肉の火入れに魅せられる!ひと口で全身が震えるほどの肉料理が愉しめる大人の店が東麻布にオープン

2018年01月08日
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肉の火入れに魅せられる!ひと口で全身が震えるほどの肉料理が愉しめる大人の店が東麻布にオープン
Summary
1.料理、ワイン、空間、サービス。大人が愉しめる名店が誕生
2.火入れの達人ならではのメインメニュー「Wミート」
3.この店に共存したすべてが“味の共犯者”となる!? その意味とは

飯倉にオープンした隠れ家に名店の予感

2016年あたりから名店が次々とオープンし、食で賑わいをみせている東麻布・飯倉界隈にまたまたすごい店が誕生した。

1階とはいえ階段を上がる“隠れ家的”存在の『Saveurs Complices(サヴール コンプリス)』に、粋な大人たちが集まる。

そこには月、地球、宇宙をイメージしたショープレートにレザーやウッド、ストーンを配した空間、そして山下浩幸シェフの革命的な料理があるからだ。

山下シェフは「オークラアカデミアパークホテル」『銀座レカン』を経て「マンダリン オリエンタル 東京」にある『シグネチャー』での修業中に出逢った、当時「マンダリン オリエンタル ワシントンD.C.」にあった『CityZen』のエグゼクティブシェフであったエリック・ジーボルト氏に感銘を受け渡米。氏の元で5年半、クレオール料理やケイジャン料理とも称されるアメリカのニューオーリンズ地域を中心に発展したフランス、スペイン、アメリカなど複数の食文化が混合した料理「サザンキュイジーヌ」を徹底的に仕込まれた。

そこにはフランス料理にも日本料理にもない食材へのアプローチや調理法があり、山下シェフにとってまさに料理の新境地。スパイスやハーブをミックスして作るオリジナルの“ブレンドスパイス使い”も新鮮だった。「テクニックはもちろんですが、ジーボルトシェフからは料理人としての心構え、料理に向き合う真摯な姿勢をはじめたくさんのことを教わりました。素晴らしい人格者です」と山下シェフ。帰国後、フランス料理のテクニックをベースに、サザンキュイジーヌの食文化と故郷である日本の食材が融合した独自の世界を創り出した。

ひと皿ひと皿に込められたストーリーのある料理

テーブルには山下シェフ手描きの絵のメニューが置かれている。これから始まる10皿で構成されたストーリーがどんなものなのか、期待に胸が高鳴る。

3つのアミューズの後の前菜には「鹿のムース」(写真上)。まるでケーキのようなこの皿は金木犀のジュレ、鹿もも肉とスパイス、オレンジ、フォン・ド・ヴォーなどを入れたムース、味噌で漬け込んだフォワグラ、パン・デピス(スパイスがたっぷり入ったパンという意味の菓子)が層になっている。落ち葉を踏みしめながら歩く鹿をイメージした。

肉料理の得意な山下シェフならではのメニューが「Wミート」だ。魚料理の後に2種類の肉料理が出される。この日、用意されたのは鴨と牛。

まずは「シャラン鴨」(写真上)。フランス産シャラン鴨の胸肉をゆっくりと丁寧に焼き、バニラとブイヨンで炊いたカブのピューレを添えた。朽ちた木をモチーフにした蓮根チップスの下にはローストした2種類のビーツとピクルスにしたアヤメユキカブ。酸味で味にメリハリをつけている。自家製のピーナッツバターには隠し味にカレーリーフ、ドライココナッツ、クランベリーコンポート、ローストナッツ、三重県産レモンで作ったマイヤーレモンのピューレ。フランスのテクニックにアメリカの味覚が融合されている。

