズンはもちろん、お客の要望やお食事のシーンに応じて盛り付けのパターンが変わる。晩秋の旨みを詰め込んだ“楽盛”は、食器ではなく“花桶”で供されることもあり(写真上)、見目麗しいお皿も楽しめる。

大阪の旨みが凝縮された、渾身の椀物

「浪速割烹」を創り続ける橋元さんにとって、だしは命となる存在。まずは、何十種類ものミネラルウォーターを取り寄せたり、高価な浄水器を買ったりして試すところからはじまった。

旨みの元となる利尻昆布を2時間かけて弱火でじっくりとひいては、気候や天候で日々変化するだしの出方をこまめに確認。そこに足りない旨みだけを加えて調整していくという。

大阪を代表する料理の一つ“ハリハリ鍋”をアレンジした「熊のハリハリ仕立て」(写真上)は、季節に合わせて鯨や鴨と風合いを変えて登場する。

この日、たっぷりの脂をまとってだしの中を泳ぐのは、仕留められたばかりの秋田県産ツキノワグマ。肉汁と脂がだしに溶け込んで、旨みが年輪のように甘く濃厚に重ねられていく。実に美味なお椀である。

名門のワザが光る料理と親しげなトークが楽しい『八雲 はし元』

『八雲 はし元』の料理はとにかく見て楽しく、食べて納得の逸品ばかり。名門『喜川』の伝統的なワザをベースに、自由な発想で作られる料理は他店では味わえない。そこに、橋元さんの親しげなトークが加わり、肩肘張らない雰囲気に溶け込んでいく。

そんな“浪速料理”をもっと東京に広めたいと、「浪速割烹」を食いだおれる機会をいただいた。一度食べたら、絶対に忘れられない、こちらの『八雲 はし元』で至福のひと時をどうぞ。

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