火入れだけのテクニックだけで魅せる「和牛のロースト」(写真上)は、粗めの脂とうまみがたっぷりの和牛と旬の野菜、そこにジュ・ド・ヴォーによくグリルした葱を香り付けにしたソースをかけている。これだけでも十二分に堪能できるのだが、添えられた3つの山下シェフオリジナルのブレンドスパイス、「黒にんにくと味噌と柚子胡椒」「山わさびにレモンとパセリ」「トマトとシシトウ」が、どれも秀逸すぎてあっという間に肉がなくなってしまう。

鴨も牛もひと口だけであまりのおいしさに全身が震えたほど。山下シェフの火入れは見事である。その秘訣を訊いてみた。「肉はできる限りゆっくり火を入れます。焼く前にどれだけ常温に戻せるかが決め手で、ほぼ人肌くらいの温度までもっていってから周りは香ばしく、中はほぼレアで焼き上げます。使うのはフライパン。ポイントはたっぷりのバターを使ってジューシーに仕上げることです」と答えてくれた。これこそが美食家たちを唸らせる山下シェフのテクニックなのである。

「メニューは常に考えています。考えすぎて具合が悪くなるくらい毎日、いつでも考えています(笑)」と山下シェフ。「風景」「文化」「旬のもの」、この3つが決まらないと皿ではないと言い切る。「テーブルへ提供するスタッフがストーリーを説明できるように創っています。お客さまが皿を見ながら情景が浮かべることでおいしさも違ってくると思います」と言う。

そのアイデアはどこからくるのだろうか?「電車の中吊りは3秒くらいで記憶に残るように色や形が考えられていると聞いてから、必ずチェックしています」と、日常の中にヒントがあるので必ず小さい手帳を携帯し、気になったことは書き留めているそうだ。

店名は“味の共犯者“ その意味とは?

山下シェフの料理をさらに高みへと昇華させるのは、ディレクターの小笠原篤さんのワインとサービスである。『タイユバン・ロブション』『オストラル』などで経験を積み渡仏、ボルドー大学で醸造を学び、1992年の世界最優秀ソムリエであるフィリップ・フォール・ブラック氏や『オーベルジュ・ド・リル』のシェフソムリエであるセルジュ・デュプス氏に師事する。

ワインソムリエ界の重鎮から教わったのは、“フランス流立ち居振る舞い”。お客さまを心から愉しませるエンターテインメントを目の当たりにした。「海外だと初日からプロとしての力量を求められます。知らないとか、できないは許されません」と話す。小笠原さんの選ぶ料理に寄り添ったワインのペアリングも魅力のひとつである。

「山下シェフの作る料理にソムリエが“共犯者”となりメニューを構築していきます。マリアージュは料理とワインだけでなく、空間、食器、食材、サービス、お客さま、同じ時間にこの店にあるすべてのことに当てはまります」と小笠原さん。フランス語で「味、テイスト」という意味のSaveurs(サヴール)と「密かな合意、共犯者」という意味のConplices(コンプリス)を合わせた店名の通り、料理とワイン、スタッフとゲスト、食材とスパイス、味と香りなど、いろいろな要素が絡み合い、この店での時間を愉しむ“共犯者”となるのである。

撮影:榊智朗


【メニュー】
The Chef's Tasting Course(シェフズ テイスティング コース) 14,000円
The Gastronomy Course(ガストロノミー コース) 18,000円
The Prestige Course(プレステージ コース) 22,000円
ランチコース5,000円、7,500円
ワインペアリングコース 10,000円〜
※金額はすべて税別、別途サービス料10%

Restaurant Saveurs Complices(レストラン サヴール コンプリス)

住所
〒106-0041 東京都港区麻布台3-4-11 麻布エスビル1F
電話番号
03-5545-5857
営業時間
ランチタイム(2018年1月13日より木、金、土曜のみ)12:00〜15:00(13:00L.O.) 、ディナータイム 17:30〜21:00 ( L.O.) 、バータイム21:00〜
定休日
日曜、年末年始、お盆時期
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/6512b83j0000/
公式サイト
http://restaurant-saveurs-complices.com/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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